2009年8月17日

国労本部打倒、JR体制と激突へ “1047名解雇撤回”を貫き 大失業と対決を

週刊『前進』08頁(2403号7面1)(2009/08/17)

国労本部打倒、JR体制と激突へ
 “1047名解雇撤回”を貫き 大失業と対決する国鉄闘争を

 世界大恐慌がさらに深まり、自民党支配が崩壊する中で、国鉄1047名闘争は最大の決戦を迎えている。自民党ら政権政党に依存して「1047名問題の解決」を図るとしてきた4者4団体路線は今や完全に破産した。現場組合員の団結と闘いだけが一切を切り開く。8月21−22日の国労第77回定期全国大会(静岡県伊東市)をめぐる攻防を貫き、4者4団体路線と完全に決別して、1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の闘う路線を打ち立てよう。

 道州制に突き進む民主党支えるのか

 7月30日に起きた京葉線の停電・不通事故は、JR体制下で、車両や給電設備の保守点検体制が根本から崩れ去っていることを突き出した。JR東日本が強行してきた「設備メンテナンス再構築」「車両メンテナンス近代化」の大合理化こそが、この事故を引き起こしたのだ。JR東日本は今、「グループ経営ビジョン2020−挑む−」による一層の大合理化に突き進もうとしている。
 JRの安全の破壊は止めどがない。そのJRと包括和解を結び、合理化への抵抗を放棄し、現場組合員に関連会社への出向を強いてきた国労本部・東エリア本部の裏切りは明白だ。労働者の命を守るためには、裏切り執行部を打倒し、現場組合員の手に闘う労働組合を取り戻す以外にない。
 国鉄決戦は、世界大恐慌下の激烈な闘いに突入した。資本家どもがいくら「景気後退は終わりつつある」などと叫ぼうが、そんなものは虚言にすぎない。膨大な国家財政支出によってかろうじて延命しているのが資本主義の実態だ。米金融大手のシティグループや、GM、クライスラーは国有化された。「市場原理にゆだねればすべてうまくいく」としてきた新自由主義の民営化攻撃は、まさに崩れ去ったのだ。
 資本主義は、こうした危機を労働者階級への大失業攻撃と、侵略戦争へののめり込みによって突破しようとしている。
 だが、労働者階級の資本主義に対する怒りは根底から噴出し始めている。先の都議選における自民党の大敗と総選挙情勢は、自民党支配がついに崩壊したことを歴史に刻印した。小泉政権以来の「構造改革」のもとでの大失業、低賃金、非正規職化の攻撃に対する労働者階級のすさまじい怒りがたたきつけられ、自民党は支配能力を失った。資本と労働者はもはや、倒すか倒されるかの関係に入ったのだ。
 こうした事態の根底にあるものは、間違いなく国鉄1047名闘争だ。日本における新自由主義攻撃の突破口は、国鉄分割・民営化だった。その攻撃と二十数年にわたり対決しぬいてきた1047名闘争こそが、自民党支配を破産に追い込んだのだ。解雇撤回の原則を堅持すれば、1047名闘争に勝利できる歴史的局面がついに来た。
 ところが、国労本部や鉄建公団訴訟原告団一部幹部らは、総選挙を前に民主党政権への幻想を膨らませ、そのもとでの「政治解決」を夢想して、あろうことか民主党候補の選挙運動に闘争団員を駆り立てている。
 これは、1047名闘争の巨大な歴史的意義を抹殺するとんでもない裏切りだ。今や民主党は、自民党と競い合って道州制導入に突き進んでいる。道州制とは、自治体を丸ごと民営化し、360万公務員労働者をいったん全員解雇・選別再雇用して労働組合を解体する攻撃だ。同時にそれは、戦争遂行国家を築き上げるための改憲攻撃そのものだ。これを、大阪府知事・橋下と一体となって強行しようとしているのが民主党だ。
 国鉄分割・民営化とまったく同様の攻撃を自治体労働者に対して強行しようとしているやからの選挙運動に闘争団を動員することなど、断じて認められない。1047名の苦闘は、まさにこうした一大民営化と立ち向かうためのものだったはずだ。そこに1047名の誇りもあったのだ。
 4者4団体路線の根本的な誤りは、闘争団と現場組合員の団結と闘志に信をおかず、国家権力に依存して和解解決を追い求めたことにある。今日それは、完全に破産をさらけ出したのである。

 勝利の展望を示す5・27被告団の闘い

 大恐慌のただ中で資本家は激しい首切り攻撃を労働者に仕掛けている。これに真っ向から立ちはだかっているのが1047名闘争だ。
 二十数年にわたり千人を超える労働者が解雇撤回を求め闘っていること自体、世界史的にも例のないことだ。その1047名が、大失業攻撃に直面する労働者階級の先頭に立って闘えば、資本の支配は覆せる。そこに国鉄闘争の勝利はある。
 敵階級は、1047名闘争がそうした意義を持っているからこそ、その圧殺に躍起となった。国労本部をして1047名闘争を絞め殺させようとした2000年の4党合意も、そのために仕掛けられた攻撃だ。国家権力は1047名闘争を壊滅に追い込むために、4党合意反対の最先頭に立ってきた国労共闘に対し、02年5・27臨大闘争弾圧を加えてきた。
 国労本部は公安警察と結託してこの弾圧を強行した。労働運動史上最悪の団結破壊のこの暴挙は、政治解決路線が必然的に生み出したものだ。
 しかし、被告団は7年に及ぶ闘いで、この弾圧の狙いを根本から破った。被告団は、弾圧に対して徹底的に団結を固め、1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の勝利の路線を鮮明にしきった。旧弁護団解任という壮絶な決断をもとおして4者4団体路線と徹底的に対決してきた被告団は、動労千葉とともに国鉄闘争勝利の展望を指し示している。
 被告団が全力を込めて訴えているように、国鉄闘争の勝利は、和解路線と決別し、解雇撤回の原則を貫き、動労千葉と連帯してJR体制との非和解的な激突を貫くことにある。

 動労千葉とともに11月労働者集会へ

 JR東日本の資本=カクマル結託体制は今や崩壊の時を迎えている。青年労働者を始め、労働者を過酷に抑圧してきた元凶は、資本=カクマル結託体制だ。その崩壊は、JR内部から労働者が反乱に立つ時が来たことを意味している。
 動労千葉は、「ライフサイクル深度化」攻撃と対決しぬく中で、青年労働者の結集をかちとっている。反合理化・運転保安闘争を果敢に貫き、「新保全体系」の導入を阻んでいる。動労水戸は、組合員への強制配転攻撃を第1波拠点ストで粉砕した。JR体制を打ち破るこうした闘いが、1047名闘争の勝利を切り開くのだ。
 動労千葉は、国鉄分割・民営化に対しストライキで立ち向かい、団結の強化を総括軸にJR資本と非和解的に対決しぬいてきた。その闘いは、世界の闘う労働者の結集軸になっている。7月、米サンフランシスコで開かれた国際労働者会議で、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総を始め、世界の闘う労働者は、動労千葉が提案した「1047名解雇撤回」の決議を確認し、新自由主義攻撃を打ち破ろうと誓い合った。
 その動労千葉は、「1047名解雇撤回」を中心軸に掲げて11月労働者集会を呼びかけている。それは、国鉄闘争勝利の路線を示すことのできる唯一の闘いだ。国労大会で4者4団体路線と断固として決別し、すべての闘争団員、国労組合員は今こそ11月労働者集会への総結集を決断しよう。
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 国労5・27臨大闘争弾圧弁護団・被告団 『弁論要旨 被告人最終意見』発行

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団と同被告団は、同裁判における弁護人最終弁論と被告の最終意見陳述を収録した『国労5・27臨大闘争弾圧裁判 弁論要旨/被告人最終意見』を発行した。
 その内容は、国家権力と国労本部が結託して仕組んだ弾圧の真相を暴ききるとともに、国鉄闘争勝利の路線と展望を全面的に示すものとなっている。被告たちは国鉄分割・民営化に対して人生をかけて闘いぬき、国労本部の裏切りに全力で立ち向かってきた。その軌跡は、階級的労働運動の実践における生きた教訓に満ちている。
 弁護団の最終弁論は、暴力行為等処罰法の反動性と違憲性を暴くものとしても出色であり、大きな歴史的意味を持つ内容だ。
 国鉄闘争勝利へ、本書を学び、広げよう。
★注文先 国労5・27臨大闘争弾圧裁判弁護団・被告団
E-mail kokurou527hikokudan@yahoo.co.jp
★頒価 1000円