2009年7月27日

〈焦点〉 自民党支配の歴史的崩壊

週刊『前進』06頁(2401号5面3)(2009/07/27)

〈焦点〉 自民党支配の歴史的崩壊
 階級的激突の時代の始まり

●議会を通じた支配の崩壊
 7月12日投開票の都議会議員選挙は、自民党の歴史的な惨敗、民主党の大勝に終わった。これは単に都政レベルの問題ではなく、自民党支配そのものの終わりを告げる決定的な事態である。その後の自民党の醜悪な分裂・崩壊のプロセスは、自民党政治支配という戦後の議会制的支配が瓦解(がかい)し、むき出しの革命と反革命の階級的激突、死闘を本質とする未曽有の大動乱の始まりである。
 問題は民主党の大勝や政権交代というレベルの話ではない。自民党の崩壊という現実は、戦後ブルジョア議会制度の崩壊であり、議会を使った戦後階級支配の崩壊である。しかも、敵権力の分裂と政治支配の崩壊が国家官僚機構と暴力装置の危機と動揺にも転化している。
 今日の世界大恐慌の深まりは、日帝を追いつめ、大失業・大量解雇、低賃金・労働強化として矛盾を爆発させている。その中で青年労働者を中心に「生きさせろ!」の闘いが巻き起こり、階級間の非和解的対立が激化しつつある。
 昨年11月労働者集会以来の「生きさせろ!」ゼネストの闘い、そして6・14—15大闘争の爆発が、労働者階級とりわけ青年労働者の怒りと結びつき、ついに自民党支配を打倒するところまで到達したのだ。
 医療・福祉切り捨て、新銀行東京救済、東京五輪誘致キャンペーン、築地市場移転問題など、ファシスト石原都政に対する怒りも大きい。また、03年「10・23都教委通達」(「日の丸・君が代」強制の極限的エスカレート)に対する不屈の闘い、「つくる会」教科書採択に対する怒りなどが小泉以来の新自由主義攻撃に対する怒りと合わさって噴出した。その上で、事は単なる東京問題ではない。
●日帝・麻生に対する怒りの爆発
 都議選結果は、民主党に力があったからではない。英フィナンシャル・タイムズ紙が報じたように、「日本の有権者には光り輝く選択肢はない」。民主党がブームになって風が吹いたのではないということだ。民主党が自民党とそれほど変わらないことはみんな知っているのだ。とにかく自民党を倒せば何でもよかったのである。
 また、日本共産党は、革命的情勢の到来をとらえることができず、旧態依然の選挙を展開して、13議席から8議席に激減、惨敗した。議会主義政党として致命的敗北だ。しかし、彼らはあくまでもスターリン主義反革命として、労働者階級の総反乱を抑圧し、資本主義の救済に走る以外にない。労働者の味方面をした反革命として日共は打倒の対象だ。
 レーニンは、革命的情勢の三つの徴候の第一で、「支配諸階級にとって、不変のかたちでは、その支配を維持することが不可能になること。『上層』のあれこれの危機、支配階級の政治の危機が、亀裂をつくり出し、それにそって、被抑圧階級の不満と憤激が爆発すること」を挙げている(『第二インタナショナルの崩壊』)。
 まさに大恐慌下で、大衆の不満と怒りが自民党に向かって噴出し、自民党がボロボロになって瓦解しているのである。これまでどおりのやり方ではやっていけなくなっているのは明白なのに、それに代わるものを出しえない。
●対置すべきは革命だ
 都議選結果を受けて、直ちに翌日解散に踏み切ろうとした麻生の思惑は破れ、7月21日解散、8月30日総選挙という日程が決まった。自民党の迷走と悪あがきは続き、総選挙で敗北することがあらかじめ確実な中で、自分自身の当選もおぼつかず、沈みゆく泥舟の上で七転八倒して断末魔のあがきを繰り広げている。
 しかも、もはやどの政党が政権の座に着くかが問題ではない。議会をつうじた労働者支配そのものが終わった。階級対立の非和解化、むき出しの階級的激突、内乱の時代の始まりだ。この情勢に対してわれわれが対置すべきはプロレタリア革命だ。11月1万人結集こそ、その突破口を開くものだ。
 また、こうした自民党支配の崩壊の中で、田母神的な極右的ファシスト的勢力も絶望的凶暴性を発揮して、台頭してくる。核武装と改憲を扇動し、対北朝鮮の排外主義を叫んで、侵略戦争態勢を右から促進する。さらには、軍部のクーデターさえも謀っている。
 29年大恐慌を超える世界大恐慌のもとで、ついに「国家と革命」の問題が歴史の舞台に登場したのだ。まさにプロレタリア世界革命の時代である。資本と賃労働の非和解的対立、ブルジョア国家権力と労働者階級の非和解性が、資本主義とその国家権力の打倒をめぐって激突する、真の革命情勢の到来である。
 この情勢においては、労働組合をめぐる攻防、労働者の階級的団結と決起の力が一切を決する。同時に、労働組合と一体となって、労働者階級の怒りと闘争意志の先頭に立つ労働者党の屹立(きつりつ)こそが、ついに到来した革命情勢を決定的に前進させる。
 われわれの方針は鮮明である。11月労働者集会になんとしても1万人の大結集をかちとることだ。大恐慌プラス自民党支配の総崩壊というまたとない好機、プロレタリア革命によってしか解決のない情勢の中で、今こそ全力を挙げて、職場から資本との非妥協的な闘いを巻き起こし、国鉄決戦を軸に4大産別決戦で「11月労働者集会1万人結集」に奮闘しよう。
 8月広島・長崎反戦反核闘争、8・15改憲阻止・靖国・法大闘争へ闘おう。