2009年7月 6日

獄中34年 星野再審連絡会議 歴史的な全国総会

週刊『前進』08頁(2398号8面1)(2009/07/06)

獄中34年 先頭で闘う星野さんと心をひとつに
 “権力との闘い曖昧にするな”
 星野再審連絡会議 歴史的な全国総会

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の2009年全国総会が6月26、27の両日、東京で開かれた。会場を超満員にする熱気と迫力で、獄中34年の星野文昭さんと固く団結してかちとられた。2日目には星野奪還闘争の路線をめぐって激論となった。世界大恐慌情勢下で大失業と戦争攻撃が激化し、これと真っ向から闘う青年労働者や学生の怒りの決起が始まっている。この闘いと結合し労働者階級を圧倒的に組織することこそ、星野さんを奪還する道だ。新たな階級的激動の時代と闘いを見据えられない反動的な「転向・屈服路線」と徹底的に対決し、それを粉砕・打倒する大勝利をかちとった。最高裁決定が示した国家意思をうち破り、星野第2次再審闘争を労働者階級を軸にした闘いで爆発的に拡大させる展望をつかんだ。星野さんのメッセージにある「世の中を本当に変える闘いと、星野を本当に取り戻す闘いを一つのものとして闘い、未来を開く団結と解放の力を飛躍させるために討論を深め、一つに進むための歴史的総会」を闘いとった。

 全国揺るがす大運動を

 1日目は、共同代表・柴田作治郎さんの開会あいさつの後、71年11・10沖縄ゼネストと、同年11・14渋谷闘争のDVDが上映された。
 星野さんのメッセージが全文読み上げられ、「事実上の総会の基調報告」であることが確認された。つれあいの星野暁子さんはビデオメッセージで参加した。
 総会は、各地の「救う会」「取り戻す会」の自己紹介の後、千葉、茨城、大阪、福島の今年結成された会四つと、8月結成予定の新潟があいさつし、決意を述べた。
 「暴処法」弾圧と闘う法大生・久木野和也君と全学連委員長代行の坂野陽平君が連帯あいさつ。三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長のメッセージが紹介された。
 「総括と運動方針案」が事務局から提起された。昨年7月に最高裁が特別抗告を棄却した際、確定判決の柱とも言うべきK供述に誤りがあったことを認めているにもかかわらず、再審開始の訴えを退けた。これは、「裁判」の論理を超えた、星野さんを絶対に出さない国家意思であると断じ、弾劾した。
 「最高裁決定という形で示された国家意思を打ち破るには、『星野闘争』という枠の中だけで考え、闘うのでは展望は開けない。星野さんを取り戻すには、日本全体を揺るがす広範な闘いと結合し、私たち自身がその一翼を担うことが必要。これまでの星野闘争を考えると大きな飛躍だが、この飛躍に挑戦する以外に、実際に星野さんを取り戻す道はないと確信する」と熱烈に訴えた。
 その上で、闘いの方針として、全力で労働組合を組織すること、そのために学習会や現地調査を積み重ねることが提起された。そして、具体的には再審要求の新10万人署名運動を開始することが呼びかけられた。
 6月17日に面会した群馬の青柳晃玄さんが「6・14—15連続闘争の息吹を伝えた。星野君は法大闘争を聞いてさらに確信を深めている」と報告した。広島から8・6ヒロシマ大行動が呼びかけられた。
 2日目は、会場を移して午前10時に始まった。
 最初に、鈴木達夫弁護団長、岩井信弁護士、和久田修弁護士から第2次再審に向けた報告があった。鈴木弁護士は「獄中34年の政治犯ということが、労働者の心を絶対に揺さぶることを確信しよう」と、職場に根を張った再審闘争を訴えた。証拠とされているのが「共犯者」の供述だけで、それも公判廷で全部覆っている。獄中の星野さんも強調しているように、この点を重視して再審闘争を闘うことがそれぞれ語られた。

 松川闘争の教訓を学ぶ

 続いて、「松川裁判闘争の教訓」が報告された。1949年8月の福島県松川の列車転覆事件で、国労と東芝労組の労働者20人がデッチあげ逮捕された。一審で死刑・無期を含む全員有罪の大弾圧が加えられたが、労働組合が運動の中心に座り、全国に1000の救援会が作られ、全国を揺るがす運動で全員無罪判決をかちとったのだ。この教訓を学び、労働者階級の力で星野再審闘争に勝利しようと訴えた。
 全国労組交流センター共同代表の辻川慎一さん、国労5・27臨大闘争弾圧被告団の羽廣憲さんが連帯あいさつを行い、階級的立場で星野闘争を闘おうと熱烈に訴えた。
 群馬から奥深山幸男さん免訴の闘いが報告された。
 その後、4時間にわたる熱烈、真剣な討論が交わされた。「星野さんは救済の対象ではない。獄壁を越えて一緒に闘っている。労働者の中に入っていこう」(杉並)「星野さんは情報操作で操られているなどという人に言いたい。あなたは星野さんという人間に感動しないのか」(沖縄)
 休憩の後、論議は白熱した。「異議がある。デタラメな特別抗告棄却は運動が見すかされているからではないか。労働運動を強調し、党派が前面に出ると広がりがなくなる。仮釈要求は当然だ」という沖縄の知花昌一氏の発言に、徹底的な批判がつきつけられた。
 「最高裁が示した国家意思をうち破るには、労働者階級の団結を中軸にすることでしか勝利できない。その上で広範な統一戦線もできる」「仮釈放は転向を星野さんに求めることだ。あなたは星野奪還に絶望している」「街頭は熱い。青年労働者が次々に署名する」
 87年に「日の丸」焼き捨てに決起した知花氏が、星野奪還闘争の展望を見失い、労働者階級の団結で星野闘争に勝利する方針に敵対することは、知花氏自身の闘いを裏切るものだ。知花氏は総会の途中で退席してしまった。
 さらに「関西連絡会」の代表としてもぐりこんでいた塩川一派に対する怒りが爆発した。「昨年8・5広島での署名活動への敵対は許せない」「昨年の11・29全国集会の報告パンフを1部も配布していないのは星野闘争への敵対だ」「君は革共同再建委員会に所属している。再建とは、革共同を破壊することだ」「星野さんに敵対する者は出ていけ」と激しい弾劾がたたきつけられ、会場からたたき出された。
 こうして、星野奪還闘争に敵対・妨害する者らと決着をつけ、星野さん奪還の路線が鮮明に打ち立てられた。司会が、総括と運動方針案を含む7点を「総会のまとめ」として提案、全体の拍手で決議された。
 星野文昭さんの兄の治男さん、弟の修三さん、従兄の誉夫さんが家族としてあいさつをし、1日も早く取り戻したいと訴えた。共同代表の平良修さんが「まとめと閉会のあいさつ」を行い、最後に団結ガンバローで星野奪還を誓い合った。
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 《2009星野全国総会決議》

①今こそ星野文昭さんと団結して闘う
②星野さんのメッセージを共同綱領にする
③運動方針、財政方針、共同代表、事務局体制を承認する
④労組決議、労組取り戻す会の結成などを通じ新10万人署名運動を開始する
⑤「暴処法」弾圧と闘う法大闘争など多くの人びとと連帯する
⑥星野さんの闘いを否定し、運動を破壊する人びとと、総会の名をもって決別を宣言する
⑦原則を明確にすることで運動は強くなる