市東さん耕作権裁判 位置特定はデタラメ 青柳鑑定書
市東さん耕作権裁判 位置特定はデタラメ
青柳鑑定書つきつけ追及
7月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判が千葉地裁で開かれた。反対同盟を先頭に85人の労働者、農民、学生、市民が「農地死守」の固い決意で支援に駆けつけ、傍聴席を埋めた。
この裁判は、成田空港会社(NAA)が市東さんの耕作地の一部について「不法耕作だ。明け渡せ」と訴えた民事裁判。ところが「契約地」「不法耕作」の位置特定がそもそもデタラメなのだから、話にならない。市東家が祖父の代から90年続けてきた耕作を「不法」だなどとは何ごとだ。絶対に許せない!
今回市東さんと顧問弁護団は、青柳土地家屋調査士の手による鑑定書を提出した。これは、御料牧場の払い下げまでさかのぼって天神峰部落の土地の分筆を克明にたどることで、NAA側が出した測量図が実測に基づいたものではなく、旧地主の藤崎の言い分をいい加減に書き出したに過ぎないことを暴くものだ。
さらにNAAに対し、「用地取得の事務取り扱い規則」の全面開示を求めた。これには、用地取得に際しては小作耕作権がある農地についてはその問題を解決するように書かれているのだが、NAA=空港公団はこの「社内規則」にすら自ら違反して市東さんの土地を旧地主から買収したため、明らかにできないのだ。
また、市東家が一度も耕作したことのない土地「南台41−9」について、あくまで“市東さんの契約地だ”と強弁するNAAに対し、「藤崎メモ」が何の根拠にもならないことを突きつけ、追及した。NAAの代理人は、苦し紛れに「書面で答える」と逃げの一手だ。
NAAには「明け渡し」を訴える資格は1ミリもない。即刻取り下げろ!
裁判終了後に千葉市ビジネス支援センターで記者会見と報告集会が行われた。最初に市東さんが「今日の千葉日報1面に“への字誘導路緩和へ”などという記事が大きく出ています。一坪共有地を奪い取ったら何でもできるかのように言っている」と新聞コピーを示して、強く弾劾した。そして「これまでどおり闘い続けます」と決意を表し拍手と声援を浴びた。
続いて葉山岳夫弁護士を始め顧問弁護団が法廷での攻防を詳しく解説し、記者、参加者との質疑応答が行われた。
北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「第3の誘導路新設で市東さんの住居を空港内に囲い込み、騒音と排気ガスで人の住めない環境に置き、追い出そうとしている。これが人間のすることか! 人民の未来のために三里塚は闘う。そして必ず勝利する」と語気を強めて一同の奮起を促した。
動労千葉の滝口誠さん、市東さんの会の井村弘子さん、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さん、関西実行委、福日労が連帯のあいさつを行った。
最後に萩原進事務局次長がまとめのあいさつに立った。「7月13日、大韓航空機が4千㍍滑走路で着陸時に尻もち事故を起こした。それを“パイロットの未熟だ”と責任転嫁している。JRで事故の責任を現場に押しつけるやり方と同じだ。新聞がいくら騒いでもへの字誘導路問題は解消しない。農地法改悪で、ますます農民が農地を手放さざるをえない現状だ。市東さんを先頭に、〈農地死守>の闘いを労働者とともに大胆に展開していこう。暫定滑走路閉鎖、空港廃港へ追い込もう」と訴えた。
次回の耕作権裁判は11月9日。全力で結集を!