2009年7月27日

東京「日の丸・君が代」闘争 不当研修に抗議

週刊『前進』06頁(2401号3面3)(2009/07/27)

東京「日の丸・君が代」闘争 不当研修に抗議
 処分者が意気高く闘う

 東京都教育委員会は7月21日、今春の卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立で闘った教育労働者6人に対する「服務事故再発防止研修」を強行した。研修の対象とされたのは、不起立処分を受けた14人の労働者のうち、停職3カ月処分を受けた都立特別支援学校の労働者1人、減給(10分の1)6カ月処分を受けた都立高、特別支援学校、中学校の3人、そして今年初めて不起立で戒告処分を受けた都立高の労働者2人である。
 03年「10・23都教委通達」から6年めの今春、東京の教育労働者は、労働者としての誇りにかけて「君が代」不起立を闘いぬいた。6年たってもなお「再発防止研修」を繰り返している現実、しかもそれでも不起立する教育労働者が陸続と登場している現実こそ、労働者の勝利と、石原・都教委の敗北のあかしだ。
 今春の闘いは、昨年7月に都教委が「分限対応指針」を発して分限退職の脅しをかけた中で、すでに2回の停職6カ月処分を受けていた根津公子さんへの解雇攻撃も打ち破った。この6年の闘いをとおして、教育労働者が都教委の一切の脅しを突き破って勝ちぬいたことを示した勝利だ。
 研修当日は、「君が代」不起立被処分者と支援者が、研修会場の都教職員研修センターの前に駆けつけた。停職6カ月処分のただ中の根津公子さん、河原井純子さんもともに闘った。
 研修は9時に始まり、全被処分者が1時間あまりの研修の後、報告書を書かされた。さらに2回め以上の被処分者は、一人ひとりに分断され都教委の幹部職員4人に取り囲まれて「個別研修」が行われた。「分限対応指針」などを示し、分限処分の脅しで屈服させようというものだ。
 しかし研修を終えた教育労働者の表情は、みな明るい。そして口々に、都教委の不当な研修への怒りと闘いの意欲を語った。「先日、自民党幹事長が総選挙で『日の丸・君が代』問題を争点にしたいと言った。望むところだ。全候補者に『日の丸・君が代』強制の是非を問おう」「研修で都教委は『効率いい教育ができない教員は分限免職の対象』と言った。はらわたが煮えくりかえる」「分限指針を何度も持ち出して圧力をかけてきたのは許せない」「この先も私は変わらない。みんなの力でこの現実を覆そう」。もはや都教委の処分や研修の脅しはすべて無力になっているのだ。
 教育労働者の大量首切りと非正規化を狙う道州制・教育の民営化攻撃は、すでに現場でどんどん進められている。東京では、主任教諭制度や免許更新制度、そして都教委による管理強化への怒りとともに、この現実とまったく闘わない組合幹部への怒りがあふれている。
 この現実に最も怒りを募らせている青年労働者とつながって、職場闘争を復権し、不起立で職場に団結をつくり出して闘おう。教育労働者は「戦争・改憲と民営化・労組破壊」と対決する4大産別決戦の先頭に立とう。