2009年10月26日

JP労組中央委 中央本部を弾劾し情宣

週刊『前進』06頁(2413号3面2)(2009/10/26)

JP労組中央委 民営化推進を居直り
 中央本部を弾劾し情宣

 全逓部会が決起

 10月15〜16日、JP労組第4回中央委員会が千葉県浦安市のホテルで開催された。初日の15日、全国労組交流センター全逓部会の仲間は、この期に及んで民営化推進の立場を開き直る中央本部を弾劾する情宣を行った。
 今中央委は、民主党・連合政権発足後初の委員会となる。小泉政権による郵政民営化に全面的に協力してきたJP労組中央は、資本と結託した御用組合として民主党政権を支える立場を明確にしているが、今中央委は、そうしたJP労組中央の反階級的立場をむき出しにするものとなった。
 JP労組中央は、民主党・連合政権に中井洽(国家公安委員長)、赤松広隆(農水相)、小沢鋭仁(環境相)ら5人の「組織内議員」を送り込んだ。そして「郵政見直し」が問題になる中での本中央委である。彼らは「民営化推進」の立場を開き直った。現場労働者を苦しめている民営化の現実や、それへの怒りは完全に抹殺された。これが「郵政見直し」への中央本部の立場なのだ。
 郵政民営化から3年、JP労組中央は何をやってきたか?
 闘いを始めた者に「組織破壊者」のレッテルをはり、闘いをつぶすことに全力をあげた。人員削減を次々と受け入れ、民営化以前の3倍と言われる労働強化に沈黙、健康を破壊する深夜勤の拡大を承認した。そのあげくが「スト絶滅宣言」とJPEX計画の承認、さらに強制出向攻撃の手先化だった。この中央本部が、政権政党となった民主党と結託したのだ。

 まるで経営陣だ

 中央委の議案は怒りなしに読めない。
 第一に、民主党・連合政権の「郵政見直し」について、彼らは「経営者の視点」を強調し、「経営の自由度を担保せよ」と主張する。「経営の自由」とは賃下げや首切りの「自由」だ。民営化後、現場を黙らせれば、郵政資本は賃下げや労働条件改悪を「自由に」やれるようになった。現場を黙らせるのは労組の幹部たちだ。彼らは「郵政見直し」で、この「経営の自由」がなくなることを心配している。
 そして新政権で予想される郵政民営化法「改正」についても、彼らの関心事は民営化で破壊された労働条件の改善ですらなく、「経営力の向上」だ。恥知らずとはこのことだ。彼らは完全に現場労働者の敵である。
 第二に、前回中央委で打ち出した賃金3割カットと成果主義賃金導入の「人事・給与制度」について、「組合員から多くの不安や不満が出された」にもかかわらず開き直った。彼らは賃下げを労組の側から申し出たのだ。総額賃金を3割も削り、残ったパイを「成果主義」で現場で奪い合う最悪の分断攻撃だ。

 JPEXも推進

 第三に、全国の現場労働者の怒りで粉砕されたJPEX計画について、この期に及んで「推進する立場を変更しない」と開き直った。
 はっきりさせよう。JP労組中央は、空前の労働強化と合理化計画だったJPEX事業を「戦略事業」と公言し、率先して受け入れてきた。そのために「スト絶滅宣言」まで出して現場の闘いに敵対してきたのだ。
 なぜ彼らは破綻したJPEX計画にしがみつくのか? 非正規職化のさらなる推進(8割を非正規職に置き換える)を承認しているからだ。郵政職場25万人の労働者のうち、非正規雇用が16万人(65%)を超えた現実は、JP労組中央の承認の下で生まれたのだ。
 第四に、このような反労働者的立場から打ち出された「組織拡大運動」の反動性である。ますます「労働運動内部の資本家の手先」となって、現場の闘いをつぶす力を「拡大」する運動だ。

 出世の道具か!

 「前書記長の次期参議院選出馬」なる方針もまったく同じである。「会社の重役に納まった前委員長・山口を見ろ。組合が出世の道具にされてたまるか!」——現場では怒りが噴き出している。
 西川体制打倒に続き、JP労組中央を現場の怒りで打ち倒そう! 

 全逓職場 闘いは進む

▼東京A局……JPEXの破綻に続いての西川社長辞任に職場は沸き立っている。「組合が問題だ。西川を支えてきた本部派の組合執行部は全員退陣だ」の声。
▼東京B局……門前にて1時間強で賛同署名が13人。チケットは3枚売れた。50歳代半ばの労働者が「おれは国鉄だった。郵政も民営化で職場がバラバラにされた」
▼東京C局……1時間強で賛同署名19筆。日本郵便輸送(旧日逓)の労働者が郵便車の列をなして署名に応じた。26歳の郵便外務の非常勤労働者が「交流会に参加したい」
▼東京D局……ビラを受け取った20歳代後半の労働者が「西川は許せない。首にしろというビラの主張は正しい」
▼栃木A局……ビラを受け取った古参の労働者。「ビラの内容はうちの局の状態と一緒だ。非正規雇用の全員に読ませるから30枚持ってきて」