鈴木一坪裁判 転売狙う県を追及
鈴木一坪裁判
転売狙う県を追及
仲戸川裁判長を徹底弾劾
9月17日、千葉地裁で三里塚反対同盟の鈴木幸司さん、いとさん夫妻の一坪共有地裁判の口頭弁論が開かれ、70人の労農学が支援・傍聴に参加した。この裁判は駒井野の一坪共有地の明け渡しを求めて、千葉県が共有者の鈴木さん夫妻を訴えたもの。この土地は「千葉新産業三角構想」なるものが計画されたが頓挫し、県が成田空港会社(NAA)に転売することだけを目的に強奪を狙っている。裁判長は現闘本部裁判と同じ、あの民事5部・仲戸川隆人だ。
開廷に先立って、反対同盟は地裁民事の書記官室を訪れ、仲戸川裁判長への申し入れ行動を行った。6月25日の現闘本部裁判の法廷で突如、実質審理の打ち切りを一方的に通告したことに対して、反対同盟はすでに7月21日に①石橋恵美子、法理哲二証人の再証人尋問②現闘本部建物の実地検証を求める申し入れを行っていたが、2カ月が経過しようとしているのに回答がないことへの再度の抗議・申し入れだ。だが仲戸川は書記官を通じて「法廷でしか対応しない」と伝え面会を拒否。怒りの中で北原鉱治事務局長が申入書を力強く朗読した。顧問弁護団は、地裁所長に仲戸川更迭を求める申し入れ行動を行い、法廷に臨んだ。
10時半開廷。弁護団はただちに葉山岳夫弁護士を先頭に発言を求め、面会拒絶という対応を徹底的に追及した。仲戸川は「本件とは関係ない」と言い放ち、法廷は怒りに包まれた。北原さんも傍聴席から「公平な裁判をやれ!」と弾劾した。
今回の弁論では、先日千葉県側が出してきた準備書面がまったくずさんでいい加減なものでしかないことを弁護団が鋭く追及した。しかも県の代理人は、前回の法廷で提出命令が出されていた譲渡契約書、買付証明書、購入申込書などいずれも「ない」と強弁し、言い逃れを試みた。原告・千葉県は「全面的価格賠償方式」(当事者が反対しても金を払って土地を取り上げる)を使っての一坪強奪を画策している。反対運動の共有の財産である一坪共有地を、空港への地上げ屋的転売のためによこせ、とは全面的に違法・不当だ!
仲戸川裁判長は「双方の主張を早めにそろえて」などと拙速裁判、早期結審の意図をあからさまにした。抗議の中を閉廷を宣して退出しようとする仲戸川に対し、市東孝雄さんが「法廷でしか対応しないと言うからここにきたのに、関係ないというさっきの態度は何だ!」と鋭く追及した。
閉廷後に裁判所内の待合室で反対同盟、弁護団、支援者の会合がもたれた。弁護団の解説・発言に続き、鈴木いとさんが「あの土地は私らのものではなく反対同盟の財産です。これからもがんばります」と笑顔で決意を語り、大きな拍手を受けた。動労千葉の後藤俊哉さんのあいさつを受け、最後に萩原進事務局次長が「現闘本部裁判は年内結審、いや年内判決もありうる情勢。市東さんの裁判も重大局面にある」と注意を喚起し、10・11全国集会大結集へ気を引き締めて闘うことを誓い合った。