全学連大会 11月学生1千人結集へ 坂野委員長代行体制を確立
全学連大会 11月学生1千人結集へ決戦方針
獄中8学生と固く団結し 坂野委員長代行体制を確立
全学連第70回定期全国大会が9月10〜12日、全国の学生100人の結集で東京・文京区民センターで開催された。一方で暴処法弾圧によって全国学生運動と法大闘争の指導部である8人の学生を獄中に奪われ、他方で8・30総選挙をもって歴史的激動情勢に突入する中での大会は、坂野陽平委員長代行体制のもと、全国学生が11・1労働者集会1万人・学生1千人結集に向かって強固な団結と決意をうちかためる大成功をかちとった。「教育の民営化粉砕!」の路線を武器に、300万学生の総反乱をつくりだす全学連運動の復権へ大前進が開始された。
全学連新執行部
委員長 織田陽介(東北大・理)
同代行 坂野陽平(上智大・文)
副委員長 安藤聡男(広島大・文)
副委員長 倉岡雅美(法政大・人間環境)
同代行 洞口朋子(法政大・経)
書記長 冨山小太郎(京都大・農)
同代行 松室しをり(慶応大・文)
書記次長 石田真弓(東北大・経)
大会スローガン
・法大闘争に勝利しよう! 暴処法弾圧はね返し、獄中8学生を取り戻そう!
・「教育の民営化」と闘い、大学・教育・未来を学生の手に取り戻そう!
・全国300万学生は全学連の旗のもとに団結し、学生自治を死守・拡大しよう!
・自主法政祭つぶしを許すな! 法大文化連盟と団結し、10・16法大集会へ!
・闘う労働者・労働組合とともに、11・1全国労働者総決起集会に集まろう!
自民打倒の怒りと結合
大会は石田真弓書記次長の「暴処法で全学連3役が奪われる中、それを打ち破って大会をかちとっていることを確認しよう」という勝利感あふれる開会宣言で始まった。
坂野陽平委員長代行が冒頭に5本のスローガン(別掲)を提起し、中央執行委員会から3本の議案を提起した。
第1議案(総括)は、法大4・24集会の爆発から、暴処法弾圧を打ち破ってかちとった6・14−15闘争へと闘い抜いてきた画期的地平を圧倒的に確認するとともに、全学連運動の飛躍的前進にすべてがかかっていること、その核心こそ11・1労働者集会であることを鮮明に提起した。
「8月30日、労働者・学生の新自由主義への怒りが自民党を打倒した。この怒りと法大闘争の原点は一体だ。法大型の激しい闘いが全社会的に拡大していく。歴史変革の決定的な時が来た。民主党・連合政権を打倒しよう! 11・1労働者集会にこそ展望がある」
「世界大恐慌のもと、資本家がこれまでの教育のあり方そのものを破壊しようとしている中で『学生自治』をめぐる攻防が300万学生の怒りの弁を開け放つ突破口となる。法大闘争は監獄大学という極限的な状況のもとで大学・教育・未来を取り戻す闘いへと飛躍してきた」
「全国学生の怒りと団結に全面的に責任をとりきる全学連として飛躍しよう。全学連運動が時代の最先端に躍り出よう」
10・16法大闘争勝利へ
2日目からの討論は、8・30で示された怒りと結合し、キャンパスから11・1へ攻め上ろうという決意が続々と述べられた。その先頭に法大生が立った。無期停学処分者の久木野和也君は「1万人結集をかちとれば、国鉄1047名解雇撤回闘争も三里塚闘争も勝利できる。新たなインターナショナルも生まれる。学生1千人結集のうねりをつくりだせば法大闘争は完全に勝利する。その展望をロマンを持って語りきろう! 法大3年半の闘いはその力をつくりだしてきた。8・30情勢は大チャンスだ。反動を恐れず、学生の中に飛び込んでいこう」と訴えた。
「自主法政祭をめぐる攻防はキャンパスの支配権をかけた激突だ。営業権なのか団結なのか。学生自治の復権をかけ、法大生の巨大な怒りを10・16集会で爆発させる」
停学3カ月処分と闘う洞口朋子さんが「『教育の民営化』と真っ向対決してきたのが法大闘争であり8学生だ。法大当局は文連・全学連だけが問題だと言っていたが、結局監視カメラは増やし、学祭は破壊する。どれだけ法大生の決起に震え上がっているのか。学生の力と可能性がどれだけ大きいかということだ」と確信に満ちた発言。
教育の民営化との対決を!
大会は法大闘争を先頭に全国大学での「教育の民営化」攻撃と真っ向から対決する方針を打ち立てた。「教育の民営化とはどういうことか?」「大学・教育とは何なのか?」という根源的問いが出され、それをめぐって積極的論議が行われた。
「教育の民営化の核心は団結破壊攻撃だ」(大阪市大)、「歴史的に大学をつくってきたのは学生運動」(東北大)、「『教育を取り戻せ』は世界の学生のスローガン。教育を破壊するしかなくなった資本家を打倒し、学生が労働者とともに未来を奪い返していく闘いだ」(首都圏)
「教育の民営化」をめぐる攻防は、現場での学生自治をめぐる決戦として火を噴いている。現場にこだわりぬき、怒りと闘いを組織できるかどうかにかかっている。
富山大の新樹寮闘争を軸に寮闘争の爆発を切り開いてきた仲間から、格闘の中でつかんできた確信が次々語られた。
「闘う学生を排除して自治寮は成り立たない。当局は話し合いの対象なのか。寮生は展望を求めている。寮生を信頼して闘う」(新樹寮)、「寮への攻撃は時代の中で行われている。『大学の言うことを聞けばうまくいく』というイデオロギーと対決し、寮闘争を本格的に復権したい」(京大・熊野寮)、「学生を資本の食い物にするPFI寄宿舎など絶対に許せない! 食堂民営化という分断攻撃に対して2年間寮生とともに格闘してきたが、絶対反対を貫いたときにこの怒りが爆発した」(東北大・日就寮)
全国声明運動を推進しよう
全国声明運動の事務局を担う学生が「全国声明賛同は団結署名だ。8学生の存在と訴えにこそ全学生を獲得していく力がある。8学生と団結し、年内奪還のために全力で闘おう」と訴えた。
東京拘置所から全学連大会に寄せられた8学生のメッセージは、そのすべてが議案と並ぶ決定的内容で、常に議論の中心に座った。
「本大会が示しているのは、私たちが困難から逃げることなく、むしろ真正面から立ち向かってきたということです。そしてこの闘いは、監獄大学の中から学生の団結を復権させ、どんな弾圧にも屈せず前進していることです……キャンパスで学生の団結を組織し抜く体制と団結を作り上げよう」(織田陽介委員長)
「この時代、労働者階級の最先頭で闘う——これが学生の姿であり、あふれ出すエネルギーを無限に解き放つ、最も解放的かつ戦闘的存在が学生だ。法大闘争は常にその姿を示してきた」(倉岡雅美副委員長)
「全学連・文連が開拓した地平は柔軟性ある魅力的なもので大いなる将来性を秘めている。志ある学友は全学連・文連のもとに結集し共同戦線をはって欲しい」(文化連盟・恩田亮副委員長)
参加者全員が8学生奪還の決意を新たにした。
大会をとおして多くの学生が決定的なリーダーへと飛躍をかちとった。3日目の討論では、1年生を始めとした初参加者も含めて、今までの殻を打ち破り、困難から逃げずに闘うという決意表明が行われ、会場は感動に包まれた。
「学生運動が『教育の民営化』との対決を掲げたことは決定的だ。学生が商品としてしか生きていけない社会をひっくり返したい。自分の学部で闘う。その勇気ができた」(京大)、「学生大衆の解放の中に自分の解放がある。それは党派闘争にかちぬいて責任を取りきるということ。自分はもっと飛躍できる。そういう力を持っていることに確信をもった」(中四国)
「学生の中に思い切って入っていく。法大闘争と今回の全学連大会でつくってきた団結があればできる。怒りと結合し、東北大から11・1へ200人の学生を組織する」(東北大)、「大会討論で展望つかんだ。自分の周りに大学への不満はあふれている。これが『教育の民営化』だとはっきりさせればうねりはつくり出せる」(広島大)
最後に、3日間の討論を牽引した坂野委員長代行を軸に委員長・副委員長・書記長の代行が選出され、臨時執行体制を確立した。坂野委員長代行のまとめ、松室しをり書記長代行の決意表明(別掲)は、参加者全員の心を揺さぶり、全学連が全国学生を獲得できる現実性を指し示した。
鈴木弁護士が暴処法の講演
また、本大会には多くの来賓が参加し、全学連への期待と共闘の思いが述べられた。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長(別掲)、動労千葉争議団の中村仁さん、青年労働者からの力強い檄は、前半決戦が切り開いた労農学連帯の地平の大きさである。
法大裁判主任弁護人である鈴木達夫弁護士からは記念講演が行われ、暴処法との闘いの歴史的位置と学生運動の存在の大きさが語られた(次号に掲載の予定)。さらに法大弁護団の藤田正人弁護士、森川文人弁護士、藤田城治弁護士、西村正治弁護士からのアピールは、全学連運動と法大闘争が、裁判員制度反対の闘いと結合しながら前進していることを確信させるものだった。獄中35年の星野文昭同志を始め多くの方からメッセージが寄せられた。
今大会の画期的な地平
本大会は第一に、11月労働者集会への1万人・学生1千人結集方針を確立した。11月集会結集方針を一切の論議の軸に据え、8・30総選挙で示された日本労働者・学生の怒りと決起を集約し大党派闘争に勝利していく最大最高の方針として一致をかちとった。全学連運動が、11月集会結集方針を大学闘争における路線とマルクス主義的に結合させて一致したことは、06年3月以来の法大闘争の中から切り開いた画期的な地平だ。
第二に、全国大学で「教育の民営化」と激突し、「学生自治をめぐる攻防」を全面的に推し進める中で全学連運動を歴史的によみがえらせる路線を確立した。
第三に、10・16法大集会方針を確立した。自主法政祭という法大生の団結の象徴を解体する攻撃に対して、キャンパスの内部から文化連盟に続く法大生の決起をつくりだそう。
第四に、「8学生を取り戻そう!」というものすごい欲求のもとに、年内奪還方針をうち立てた。獄中8学生の革命的な存在こそが、法大闘争3年半と09年前半決戦の前進の地平の一切を体現している。
第五に、織田陽介委員長を始め全学連3役が監獄に奪われている中で、坂野委員長代行を先頭にした執行部が3日間の討論にすべての責任をとりきり、臨時執行体制を革命的にうちたてた。
今大会の実践的総括の一切は、11月1万人・学生1千人結集をかちとることである。10・11三里塚闘争−10・16法大集会−11・1労働者集会へ、激動を喜びとし糧とし、全学連の飛躍的発展をかけ、全国学生は闘い抜こう!