10・11三里塚全国集会へ “三里塚は敢然と決戦を挑む” 白川 賢治
10・11三里塚全国集会に大結集を
空港絶対反対・農地死守を貫き 市東さんへの農地強奪阻もう
“三里塚は敢然と決戦を挑む”
白川 賢治
世界大恐慌の中で資本主義体制が音を立てて崩れ始めている。労働者、農民、全人民が自ら立ち上がってブルジョアジーを打倒する時代が訪れた。この情勢に敢然と立ち向かうことが問われる今こそ、三里塚闘争の「農地死守・空港絶対反対」がその真価を発揮するときだ。10・11三里塚全国集会の爆発で日帝打倒の最先端を切り開き、11・1労働者集会への1万人結集で革命の扉を押し開こう。市東さん追い出しのための新たな攻撃に怒りを爆発させ、職場で学園で組織し、三里塚現地に総結集しよう。
民主党・連合政権への怒りが爆発する
全世界に貧困、飢餓、格差を蔓延(まんえん)させ、社会保障制度や教育を解体し、生きていけない労働者、農民を膨大につくり出した最末期帝国主義の新自由主義は、大恐慌を生み出した。
そしてこの中で日帝は、労働法制の規制緩和と公務員360万人いったん全員解雇・選別再雇用の道州制・民営化で大失業と賃金カット、労働強化、非正規雇用化、改憲・戦争への道に突進し、危機をのりきろうとしている。労働者人民は毎日毎日生活が破壊され、殺されているのだ。
こんな社会のあり方に「もう我慢ができない」という労働者人民の怒りが8・30総選挙で自民党を大敗させ、打倒したのだ。ブルジョアジーを救済し、一切の矛盾を労働者人民に押しつけてきた自民党政治は崩壊した。しかしそれに代わる民主党とは、より悪辣(あくらつ)にブルジョアジーの利益を代弁する政党だ。
新自由主義が破綻した中で、連合と一体となって自民党ではできなかったことを「やる」ために登場したのが民主党政権だ。しかし大恐慌情勢がさらなるブルジョア支配の危機へと進行することは不可避である。日帝は階級闘争を鎮圧して絶望的に保護主義とアジア侵略にのめり込むしかない。だが、労働者階級の怒りは民主党・連合政権に激烈にたたきつけられ、日帝を最後的に粉砕する革命情勢の新たな段階への突入となるのだ。
市東さんの追い出し狙う新誘導路計画
この情勢は三里塚攻防を極限的に激化させる。
そのことを最も鋭く示すものこそ、市東さん農地収奪攻撃であり、屈服を迫る「第3の誘導路」計画と、天神峰現闘本部裁判(千葉地裁民事5部・仲戸川隆人裁判長)の年内判決—現闘本部建物破壊策動である。
7月4日にマスコミ報道をとおして明らかにされた「第3の誘導路」計画は、市東さんの家屋、作業場、畑を空港内に囲い込む卑劣な追い出し攻撃だ。
市東さんは現在、東に隣接する誘導路からの爆音とジェットブラストによる生活破壊、営農破壊と日夜闘っている。「第3の誘導路」計画は、西側から轟音(ごうおん)と排気ガスを浴びせ、畑に行く道(団結街道)を寸断する。空港の中に閉じ込めて、市東さんをたたき出そうというのだ。東峰地区における40㍍上空飛行、空港内囲い込みと同じだ。国家犯罪そのものだ! 許せるか!
「農地法で農地を取り上げる」というデタラメの上の理不尽なやり方に黙っていられるか!
さらに天神峰現闘本部裁判で日帝・司法権力は仮執行宣言付きの年内(来春)判決を強行しようとしている。これは、戦闘的法廷闘争で追い詰められた揚げ句の証拠隠滅、闘争拠点破壊、破産した成田治安法に代わる民事執行による「除去処分」強行である。常軌を逸した攻撃だ。実地検証すればたちどころに反対同盟の地上権が明らかになる旧建物を、二審三審の判決を待たずに破壊する。裁判所が行政、資本の手先になろうというのだ。実力攻防戦不可避の決戦だ。千葉地裁・仲戸川裁判長の悪辣な策動を全人民の怒りで粉砕しよう。
「第3の誘導路」計画を承認した4者協議会(国交省、成田空港会社、千葉県、地元自治体)では「へ」の字誘導路の「緩和」も打ち出したが、どうあがいても危険は変わらず、これも市東さんの追い出しが狙いである。地元自治体が平然と手を貸すことを断じて見過ごすわけにはいかない。
7月30日には東峰の森を破壊して造られた暫定滑走路東側の新誘導路の供用が開始された。部落のど真ん中をジェット機が行き交い、許しがたい生活破壊が東峰地区住民を襲っている。そして暫定滑走路北延伸の10・22前倒し供用開始で、実際にジャンボジェットを飛ばし、爆音と恐怖によるたたき出しを狙っているのだ。
文字どおり三里塚は労働者、農民、人民と国家権力との死活のかかった決戦に入ったのである。
大恐慌下で三里塚は勝利開く最前線
決戦は不可避である。それはなぜか。
第一に大恐慌下における階級闘争解体攻撃との攻防がますます激化しているからである。日帝は国内の階級闘争の根絶なしに大恐慌の一切の矛盾を労働者、農民に転嫁することは絶対にできない。さらには改憲・戦争へと突き進むことはできない。大恐慌下における階級解体攻撃、階級闘争破壊との闘いの最大の焦点は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を許すか否かの国鉄決戦であり、日帝と絶対反対・徹底非妥協で闘う三里塚闘争である。ゆえに三里塚の勝利は、資本主義救済路線の体制内派と徹底的に対決する、動労千葉を先頭とした労働者人民の闘いの中でかちとられるのである。
第二に、大恐慌が帝国主義間争闘戦をますます激化させ、帝国主義を保護主義とブロック化に向かわせるからである。WTO(世界貿易機関)の決裂と日帝のFTA・EPA(自由貿易協定・経済連携協定)推進はこのことを示している。日帝は農地法の改悪を強行した。これこそは最末期帝国主義が争闘戦に勝ち抜くための、農業・農民からの徹底収奪攻撃なのだ。
他方、日帝航空資本は大恐慌下で破綻的事態にたたき込まれている。成田空港のアジアにおけるハブ空港の地位からの陥落は、争闘戦に生き残りをかける日帝にとって致命的だ。日帝は、たとえ絶望的であっても成田空港の再構築に向かわざるを得ない。暫定滑走路北延伸の10月22日前倒し供用、飛行回数の1・5倍化、24時間空港化は、追い詰められた日帝の死活をかけた攻撃なのだ。
これと三里塚は最前線で激烈に闘い続けている。「空港絶対反対・農地死守」の原則を貫く43年の闘いは、日帝の農民切り捨てに真っ向から立ち向かう農民の闘いであり、アジアへの侵略を阻止する闘いである。市東さんの農地収奪阻止の闘いこそ、その最大の拠点である。
第三に、大恐慌下で改憲・戦争の攻撃は、成田の軍事空港化攻撃との攻防が激化するからである。
成田空港建設は歴史的にも現実的にも軍事空港建設である。世界恐慌は世界戦争を不可避とする。北朝鮮への軍事挑発が強まり、改憲・戦争への動きが強まる中で、今日的にも成田空港の軍事化、自衛隊の軍事使用が強まっている。
10・22供用開始の真の狙いは地元住民のたたき出しであり、東峰・天神峰を更地にして滑走路を南にも延ばし、軍用滑走路としての3500㍍化を強行し、4000㍍級滑走路2本を持つ軍事空港を建設することにあるのだ。絶対に許すことはできない。
国鉄・三里塚・国際連帯を柱に11月へ
反対同盟はこうした国家の総力をあげた攻撃に対して「敢然と決戦を挑む決意」(10・11招請状)を固めている。敵の攻撃は三里塚の闘いの大きさの証左だ。自民党支配を打倒し、民主党・連合政権をがたがたに揺さぶる労働者、農民、人民の決起が開始されたこのとき、反対同盟は不屈非妥協に闘争原則を貫き、43年間国策を阻み、日帝打倒の展望を示している。「三里塚のように闘おう」「三里塚闘争に勝利しよう」を合言葉に労働者階級を三里塚に結集しよう。労働者階級が自らの闘いとして三里塚を闘うとき、三里塚は文字どおり「革命の砦(とりで)」となる。
反対同盟が動労千葉とともに築き上げた労農連帯は、多くの日本の農民をプロレタリア革命における同盟軍として獲得する労農同盟の萌芽(ほうが)である。労農同盟を体現し、プロレタリア革命に突き進む中に、空港廃港に至る三里塚闘争の勝利はある。プロレタリア革命を実現するためには、三里塚闘争の勝利を欠くことはできない。だからわれわれは敵の攻撃がどれほど激しくとも、反対同盟とともに「三里塚闘争に勝利する」と言い切れる。
条件闘争化を策す塩川一派
塩川一派は、三里塚闘争から階級性を抜き去ることで、条件闘争化しようとしている。「敵の攻撃の核心が、市東さんの農地強奪にある」(未来39号)と言いながら、なぜこれほどの攻撃がかけられているのか、まったく言及していない。それどころか、国家権力の農地強奪に対して真っ向から闘うための「空港絶対反対・農地死守」の反対同盟の闘争原則を「農地強奪を許さないという大義の上に成り立つ」と言いなして否定し、無きものにしようとしているのだ。冗談ではない。反対同盟の闘争原則が軸にあってこそ、国家権力との死闘に勝ち抜き、市東さんの農地を守る闘いは勝利することができるのだ。情勢の激しさにひるみ、革命の思想を喪失したことに、塩川一派の小ブルジョア反革命への転落・変質の根源がある。この塩川一派を打倒し、国鉄・三里塚決戦の勝利をかちとることが、すべてを切り開く力となる。
10・11三里塚全国集会の大結集に向けて、地元千葉県の労働者人民が9・26千葉県三里塚集会を呼びかけている。9・26集会の成功を全力でかちとろう。
10月供用開始と市東さんの農地の取り上げ、天神峰現闘本部破壊は日帝の死活をかけた階級闘争解体攻撃だ。10・11は階級決戦そのものだ。だから10・11の爆発と一体で11・1の1万人決起実現は可能となるのだ。
8・30で解き放たれた労働者人民の怒りを職場で街頭で組織し、10・11に結集しよう。そして「国鉄・三里塚・国際連帯」を軸に11月1万人決起に突き進もう。国鉄労働者を先頭に4大産別とすべての労働者、学生、農民、人民は三里塚現地に総結集して、反対同盟とともに闘おう。