2009年7月20日

”スト絶滅し会社守る” JP労組中央本部は総退陣だ

週刊『前進』06頁(2400号2面3)(2009/07/20)

”スト絶滅し会社守る”と叫ぶ
 JP労組中央本部は総退陣だ

 JP労組中央は、春闘から6月定期大会をとおして「スト絶滅」宣言を出し、「企業の成長」「生産性向上」を組合の第一義方針とし、組合方針として「他社との競争に勝ち抜く」立場を公然と打ち出した。「労働組合」の名のもとに、労働組合の運動と組織全体を資本の労務担当部に変質させる方針だ。
 また大会で中央本部は、連合会長・高木とともに「組合員の総力で、一切の活動を政治決戦へ」と呼号し、「民主党政権の誕生」に当面の組織活動のすべてを投入する方針を打ち出した。
 彼らがめざしているのは、「新政権」と結託した新たな帝国主義的労働運動の担い手になることだ。このかんのJPEX計画に関連して、輸送部門で働く非正規職の青年労働者が大量解雇された問題で、組合中央が会社と結託していた事実に彼らの反動的意図はむき出しになっている。
 民主党本体も、総選挙を目前に、早くも”大資本を守る政党”としての立場を表明、日本経団連との具体的な政策協議も始めている。経団連の政策要求は、①社会保障制度改革(社会保障予算削減および医療民営化など)、②消費税率を現行の5%から「18%程度」まで上げる、③道州制基本法の制定、④労働力の流動化(派遣労働などをさらに促進)、⑤9条改憲への合意形成などだ。
 会長・御手洗の6日の記者会見では、「究極の構造改革」と位置づける「道州制の基本法制定」を民主党の政権公約にせよと強調した。大恐慌下で、金融資本と独占体の支配を守ることを政策の柱に据え、労働者階級への徹底的な犠牲転嫁、労働組合の解体を確約せよとの要求だ。そして一方で、帝国主義国家としての軍事外交政策と改憲だ。〈内への階級戦争と外への侵略戦争〉の2本柱の確約を迫ったのである。経団連はそのために、民主党への政治献金の大増額も決めた。
 民主党は、これらの日帝ブルジョアジーの露骨な要求をどれ一つ否定せず、基本的に「時期の問題」として扱っている。
 しかし決定的な問題は、自民党支配の崩壊が、日帝の戦後的階級支配の全面的な崩壊であることだ。本質は労働者人民の反乱なのだ。新政権は「連立」による紆余(うよ)曲折という次元を超えて根底から揺さぶられる。そして大恐慌と保護主義化、その世界戦争への転化という世界的激動の中で、階級情勢そのものが文字どおりの革命的情勢のただ中に突入していくのである。
 民主党の本質は”資本を守る政党”である。しかし戦後的な階級支配が崩壊して権力を引き継ぐ「新政権」は、軍事外交政策や経済政策に止まらず、治安政策やイデオロギー政策、何よりも階級支配の根幹にかかわる労働者支配政策において、自民党を超えるものなど何一つないのだ。新政権は〈民営化と労組破壊、改憲と侵略戦争〉の道を転げ落ちる以外にいかなる選択の余地もないが、それ自体が階級支配の全面的な瓦解をもたらさずにはおかない。つまり、わが4大産別決戦—階級的労働運動の全面的な爆発を実現しうる決定的情勢の到来なのである。
 JP労組中央は「権力政党」たる民主党の権力基盤となることで、労働貴族の地位にしがみつこうとしている。しかし圧倒的な現場組合員の怒りがそれを許さないだろう。腐った中央本部を打倒し、労働組合を現場の手に取り戻す闘いは、もはや死活問題なのだ。
 日逓中野の青年労働者の大量解雇を見よ! 年収が本務者の3分の1以下という残酷な労働条件を強いられ、”首切り自由化”要員とされた非正規職が職場の半数を超える事態を容認してきたのはJP労組中央ではないか! 中央本部と本部派執行部を倒せ! 労働組合を現場労働者の手に取り戻し、真に闘う労働者階級の党を建設しよう!

 JPEX問題で職場の声 ”つぶれる会社に出向か!”

 JPEX出向計画に不信を表明している東京A局の多くの現場組合員の声を紹介します。
     ◇
 「出向条件で、会社のただ一つの”売り”は、現在の賃金を2年間保証することだけ。JPEXは、原給保証がなければ食っていけない会社だ。2年後はどうなる? 2年で出向から戻れるなんてウソでしょう。民間では出向は首切りの片道キップと言われている」
 「JPEXでは、本務者と非正規職の比率が2対8になる。8割が年間賃金250万円以下だ。JPEXは『社会悪』の会社になってしまう」
 「病気休暇もない。労働条件は最悪。会社は『他社と競争だから宅配便なみの労働条件でガマンしろ』と言う。配達先で会う宅配便労働者はセブンイレブン(朝7時〜夜11時)労働で、3度のメシも車の中。彼らの平均勤続年数は7年。会社は退職金を払ったことがないと言われている。ほとんどが10代から20代の若手で、しょっちゅう入れ替わる」
 「10代、20代の若さでも働き続けられない職場だ。JPEXのねらいは『2年間』の出向中に、とんでもない労働条件ですりつぶして退職させることではないか」
 「配達も集荷も、通常郵便・書留と小包を一緒だから採算がとれた。小包がない郵便現場で何が起こるか明らかだ」
 「JPEXは開業前から大口の荷主が逃げている。業界ではJPEXは失敗だと言われている。つぶれる会社に俺たちを行かせるつもりか?」
 「こんなJPEX計画に組合執行部は賛成したのか? やつらは俺たちの払った組合費で食っているんだぞ。勝手に決められてたまるか」