2009年8月24日

8・15集会 民主労総ソウル本部の発言

週刊『前進』06頁(2404号3面2)(2009/08/24)

8・15集会 民主労総ソウル本部の発言
 労働者の団結と闘争だけが資本の暴力と野蛮終わらせる

 帝国主義の暴力と資本の野蛮に立ち向かい、憲法改悪阻止と労働者階級の団結のためにこの場に集まられた同志の皆さんに、民主労総ソウル本部副本部長・チョヒョノが熱い連帯のごあいさつを申し上げます。トゥジェン!
 64年前の今日8月15日は、朝鮮が日本帝国主義の植民地支配から脱却した歴史的な日でもあります。けれども、韓国の労働者民衆が帝国主義から解放されたわけではありませんでした。いわゆる親日勢力は親米勢力へと変貌(へんぼう)し、アメリカ帝国主義と結託したイスンマン政権の登場により、帝国主義の暴力と搾取は続きました。
 日本でも8・15以降、1947年に戦後憲法がつくられ施行されましたが、これは戦後の激変期に労働者階級の闘いでかちとった側面と、天皇制打倒と労働者階級の革命を阻止するためにアメリカ軍政と日本の政権が妥協してつくったという二つの側面があると認識しています。
 私たちは、8・15を前後して韓国と日本で展開された歴史を振り返るとき、労働者民衆自らの力による解放でなければ真の解放ではありえないという事実を重視すべきと考えます。特に、今日のように資本主義が克服不能の危機に陥り、すべての危機の責任を労働者民衆に暴力的かつ一方的に転嫁している中では、一層そのように言えます。保守政治と進歩政党を含む体制内政治が、労働者民衆の政治的代案となり得ない今日、下からの闘いと団結による政治的代案と権力の創出こそ、労働者階級の政治となるべきです。

 77日間の比類なき工場占拠スト

 同志の皆さん、今年の日本の8・15に向かう道は、これまでになく心に重くのしかかるものがありました。日本において裁判員制度を含む司法改革—憲法改悪が推進されているのと同様、韓国でも言論統制のためのメディア法改悪など民主主義を後退させる措置が、権力と資本によって暴力的に進められています。両国ともに、社会全般の保守反動化攻撃が執拗(しつよう)に繰り広げられています。
 さらに、民主主義の最も基本的な土台であるべき生存権を、権力と資本が無残に蹂躙(じゅうりん)する姿を、われわれはサンヨン自動車の事態をとおして目の当たりにしました。
 動労千葉の同志たちから貴重な闘争支持の声明までいただきながら、民主労総と金属労組はサンヨン自動車の労働者を守ることができませんでした。77日間の比類なき工場占拠ストは、サンヨン自動車労働者の命をかけた献身的な努力によって可能となったのです。「解雇は殺人だ」という切実な叫びは、催涙液と電子衝撃銃で武装した警察特攻隊と、資本の攻撃によって分断された救社隊労働者の集団暴力で踏みにじられました。
 サンヨン自動車の大量解雇事態は、経済危機のもとで強行される雇用の柔軟化攻撃と大量解雇の実験台でした。今後、現代自動車や起亜自動車など大規模製造業において強行される構造調整の突破口であることを、われわれは痛いほどわかっていました。サンヨン自動車が崩れれば、今年後半から大々的な構造調整と整理解雇、労組抹殺が強行されるのは火を見るよりも明らかでした。
 しかし、金属労組と民主労総は「ゼネスト」の約束を履行しませんでした。現代自動車、起亜自動車、GM大宇など金属労組自動車支部の連帯には失望しました。サンヨン自動車闘争の結末は、政権と資本の激烈な弾圧のせいだけではないのです。すでにウィニアマンドとクムホタイヤで大量解雇を含む構造調整が推進されています。

 サンヨン労働者決起に応える道

 同志たちの前で恥を承知でサンヨン自動車闘争の裏側を詳しくお話しした理由は、「労働者階級の団結」を実現するための努力と闘いがどれほど重要かを、サンヨン自動車闘争をとおしてあらためて身にしみて感じたからです。経済危機のもとで現場の労働者大衆はとても萎縮(いしゅく)しています。闘いよりも妥協のほうが、とりあえず自分の雇用を守ることになると考えています。
 これは、この10年間、韓国の産別労組や民主労総など民主労組運動がとってきた実利主義路線によるところが大きいのです。メディア法が改悪され、サンヨン自動車に警察が投入されましたが、庶民に対する支援策を乱発したイミョンバクの支持率は40%台へと上がりました。怒りよりもあきらめ、闘いよりも妥協を選んだ結果です。
 あらためて現場を整え、今年後半、広範な解雇反対闘争を組織しなければなりません、団結と闘いだけが希望だという真実を、労働者階級が実践をとおして語らなければなりません。萎縮した現場労働者の心を動かし、現場から労組弾圧政策と構造調整策動に断固対決する準備をしなければなりません。労組の幹部と活動家が敗北意識をのりこえ、献身的に現場を再組織しなければなりません。一つひとつの闘いを大切にし、死活をかけて闘わなければなりません。産別労組とナショナルセンターを階級的団結の軸として新たに打ち立てねばなりません。これは韓国だけでなく、経済危機のもとでの全世界の労働者運動の共同の課題です。私は、それこそが誇り高きサンヨン自動車の労働者の気持ちに応える道だと思います。

 11月に熱い心で再会しましょう

 各国で景気沈滞がしばし好転したような指標が発表されていますが、これは、今日の資本主義が慢性化した長期不況にあることを隠すためのものです。こんな小手先のやり方は、間もなく行き詰まるでしょう。
 最終的な危機の瞬間に労働者階級と変革運動が民衆の代案としてそびえ立つよう、ともに頑張りましょう。資本主義の暴力と野蛮、戦争と搾取を終わらせるのは、ひとえに全世界の労働者階級の手にかかっています。この場におられる同志たちと私たちの手にかかっています。憲法改悪など保守反動化攻撃を粉砕し、構造調整と解雇をやめさせましょう。戦争と暴力に反対し平和と人権の旗を高く掲げましょう。下から労働者大衆の闘いを強化しましょう。資本の危機をのりこえ、労働者民衆の代案へと進みましょう。その道を、民主労総ソウル本部は常に皆さんとともに進みます。
 それぞれの現場がわれわれみんなの現場だと考え、力いっぱい闘い、日本の11月労働者総決起集会と韓国のチョンテイル烈士精神継承全国労働者大会の場において、熱い心で再会しましょう。