「派遣村村長」湯浅が政権入り 革命圧殺を狙う取り込み
「派遣村村長」湯浅が政権入り
革命圧殺を狙う取り込み
昨年末、日比谷公園に開設された年越し派遣村の「村長」を担った湯浅誠が、鳩山政権の国家戦略室の政策参与に就任する。湯浅は、自立生活サポートセンター・もやい事務局長や反貧困ネットワーク事務局長を務め、日本の貧困問題に関する発言と活動で知られる人物だ。
体制内派の正体
湯浅の政権入りは何を意味するのか?
民主党・連合政権にとって最大の恐怖は、数千万人の労働者が団結して、労働者の貧困の根源である資本主義に対する反乱に決起することだ。湯浅を国家戦略室に据えた民主党・連合政権の狙いは、まさに労働者階級がこうした闘いに立つことを何としても阻止し、プロレタリア革命を圧殺することにある。
湯浅は貧困問題に取り組む第一人者のように振る舞ってきたが、その内実は、資本主義を大前提に、その中での労働者の「救済」を求める体制内派だ。そうした彼の本質が、政権入りという形でむき出しになったのだ。
経済・金融・財政政策、社会保障政策、貧困・失業対策、治安対策……鳩山政権の一切の政治の目的は、世界大恐慌にまで至った資本主義を延命させることにある。何よりも労働組合を懐柔・屈服させ、政府に取り込み、労働者をバラバラに分断し、闘いを未然に防ぐことにある。
そもそも湯浅は、鳩山政権の閣僚連中と一緒に何をしようというのか?
連合の犯罪性!
資本家階級そのものである鳩山や小沢は言うに及ばないが、例えば平野官房長官は、パナソニック労組出身で偽装請負や派遣切りに協力してきた人物だ。派遣法撤廃に反対する代表的人格だ。直嶋経済産業相はトヨタ労組出身で、製造業への労働者派遣を推進してきた人間ではないか。
彼らが反省して、態度を改めたとでも言うのだろうか? UIゼンセン同盟出身の川端文科相は、派遣法は「やみくもに規制を強化するのではなく、もっと良い方策を」と言っている。あくまで派遣労働の温存を画策しているのだ。川端は民主党の「派遣制度の改善を推進する議員連盟」会長だ。
こうした非正規職化の攻撃は、日本の労働者階級にすさまじい貧困を強いている。
厚生労働省が20日に初めて公表した「相対的貧困率」では、07年の貧困率は15・7%。6人に1人近くが貧困状態で暮らしている。日本の貧困率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最悪レベルだ。
この社会を支える何千万人の労働者が失業や不安定雇用、低賃金、長時間労働で苦しんでいる。これが国鉄分割・民営化の強行以来、新自由主義の満展開がもたらした貧困の実相だ。
直接にはこの十数年、日本経団連や自民党政権が労働者を痛めつけてきた結果だ。だが同時に、労働組合のナショナルセンターである連合の全面屈服と協力なしにはなかった現実でもある。
湯浅はこういう連中と一緒に何をするのか? 労働者の団結した闘いに依拠するのではなく、政府・ブルジョアジーのわずかばかりの涙金=偽善策にすがり、根本的問題を永続化させ、永遠に労働者を貧困にしばり付ける構造を維持するということだ。湯浅の政権入りは、労働者に幻想を与え、闘いを抑制する以外に何の意義があるのか。
労働者の団結を
もちろん労働者が生き抜くために、あらゆる闘いが必要だ。打開の一切のかぎは、労働者階級が団結して資本や政府と闘うことだ。これこそが労働者階級をめぐる状況を一変させるのだ。資本家階級が最も恐れているのはこれなのだ! ささやかな政府への「要求」さえ労働者の団結と闘いなしには実現しない。
何よりも資本主義は、もはや労働者を食わせることができない。世界大恐慌は過剰資本・過剰生産力を露呈させた。資本主義は、労働者を働かせて賃金を払うこともできない。労働力の商品化=賃金奴隷制に基づく資本主義は世界大恐慌という自己崩壊に至ったのだ。
万国の労働者が団結して、資本主義と闘うこと——これが労働者の生きる道だ。あらゆる闘いを労働者の団結に結びつけよう。労働者階級こそ本当の社会の主人公だ。団結することこそ労働者の生きる展望を生み出す。
動労千葉と国鉄1047名の闘いは「解雇撤回」「民営化絶対反対」の原則を貫く闘いだ。原則的な闘いこそが展望を生むのだ。11・1労働者集会へ大結集しよう。