2009年10月15日

革共運動の50年 綱領草案は現代の「共産党宣言」だ

週刊『前進』08頁(2410号5面1)(2009/10/15)

革共運動の50年 新たな飛躍
 綱領草案は現代の「共産党宣言」だ
 反帝・反スターリン主義の旗のもと大恐慌をプロレタリア世界革命へ

 1959年9月、本紙『前進』創刊号の巻頭論文で、革共同の創立者であった本多延嘉同志は、「反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、革共同全国委員会に結集せよ」という熱烈な呼びかけを発した。それから50周年を迎えたこの秋、革共同は、第25回拡大全国委員会総会を開催して綱領草案を採択し、革命的共産主義運動の新段階突入を宣言した。この綱領草案を高く掲げ、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。

 労働者自己解放の思想

 革共同が25全総で採択した綱領草案は、階級的労働運動をよみがえらせるための全党の同志の白熱的実践がついに闘いとった地平である。それは、革共同の半世紀にわたる苦闘の結晶である。と同時に、何よりも06年の党の革命以来の労働者同志を先頭とした革命的労働者党建設の闘いの決定的前進こそが、綱領草案を生み出すことを可能にした。
 まさに全党の同志が、自らの階級的実践と熱烈な討議をとおして、ここに21世紀のプロレタリア世界革命を闘いとる綱領を共同して創り上げたのだ。
 わが革共同は、この綱領草案を、全世界のプロレタリアートの前に現代の『共産党宣言』として提出する。そして、資本主義社会の全面的な転覆と真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設に向かって、世界の労働者階級が団結して総決起する時が来たことを公然と呼びかける。この綱領草案のもとに、革命的共産主義者としての生死をかけた団結を闘いとること、世界単一の革命党の建設を真っ向から提起し、その最先頭で闘うことを宣言する。
 綱領草案は四つの章と14の項目で構成される。その一つひとつが、プロレタリア革命とは何か、労働者階級の根底的解放はどのようにして達成されるか、そのためには何が必要かを、原理的に、かつきわめてシンプルに提起している。
 これらはすべて、マルクス主義の核心問題である。だが19世紀の思想の単なる焼き直しではない。労働者階級の党である革共同が、今日の資本主義・帝国主義に対する動労千葉労働運動を先頭とした必死の闘いをともに担いぬくことをとおしてつかみ直し、発展させてきた到達点である。文字どおり自らの血と汗で闘いとった、「生きたマルクス主義」がここにある。
 綱領草案の意義と内容については、『共産主義者』162号に収録された25全総の第2報告をぜひ参照していただきたい。最大のポイントは、以下の四つの点に集約される。
 第一に、マルクス主義の核心中の核心である労働者階級自己解放の思想を全面的によみがえらせたことである。
 綱領草案は、「労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である」という言葉で始まっている。資本主義社会を転覆する力は労働者階級自身の中にある。資本の支配のもとで一人ひとりバラバラにされ、互いに分断・対立・競争させられてきた労働者が、階級としてひとつに団結する中に、賃金奴隷の鉄鎖を根底から断ち切る力が生まれてくる。そして労働者階級の解放は同時に、階級社会を最終的に廃止して、あらゆる搾取と差別・抑圧からの全人間の解放を実現する道を開くのだ。ここにプロレタリア革命の本質がある。
 この労働者階級自己解放の思想はしかし、ロシア革命を変質させたスターリン主義のもとで長い間、否定され解体されてきた。逆に、現実の労働者には社会を変える力などないという、労働者階級への蔑視と不信がまかりとおってきた。これを真っ向から打ち破って、労働者階級こそ唯一の革命的階級であることを宣言し、その歴史的使命を明らかにしたのが綱領草案である。
 第二に、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を、現代革命の唯一の綱領として全世界の前に再提起したことである。
 革共同はすでに50年前、世界革命の放棄とマルクス主義の歪曲によって帝国主義の延命に手を貸してきたスターリン主義の反革命的本質を見抜き、帝国主義打倒とともにスターリン主義打倒を公然と掲げて出発した。プロレタリア革命は世界革命であることを明確にすると同時に、「労働者国家無条件擁護」を掲げるトロツキー教条主義と闘って、スターリン主義体制打倒の第2革命の必要性をはっきりさせ、反帝・反スタの綱領的立場を確立した。
 今日、旧ソ連・東欧の崩壊に続く、残存スターリン主義・中国や北朝鮮の危機のはてしない深まりは、スターリン主義の歴史的破産を完全に示している。だがそのスターリン主義はまだ完全には打倒されてはいない。むしろ今日の大恐慌下、労働者階級の革命的決起に恐怖し、帝国主義者と一体となってその圧殺に真っ先に動き出しているのが日本共産党などのスターリン主義だ。今こそ反帝国主義・反スターリン主義を徹底的に貫いて、プロレタリア世界革命の実現に突き進もう。

 労働組合の革命的役割

 第三に、プロレタリア革命は暴力革命であり、プロレタリア独裁の樹立こそ革命の核心問題であることを明確にしたことである。
 労働者階級は、自らの解放をかちとるためにはブルジョア国家権力を打倒して、自分自身の政治権力を打ち立てなければならない。それは、議会を通じた政権交代などでは断じてない。蜂起したプロレタリアートは、現在の国家機構を徹底的に粉砕して解体した上に、これまでの国家とはまったく異なる新しい型の国家をプロレタリア独裁権力として打ち立てる。そのもとで、資本家階級の私有財産とされてきた社会的生産手段の一切を労働者階級の手に奪い返し、共産主義社会の建設に向かって全社会を再組織していくのだ。
 今日、連合はもとより日本共産党や社民党も、塩川一派も、資本主義救済に走るあらゆる潮流がこぞってこのことを否定し、革命への敵意をむきだしにしている。革共同は、今やスターリン主義の発生はレーニン主義にあるなどと言い出した塩川一派の転落と敵対を断じて許さない。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命が切り開いた道を断固として進む。そしてレーニンとボルシェビキ党が挑戦して最後までやりぬけなかった闘いを、われわれの手で完遂する。
 第四に、プロレタリア革命における労働組合の革命的役割を明確にし、労働組合をめぐる闘いの決定的意義を、マルクス主義の原点に立ち返って明らかにしたことである。
 労働者階級は、プロレタリア革命をやりぬくために自らを独自の党に組織する。党は労働者階級の一部であり、その最高の団結形態であり、最も鍛えぬかれた前衛である。革命は、この党が労働者階級全体を獲得し、全労働者の団結とその一人ひとりの自己解放への爆発的な決起を引き出すことによって勝利する。そのためには、党と労働組合の結合が不可欠である。
 労働組合とは、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。労働者は資本の無制限の搾取と日々闘って自分自身と家族の生活を守りぬくために、労働組合を必要とする。だが労働組合は、資本との日常的なゲリラ戦を闘うために必要なだけではない。賃金奴隷制そのものを廃止し、資本の支配を打ち倒すための労働者階級の組織された力として、より決定的な意義をもつ。
 労働組合のこの本来の姿はしかし、帝国主義とスターリン主義の支配のもとで徹底的に否定されてきた。労働組合は労働者の経済要求の改良主義的実現のための組織であり、労働組合と革命運動を結びつけるなどとんでもないという考え方が、逆に労働運動の「常識」として横行してきた。労働組合はもはや労働者が資本と闘う武器でさえなくなり、一握りの労働貴族が資本の手先となって現場労働者を支配する手段にまで変質した。
 この現状を真っ向からぶち破って、闘う労働組合の本来の姿を全世界的によみがえらせる中にこそ、21世紀のプロレタリア世界革命をたぐり寄せる最大の戦略的課題がある。この闘いを、最先頭で切り開いているのが動労千葉労働運動であり、11月労働者集会に結集する全国・全世界の闘う労働者・労働組合なのである。
 今日、世界大恐慌が爆発し、新たな侵略戦争・世界戦争の危機が深まる中で、労働組合と労働運動をめぐって革命と反革命との大激突が闘われ、その成否が革命の成否を決する情勢に入っている。綱領草案は、この問題を綱領的次元でとらえ返し、現代におけるプロレタリア革命の核心問題として位置づけたのである。このことは、革共同がついに到達した歴史的地平である。

 半世紀の闘いの到達点

 25全総の開催と綱領草案採択は、革共同半世紀の闘いの到達点であり、新たな巨大な飛躍への出発点である。
 革共同の創立以来、この50年間をわれわれは、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、社・共に代わる革命的労働者党の建設をめざして一心不乱に闘いぬいてきた。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、大学闘争や三里塚闘争など日本階級闘争の最前線に一貫して立ち続け、闘いを最先頭で牽引(けんいん)してきた。日帝権力による組織絶滅型の大弾圧を獄内外の団結によって断固としてはねのけ、反革命ファシスト集団・カクマルの白色襲撃との20年にわたる血みどろの内戦をも戦いぬいて、完全勝利をかちとってきた。
 こうした様々な試練をくぐりぬける過程で自らの内部に生じた誤りやゆがみも、労働者同志の決起を先頭に、闘いの中でのりこえてきた。そして今日、動労千葉労働運動の不屈の前進と結合し、綱領草案の発表をもって、党建設の新段階に突入したのである。
 われわれは今や、自らの党としての「途上性」に自分自身の手で終止符を打つ。そして本物の革命的労働者党として、プロレタリア世界革命の勝利に責任をとる共産主義者の党として、一点のあいまいさもなく立ち切ることを宣言する。そして職場生産点を始めとしたあらゆる闘いの現場で全責任を引き受けて闘う中でこそ、そこで明らかになる自己の未熟さや弱点と徹底的に対決し、のりこえ、飛躍につぐ飛躍を実現しながら進むのだ。
 日本と世界の労働者、とりわけ青年労働者と学生に訴える! 今こそ革共同の旗のもとに結集し、21世紀革命の実現という前人未到の課題に向かってともに総決起しよう。最後に勝利するのはわれわれだ。ともに闘おう。