2009年9月28日

迎賓館・横田差し戻し審 3被告・弁護団が冒頭陳述

週刊『前進』06頁(2409号6面3)(2009/09/28)

迎賓館・横田差し戻し審
 “直ちに無罪判決を”
 3被告・弁護団が冒頭陳述

 9月17日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判・差し戻し審第17回公判が開かれた。被告・弁護側立証に突入し、弁護側冒頭陳述が行われた。
 法廷は傍聴に駆けつけた多くの労働者、支援者であふれ出した。板垣宏同志、須賀武敏同志、十亀弘史同志が次々と立ち、一審無罪判決を覆そうとする検察・裁判所一体の策動に怒りと弾劾をたたきつけた。
 「16年も事実審理をして無罪判決に到達した本件を、一回も事実審理せずに破棄し、差し戻すこと自体が権力の暴力行使だ。差し戻し審での検察官の『立証』はまったくの無でありゼロだ。一刻も早く無罪判決を行え」(板垣同志)
 「裁判上の本質は単純だ。私たちは無実。やってないから証拠がない。やってないから立証できない。一審無罪判決は法と論理を当たり前にとおしたがゆえに、揺るぎない合理的な判決となった。私は22年間怒り続けている。検察官立証はすべてがメモのねつ造的解釈だ。裁かれているのはデッチあげという犯罪と、裁判所が犯した誤りだ。裁くのは私たちだ。私たちにはその資格と権利がある」(十亀同志)
 「本件裁判はいよいよ最終決着の局面だ。控訴審判決は国家権力が過去に強行した多くのデッチあげと比べても、悪質、狡猾(こうかつ)さで類例を見ぬほど卑劣で犯罪的だ。特に金沢借家は私が病気療養で借りた場所で、十亀さんや板垣さんは居住したこともないし訪れたこともない。検察官立証の虚構と破産は明らかだ。差し戻し審の裁判官は一日も早く私たちを『被告』の座から解放せよ」。(須賀同志)
 体中から怒りがほとばしる3同志の発言に、傍聴席からは「そのとおりだ!」の声が飛び、拍手が何度も起きた。林裁判長は、被告団の迫力と正義に圧倒され、制止することもできなかった。
 法廷に戦闘的な雰囲気が満ちあふれる中で、弁護団が冒頭陳述(その1)を朗読した。デッチあげと差し戻し審での検察官立証の破綻を明らかにした上で、検察官立証に最後のとどめを刺すために、弁護側立証をとことん攻勢的、徹底的に闘いぬく決意と具体的立証計画を明らかにした。次回10月15日の裁判でも、さらに継続して冒頭陳述(その2)を闘いとる。
 この間、被告・弁護団は、検察官が隠し持つ捜査資料や押収物を全面的に開示せよと闘ってきた。検察官はやっと開示したが、それは実に膨大な資料である。3同志の無実を明らかにする資料を整理し、証拠請求するためには、相当な時間が必要である。弁護側冒頭陳述がさらに継続する可能性もあるのだ。
 ところが、林裁判長は、弁護側立証を、次回10月15日、次々回11月24日の2回の公判で終わらせ、年内に論告求刑という超スピード審理で逆転有罪判決にもちこもうとたくらんでいるのだ。絶対に許せない。
 このデッチあげ弾圧への裁判所と検察の最後のあがきを許さず粉砕しよう。次回公判では、傍聴席のみならず、裁判所の廊下やロビーまで埋め尽くす大包囲闘争をやりぬき、絶対に勝利をもぎとろう。
 11月労働者集会の1万人結集が決定的だ。自公連立政権を歴史的惨敗にたたき込んだ労働者階級人民の怒りはすさまじい。この巨大な怒りのエネルギーは民主党・連合政権をも痛撃するものだ。11・1労働者集会を怒りの総決起集会としてかちとろう。その力でデッチあげ弾圧完全粉砕へ攻め上ろう。