10・11三里塚に大結集を 反対同盟から(上)
10・11三里塚に大結集を
反対同盟から全国へ(上)
10・11三里塚全国総決起集会が間近に迫った。反対同盟から全国の労働者・学生にむけたアピールを掲載します。反対同盟の呼びかけに応え、三里塚現地に総力で集まろう。(編集局)
市東さんの農地守り抜く 事務局長 北原鉱治さん
三里塚44年目の秋、再び決戦の山場に来た。
パイロットたちは成田を「もっとも危険な空港」と呼んでいる。もともとの自然が破壊され、滑走路、誘導路、トンネルなどがいびつな形で造られ、継ぎ足され、ここの風景も変わってしまった。それでも成田は不完全空港、欠陥空港のままだ。
なぜならこの空港は農民の土地を力ずくで奪って造られてきたからだ。そこに正義はひとかけらもなく、このように理不尽な国家暴力に対し、身をもって闘いぬくことこそが正義であることを示してきたのがこの三里塚43年の歴史である。闘いの中で多くの逮捕者、重軽傷者を出し、尊い命が失われた。しかし人民には抵抗権があり、理不尽な国策に対してはこれと闘って打ち破ることができることを、身をもって証明した。
そのことが全世界の労働者人民の三里塚闘争への熱い共感をよび、国際的な反戦共同声明を反対同盟、動労千葉、米ILWU(国際港湾倉庫労組)、韓国民主労総の共同で呼びかけるまでに、国境を越えた連帯闘争が発展していった。43年の闘いは確実に実りつつある。労働者と農民との連帯があれば、この社会を変えることができる。時代はまさにそうした転換点にさしかかっている。
人民を抑圧する空港は人民自身の力で廃港に追い込まなければならない。「有事」との事態になればこの空港には大量の米軍が飛来し、戦争の出撃基地へと変貌(へんぼう)を遂げるだろう。アジアの防衛などと言いながら、実際にはアジア侵略の拠点として使用されるだろう。二度と戦争を許さぬとの思いで、三里塚は一貫して闘いぬいてきた。今こそ「軍事空港粉砕」を高く掲げて、一人ひとりが立ち上がるときだ。
国家権力と空港会社は法さえもねじ曲げて、市東さんの農地を強奪することに躍起となっている。空港のために農民の農地が奪われることを、許していいはずがない。反対同盟は市東さんの耕作地を絶対に守りぬく。
全国の心ある皆さんの支援と連帯によって、三里塚闘争は闘い続けてきた。そしてこれからも反戦平和、人民の未来をかけて闘い続ける。そのために皆さんの力を集中してほしい。
10・11三里塚全国総決起集会に全力で結集をお願いします。
青年・学生に来てほしい 天神峰 市東孝雄さん
私の裁判への日頃のご支援に感謝します。
今、第3の誘導路を造り、うちの家屋と畑を空港の中に取り込んでしまおうなどという計画が出されてきたが、本当に許すことができない。
さらに一坪共有地を取り上げて「への字」に曲がった誘導路の曲がり具合を緩和するなどと言っているが、結局は現闘本部建物とうちの畑をどかさない限り、何の役にも立たないだろう。そもそもこの不景気の中で、航空需要がどんどん減っていくのが、発着する飛行機を見ているとわかるんですよ。具体的には中型というよりも、小型に近いようなのが増えている。これでジャンボを飛ばせる滑走路にするなんて意味がない。日航は経営再建に入り、地方空港も大赤字に陥っているし。
最近はエコブームと言われているが、一番のエコは農業そのものでしょう。空港のようないらないものをたくさん造っておいて、逆に人間にとって一番重要な食べ物をおろそかにしているのだからおかしな話だ。自動車を始め工業製品を売るために、食糧は安いものを海外から輸入して労働者の賃金を下げようなんて、実に本末転倒な考え方だ。政権が民主党に代わったが、彼らはWTO(世界貿易機関)、FTA(自由貿易協定)推進を打ち出しているし、農業が少しでもよくなるとはまったく期待していない。
私はこれまでどおり、空港に負けずにここで農業を続けていく。これからは野菜を工場で作るなんて話もあるが、農作物はやはり土の上で作るものだろう。反対同盟として農地死守を貫いて闘う。
先日全学連の学生たちが、坂野委員長代行始め何人かで援農に来てくれた。慣れない仕事だったろうがよくがんばってくれた。警察の車は、気になってしょうがないらしく、いつにも増して何度もぐるぐる徘徊(はいかい)して見に来ていた。
若い人たちは私たちが理屈で考えるよりも、パワー、行動力があっていいね。学生や青年労働者にどんどん三里塚現地に来てほしい。この破綻した空港の姿や警察権力の横暴を目の当たりにしたら、ようし闘ってやるぞと誰もが思うでしょう。この三里塚の現実を生身で体験して、それを自分の大学とか職場に持ち帰って闘いのエネルギーにしてもらえたらうれしい。10・11には大結集してともに声を上げてください。