JPEX強制出向 「7・1内示」が完全破産
JPEX強制出向
「7・1内示」が完全破産
スト絶滅宣言で“労使一体” JP労組中央打倒へ
郵政小包部門のJPEX(JPエクスプレス)子会社化に伴う強制出向「7・1内示」が全国的に完全破産した。闘う全逓労働者の激しい怒りに押され、現場労働者の「出向予定者」が集まらず、事業計画自身の遅れが致命傷となり、荷主の逃避も大規模に始まり、事業計画書を総務省に提出することができなくなってしまったのだ。
郵政民営化絶対反対・JP労組中央打倒への闘いは、大きな前進の中で正念場に突入した。
(詳報次号)
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6月17〜19日に開催されたJP労組第2回大会は、JP労組中央の大裏切りを満天下に示した。JP労組中央はもはやいかなる意味でも労働者階級の側にいる存在ではない。労働組合として完全に一線を越え資本の側に立った。それを示しているのがJP労組中央の一連の言動と、以下に紹介する山口義和委員長の大会での報告だ。
JP労組中央の大裏切りの第一は「賃金3割カット」「成果主義賃金」を受け入れたことだ。JP労組中央は「頑張ったものが報われる制度」などと言っている。「資本のためにもっと身を粉にして働け」ということだ。「他人をけ落とせ」と労働者同士を競わせ分断し、団結を破壊するということだ。そしてより一層の低賃金の強制が目的だ。
第二はスト絶滅を宣言したことだ。今春闘過程でJP労組中央は、「ストライキによって業務運行確保に支障を来すような状況が起こってはならない」「会社に協力していく」と表明した。自ら闘いを放棄したのみならず、現場労働者のストライキなどの闘いに対して会社と一体となり襲いかかるという宣言だ。
第三は非正規職労働者のさらなる拡大だ。山口は「総額人件費の抑制の観点から非正規社員の雇用の増加」が必要、「非正規社員の増加に伴い、非正規社員の雇用を企業の貴重な戦力に位置づけ」と表明した。郵政資本の「8割の労働者を非正規雇用にする」方針にゴーサインを出したのだ。
「貴重な戦力」とはなんという言いぐさだ。現在、郵政のどの職場でも非正規職が半数を超えている。年収は大半が200万円以下。同じ仕事をしていても、正規職の半分以下だ。しかも、日逓(日本郵便輸送)中野営業所の14人の非正規職労働者の突然の解雇のように会社の都合で使い捨てる。非正規労働者をもっと増やせと公言しているJP労組中央は労働者の敵だ。
第四はユニオン・ショップ協定の「年内締結」を公言したことだ。ユニオン・ショップは「労働者はいずれかの組合に加入しなければならない」制度で、「組合を脱退もしくは除名された場合、使用者はこれを解雇する」ことを可能にしようとする制度だ。現場から闘いを開始した、とくに非正規職の青年労働者をこの脅しで黙らせることがJP労組中央本部の狙いだ。
第五は究極の「労使一体」だ。山口は西川善文社長の続投について、「信頼関係はできている。大歓迎だ」、経営についても「西川社長と一致する」と、経営の側に100パーセント移行したことを語った。実際にも、組合員への解雇や強制出向を「手柄」に会社の役員に就任しようとしている。
JPEXの子会社化—強制出向攻撃に対してはどうか。山口は「本部としても必要労働力等の確保にも万全を期す」と言い放ち、「出向者や契約替えとなる非正規社員」を組合がJPEXに強制的に送り込むと宣言しているのだ。
また山口は、「物流分野の競争は激しく、市場競争の中で打ち勝っていく」うんぬんと、労働者をヤマト運輸や佐川急便の労働者との果てしない競争に追いやろうとしている。ヤマトや佐川の労働者は敵ではない。団結して物流資本—資本と闘う仲間だ。
全国の闘う全逓労働者は、このように正真正銘の労働者の敵に成り下がったJP労組中央に対する激しい怒りを爆発させて、6・16〜17の仙台大会闘争を闘いぬいたのである。中央本部打倒への闘いは全国の職場で、現場労働者自身の闘いとして開始された。