2009年10月19日

派遣法と非正規職の撤廃へ 革共同合同・一般労組委員会

週刊『前進』06頁(2412号2面3)(2009/10/19)

民主党・連合結託体制を倒し派遣法と非正規職の撤廃へ
 革共同合同・一般労組委員会

 11・1全国労働者総決起集会まで2週間。「派遣法撤廃! 道州制=公務員労働者360万人首切り許すな! 国鉄1047名解雇撤回! 戦争・改憲と民営化・労組破壊にたち向かう労働者の国際的団結を!」を掲げた11・1集会に、合同・一般労組こそが最先頭で決起しよう。核心は「国鉄1047名の解雇撤回闘争」が「派遣法・非正規職撤廃」の闘いそのものだということだ。この二つのスローガンが闘う労働組合をよみがえらせる道である。革共同合同・一般労組委員会は正規・非正規雇用労働者、派遣労働者、失業者を総力で組織して、11・1集会1万人結集の中軸を担おう。

 「派遣法撤廃に反対」の連合幹部が政権中枢に

 鳩山内閣の官房長官・平野博文は電機連合・パナソニック出身であり、派遣法撤廃に反対している代表人格である。経済産業大臣の直嶋正行は元自動車総連副会長・トヨタ労組出身であり、派遣法推進のトップである。
 文科大臣の川端達夫はゼンセン同盟の東レ労組出身の旧民社党議員であり、2008年2月19日に設立された民主党「派遣制度の改善を推進する議員連盟」の会長だ。川端は、08年3月11日の同連盟の会合の締めくくりで「派遣については、今、ワーキングプアの問題と関連づけ、格差問題の『悪』の一つとしてやり玉に挙げられているが、もっと実態を正しく理解する必要がある。……企業の不祥事があったからといって、ただやみくもに規制を強化するのではなく、もっと良い方策を検討していこう」と述べている。
 また、UIゼンセン同盟(連合の高木剛前会長が08年まで会長、現顧問)傘下の人材サービスゼネラルユニオン(JSGU)は登録型派遣・日雇い派遣禁止について反対を明言している。JSGUは日雇い派遣労働者の日本最大組合と言われているが、会社と一体になって組織されてきた完全な御用組合である。
 連立政権合意とされた「派遣法改正」も、現に先送りになろうとしている。また、もし鳩山政権が派遣法を「改正」したとしたら、それはより悪質な首切り・非正規化攻撃になることは必至だ。
 鳩山政権は、連合出身労働貴族と旧自民党勢力の結託体制であり、首切りと労組破壊を推進する政権だ。こんな政権を打倒しなければ、派遣法と非正規職の撤廃はない。11・1集会1万人結集の力で派遣法・非正規職撤廃をかちとろう。

 国鉄1047名闘争を基軸に据え大きく前進

 合同・一般労組委員会は、1年間の闘いをとおして基本路線を確立し、実践においても大きな前進をかちとってきた。
 一つは、国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸にした4大産別決戦を合同・一般労組委員会が自ら担うという基本路線を確立したことである。1千万人を超える非正規職労働者を生み出した原点は、1987年の国鉄分割・民営化だ。それは新自由主義攻撃の日本における出発点であり、規制緩和・民営化をテコに労働組合を根絶しようという大攻撃だった。
 しかし動労千葉が「分割・民営化絶対反対」で2波のストライキを打ち抜き、40人の大量解雇も突き破って団結をますます固めて今も闘いぬいていること、そして1047名の国鉄労働者が23年間も解雇撤回闘争を貫いていることは、分割・民営化攻撃の完全破産をもたらしている。
 国鉄闘争を自らの課題として闘いぬき、正規・非正規の分断をうち破って怒りをひとつに組織し、闘う労働組合をよみがえらせる——このことこそ、労働者派遣法撤廃・非正規職撤廃と完全に一体の闘いである。
 二つに、道州制攻撃と全面対決して、非正規職撤廃へ闘いぬくことだ。道州制は、公務員労働者360万人の大首切りであり、そのことをとおして全労働者を大量首切りと非正規職化、大幅賃下げにたたき込む攻撃だ。
 世界大恐慌下において非正規職撤廃とは、革命そのもののスローガンだ。資本家階級も、大量首切りを強行しながら、他方では大量の失業者が団結して立ち上がった時には革命が現実のものになることを恐れている。すべての非正規職労働者・失業者を組織し、闘う団結をつくり出した時に、革命は実現できる。その先頭に立とう。
 三つに、合同・一般労組の闘いの原点は職場だ。「社会の主人公は労働者だ。あなたにこそ社会を変える力がある。労働者の誇りを取り戻し、全国・全世界の労働者と一つになって闘おう」と訴え、職場で仲間を組織し、分会をつくり、職場支配権を労働者の手に取り戻そう。さらに街頭に打って出て、解雇者・失業者を組織しよう。
 この1年間の闘いをとおして、各地の合同労組が、職場の労働者を丸ごと組織して、資本家と激突しながら団結してストライキで闘う分会を次々とつくり出してきた。また「派遣切り」にあった解雇者が地域闘争委員会をつくって解雇撤回闘争、職安闘争、住居確保の闘いを始めている。従来の多くの合同労組にあった、一人争議→争議解決で終結というあり方を完全にのりこえる、動労千葉派の合同労組運動をつくり出してきたのだ。
 これらの闘いをさらに大きく前進させ、11・1に職場と街頭から大結集をかちとろう。

 団結を総括軸に闘った韓国サンヨンの闘い

 韓国民主労総・全国金属労組サンヨン自動車支部の77日間の工場占拠・ストライキ・籠城(ろうじょう)闘争の最大の教訓は、階級的団結論と絶対反対論である。死を覚悟してストライキを闘いぬいた500人が生き残り、団結を維持して闘争継続を誓っている、偉大な闘いである。
 「整理解雇絶対反対」を貫いたサンヨン自動車支部の闘いは、全世界の資本家階級を震撼(しんかん)させた。現執行部のもとで非正規職の支会を結成し、ストに先行してサンヨン自動車支部の指導部とともに工場内の煙突に登り86日間の高所籠城闘争を闘いぬいたのが、非正規職支会のソメンソプ副支会長だった。
 ソ副支会長を含む19人の非正規職がストを闘いぬく中で、正規職と非正規職の間の厚い壁が崩れた。ソメンソプ副支会長は「私は、合意書がどうのという以前に、これだけで勝利だと思う」と語っている。
 サンヨン労働者はいったん籠城ストを解除したが、この上ない悔しさとともに、勝利感と誇りを持って次の闘いに入った。8月26日には「整理解雇者懇談会」にスト参加者全員を先頭に500人が集まり、解雇撤回・職場復帰を目指す新たな闘いに突入することを決めた。これこそ団結を総括軸にした闘いだ。

 民主党応援団の塩川一派

 塩川一派の9月6日の反革命政治集会の二つの基本報告については本紙2408号の仲山良介論文で批判しつくされているが、なお若干言及しておきたい。この基本報告は彼らの「思想性」をよく示している。彼らは以下のように書いている。
 「民主党を中心とする連立政権に対して、『所詮はブルジョア政権にすぎない』などというような冷笑的あるいは悲観的な態度……を決め込むことは大きな誤りである」「今日の労働者人民の生活苦や経済全体の危機的状況についても、『資本主義を打倒しないかぎり、改善の余地はない』などとする立場も同様に誤りである。……『製造業への労働者派遣の解禁』などは、”資本主義であるかぎり不可避な政策”であったのか? 断じてそうではない。これらの撤廃を民主党政権に実行するように強力に要求する大衆運動を推進しなければならない。このようにして労働者階級人民がその闘争をとおして政府に政策の転換を強制するというプロセスをぬきにして、先進資本主義国における社会革命を実現することはできない」
 つまりは、鳩山政権の応援団になるということだ。職場闘争を投げ捨てた連合尻押し論だ。「ルールある資本主義」を資本に求める「建設的野党」=日本共産党と変わりのない体制内改良主義だ。
 そもそも新自由主義とは、「労働者階級への無制限の搾取の上に経済のバブル化・投機化を大々的に推進し、民営化による公教育や医療などの解体によって社会全体を荒廃と崩壊のふちにたたき込んだ。そして、一握りの帝国主義ブルジョアジーが他の一切の人民を犠牲にして莫大(ばくだい)な富を手中にする状態をつくりだしてきた」(「綱領草案」)ものだ。
 新自由主義に節度などない。半世紀に及ぶ内乱の上に、国家による法的強制で労働日を制限しなければ、資本の略奪欲は「国民の生命力の根源を侵す」ほどに無制限なものであることを示したのが工場法である。新自由主義の本質とは、この工場法をなくせ、規制を撤廃し、工場法以前に戻せ、資本が労働者から搾取をすることを無制限・無制約に自由にやらせろ、ということだ。
 過労死、年間の自殺者が10年連続で3万人を超え、精神的・肉体的に病気になり職場に行けなくなっている労働者もたくさんいる。大量の派遣切り、ワーキングプア状態は、マルクスが『資本論』で描いた工場法以前の状態よりもすさまじいと言える。

 11・1で革命を手繰り寄せる

 11・1はプロレタリア革命を手繰り寄せる水路であり、革命に向かっての出発点である。
 資本家階級が労働者を食わせることもできなくなった今、労働者が対置すべきは革命以外にない。合同・一般労組のすべての仲間は、革共同・マル青労同に結集し、革命勝利へともに闘おう。合同・一般労組委員会は、地区党の団結を強化・拡大し、職場に圧倒的な細胞を組織しよう。
 合同・一般労組の領域は今、4大産別を始め、正規・非正規を問わず、全産別にまたがる。地区ソビエト建設を指向した地域の拠点労組を合同・一般労組委員会が先頭になって打ち立てよう。
 さらに、11・1街宣の先頭に合同・一般労組委員会が立ち、街頭の労働者を合同・一般労組に組織しよう。青年労働者を大胆に組織しよう。
 合同・一般労組の運動こそ日本における体制内労働運動との最大の党派闘争の場である。党派闘争に勝ち抜き、闘う労働組合をよみがえらせ、11・1集会への1万人結集を実現しよう。