2009年7月20日

法大弾圧裁判 有罪判決に怒り 山本君1年2カ月13人に懲役8カ月

週刊『前進』06頁(2400号5面1)(2009/07/20)

法大弾圧裁判
 5・29判決 有罪判決に怒り
 山本進君は1年2カ月 13人に懲役8カ月

 7月14日と16日、法大5・29建造物侵入裁判の第1グループ(7人)と第2グループ(7人)の判決があった。いずれも検察の求刑どおり、建造物侵入に対して懲役8月、公務執行妨害が付いている山本進君に対しては同1年2月の不当判決だ(いずれも執行猶予3年)。徹底弾劾する。
 第1グループの稗田雅洋裁判長(東京地裁刑事第15部)が早口で読み上げた判決文には「管理者増田総長」の意志に反して「大学構内で、平穏な教育・研究環境を害する行為を行った」から有罪であると書かれているにすぎない。
 5・29集会を主催した文化連盟の学生の決起にも一言も触れていない。しかも「学問の自由のために平穏な環境は必要であり、ビラまきや立て看板を制限できる」というのだ。徹底した弾圧と人権侵害のうえに成り立つ「学問の自由」や「平穏」など偽物だ。結局、大学を私物化し、学生を金もうけの道具とするためなら何をしてもいいという新自由主義大学の側に立っているのだ。
 特に山本君への公務執行妨害デッチあげはその典型である。証拠とされたビデオ映像には彼が公安刑事の小松を投げた映像は映ってない。にもかかわらず、稗田は「映っていなくても不自然ではない」と言い放った。公安刑事に手を出したら証拠も関係なく有罪だというのだ。ふざけるな! 
被告席から次々と怒りの声が上がった。
 第2グループの後藤眞理子裁判長(東京地裁刑事第16部)は、さらに露骨な反動判決を読み上げた。「5・29デモは、研究環境への悪影響を与えた」「『恩田君への処分反対』『洞爺湖サミット粉砕』などは、学生が大学で訴える限度を超えた主張」「ジャージ部隊の実力行使も一定程度の必要性がある」「公安刑事の取り調べ内容も違法とは言えない」
 金子悠太君が立ち上がり、「こんな判決認めない。お前らのやっていることこそ歴史的犯罪だ」と怒りの大演説。逃げるように判決を読み上げた後藤に被告席の学生全員が詰め寄り、傍聴席と一体となって弾劾した。
 5・29決起は時代を切り開く闘いだった。34人の逮捕と14人の起訴をものともせず、被告団と弁護団が固く団結して勝利した。その力は、サミット闘争や文化連盟の学生に引き継がれ、今年の4・24闘争と6・15闘争の労学共闘という巨大な地平を一挙にたぐり寄せた。今回の反動判決は、国家権力の敗北宣言にほかならない。
 総括集会では「なんの正当性も言えないボロボロの判決。キャンパスで決起をつくりだそう」と決意を新たに団結した。

 5・28裁判 “とことん闘う”

 新井・中島君が最終意見
 7月15日、新井拓君と中島宏明君の法大5・28暴行デッチあげ裁判が行われた。この裁判は、新井君の4・27暴行デッチあげ裁判も併合されている。07年4・27弾圧以来、2年余にわたって闘いぬかれた裁判の最終弁論となった。
 冒頭、弁護団が大部の最終弁論を2時間半にわたって読み上げた。
 06年3・14弾圧以来の法大闘争を総括し、「言論・表現規制と弾圧に手を染め、学生自治を破壊して、『民主法政』とまで言われた大学の環境を破壊したのは、法大当局の方だ」と批判した。
 そして「これに反対の声をあげ、すべての法大生の怒りを引き出し闘ってきたからこそ、新井君と中島君は暴行事件をデッチあげられた」と弾圧の本質を明らかにした。
 「新井君が安東元学生部長の首をしめた」などのデッチあげの各点について詳細に反証した。無実の学生に対するデッチあげであることが誰の目にも明らかとなった。
 最後に、新井君と中島君が最終意見陳述に立った。暴処法弾圧で東京拘置所から出廷した新井君は、検察官の論告を痛烈に批判した。「論告は、私たちが『大学の自治を危険にさらした』などと言う。しかし、学生が戦争や戦争協力を生み出していった資本の支配と団結をもって対決することをとおしてのみ、学問や言論の自由が問題となりえた」「本当の敵に怒り、ともに闘う仲間を得た私が、裁判所に反省するわけがない。とことん闘い抜く」
 中島君は、5・29裁判の有罪判決と法大当局による新たな不当処分攻撃に触れながら、裁判所の姿勢を徹底的に批判した。「人間としての当たり前の声を弾圧しておいて、いかなる平穏があるのか。新井君も私も無実だ。そして獄中の8人を必ず奪還する」
 次回9月14日は判決公判だ。反動判決を許さず、団結して闘おう。