2009年6月29日

7・5三里塚闘争に立とう 新誘導路の7月供用阻止を

週刊『前進』06頁(2397号4面1)(2009/06/29)

7・5三里塚闘争に立とう
 労農連帯・国際連帯の力で新誘導路の7月供用阻止を

 三里塚闘争は、7月4日、成田に閣議決定(1966年)してから43年を迎える。43年間、帝国主義国家権力と不屈の「農地死守・実力闘争」を闘いぬいてきた三里塚芝山連合空港反対同盟が、「新誘導路の7月前倒し供用阻止!市東さんの農地を守れ!7・5三里塚現地闘争」への呼びかけを発している(要項1面)。結審攻撃と断固闘いぬいた6・25天神峰現闘本部裁判の傍聴闘争に続き、新誘導路7月供用阻止へ、7・5現地闘争に立ち上がろう。暴処法弾圧を打ち破る6・14渋谷大デモ—6・15法大解放闘争の爆発と高揚を踏まえ、4大産別決戦を基軸に夏〜秋の三里塚攻防に全力で決起しよう。

 43年の歴史かけた決戦へ

 この43年間、三里塚芝山連合空港反対同盟は、帝国主義国家権力に対して絶対に妥協することのない姿勢を貫き、労働者・農民・学生・人民と固く連帯し闘ってきた。闘いの渦中で生まれた日本共産党や反革命カクマル、脱落派などの反動と裏切りを一ミリたりとも許さず、動労千葉との共闘を通じ、韓国・民主労総ソウル本部や全世界との労農連帯、国際連帯の闘いを切り開いてきた。
 世界大恐慌は戦争と大失業の攻撃となって労働者、農民に襲いかかる。全世界で闘いが爆発している。三里塚闘争は、まさにその重要な一翼である。
 6・15法大解放闘争で参加者が見たものは、おびただしい数の武装警官によって固められた法大キャンパスだった。外濠校舎の吹き抜けにはロープが張られ、学生が出られないようにガードマンと職員が廊下で監視するという監獄大学そのものの異様な光景であった。

 世界に例のない超危険な誘導路

 成田空港の現状は、空港の周囲20㌔を、微電流を流した警報装置つきの三重のバリケードで取り囲み、ある地方県警の警察官の総数をも上回る1500人の機動隊が24時間の監視体制をとっている。日常的な営農活動に対して、尾行、張り付き、職務質問を繰り返し妨害を続けている。まさに法大の現実そっくりだ。しかし、われわれの闘いが、敵をここまで追い込んだのだ。
 米貨物機の爆発・大破・炎上事故が3月に起きた。成田空港の運航上の初めての死亡事故(乗務員2人)であり、頭上40㍍の飛行下で営農する反対農民は日常的に同じ危険にさらされているのだ。この欠陥空港への反省のひとかけらもなく、国土交通省と成田空港会社(NAA)が打ち出したのが、延長滑走路10月前倒し供用—新誘導路7月供用の攻撃だ。
 そのために工事が急速に進められ、滑走路北側では東関東自動車道の上部をまたいで、900㍍もの巨大なハシゴ状の鉄橋を築き、進入灯を設置した。この構築物は前例のない、パイロットにとっても運航上危険なものといわれている。
 5月には新誘導路での電波誘導によるジャンボ機走行テストが行われた。新誘導路を走行するために、信号を使って滑走路南端を2度横断するという、世界中探しても例がない前代未聞の危険な誘導路だ。これまでの中型機に加え大型ジャンボ機をも民家の頭上40㍍で離発着させ、殺人的騒音をまき散らそうというのだ。
 天神峰現闘本部と市東さんの農地を強奪し天神峰・東峰の農民をたたき出し、反対同盟の闘いを解体するところに本当の狙いがあるのだ。

 市東さんの農地守りぬけ

 反対同盟解体攻撃の最大のものは、祖父の代から90年間耕作してきた市東孝雄さんの農地を、民事裁判をとおして収奪するという攻撃だ。追いつめられた日帝・国交省、空港会社は、市東さんへの農地強奪に全体重をかけ、あらゆる攻撃を一挙に強めている。世界大恐慌が戦争と大失業の攻撃となって労働者人民に襲いかかっているが、まさにそれと同じ攻撃だ。三里塚闘争の帰すうを決する闘いであり、農地強奪粉砕の階級的大反撃をたたきつけよう。
 市東さんへの農地強奪になんの正当性も、法的整合性も、理屈もない。これまでの「無法」にさらに輪をかけ、得手勝手な法解釈をデッチあげて、土地収用法で取れなかった農地を、農地法によって奪おうとする悪辣(あくらつ)な攻撃=新たな攻撃に打って出てきている。
 市東さんは堂々と闘っている。「私はこれまでどおり堂々と畑を耕し続けます。罪を犯してもいない私が、なぜ法廷に呼ばれなきゃいけないのか。被告側に座るのは誰なんだ。私はここであらためて言いたいと思います。一歩も引きません」(昨年11月16日、市東さんの農地取り上げに反対する会の集いでの発言)
 市東さんのこの土のにおいのする誇るべき感動的な決意に断固連帯し、反対同盟の「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて、敵の攻撃を猛然と打ち返してきた闘いに連帯してともに闘おう。

 戸村精神をよみがえらせ闘おう

 勝利のかぎは、労農連帯の力で闘うことだ。革共同は反対同盟との血盟をかけて三里塚闘争の勝利をもぎりとる。動労千葉と反対同盟との労農連帯、民主労総ソウル本部やILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34などとの国際反戦共同声明にあらわれている国際連帯の闘いは、日本プロレタリア革命の勝利を切り開き世界革命へと進む闘いだ。今年、戸村一作反対同盟委員長の生誕百年を迎えた。戸村委員長は「動労千葉は鉄路を武器に、反対同盟は農地を武器に闘う。これが労農連帯だ」と明快に喝破し、「車の両輪」論を鮮明に提起した。戸村精神をよみがえらせ、労農連帯の力で市東さんの農地を守ろう。
 天神峰現闘本部の撤去策動が強まる中、現闘本部撤去攻撃を階級的大反撃で粉砕しよう。

 非妥協・不屈の団結武器に

 今こそ労農連帯の真価を発揮し、新誘導路7月供用、暫定滑走路北延伸10月前倒し供用を粉砕し、市東さんの農地を守りぬこう。
 反対同盟は、極悪非道の限りをつくした国家暴力に、「農地死守・実力闘争」の非妥協・不屈の原則を貫き闘ってきた。この原則は、国家の総力をあげた攻撃に一歩もひるまない決死の闘いが生み出したものだ。それは人間解放のエネルギーとなって解き放たれ、どんな攻撃をも打ち砕く鋼のような団結をつくり上げてきた。
 6・14—15連続闘争で労農学の破竹の進撃が始まった。戦争・改憲と民営化・労組破壊、道州制、暴処法弾圧、そして三里塚攻撃を打ち砕く力がこの団結にあることを誰もが確信した。6・14闘争で反対同盟の北原鉱治事務局長は、「労働者が、そして若い諸君が未来を描ける時代にしていくには、君たちが立ち上がる以外にない。キャンパスを奪い返す以外にない。三里塚闘争は、君たちの未来を決める闘いでもある。反対同盟は、どこまでも君たちの先頭に立ってともに闘う」と言って全参加者に檄(げき)を飛ばした。三里塚も一体となってかちとったこの力、団結が勝利のかぎである。なにものをも、どんな攻撃をもぶち破ることができる。

 闘いの変質解体を狙う塩川一派

 危機を深める転向スパイ集団・塩川一派は、彼らの『通信』(1月20日付)において「1984年の第4インターに対する軍事的せん滅戦にかんする自己批判」なる文章を掲載した。これは、三里塚闘争から脱落し、反対同盟の3・8分裂(83年)を強行させた脱落党派である第4インターを免罪し、塩川一派が脱落派の立場に立つことを内外に明らかにした歴史的な反革命転向宣言である。
 第4インターなどの脱落派は、三里塚闘争に対する最大の破壊攻撃であった「話し合い」攻撃に屈服し、「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて闘う反対同盟と敷地内を平然と見捨てた。塩川一派の立場は、「農地死守・実力闘争」「労農連帯」という三里塚闘争の階級的核心を限りなく汚し踏みにじり、三里塚闘争を権力と妥協できるものに変質させ、解体するものだ。徹底的に粉砕しなければならない。
 7・5三里塚現地闘争に全力で立ち上がろう。北朝鮮侵略戦争が具体的に切迫する情勢下で、成田の軍事基地化を絶対に阻止しなければならない。
 今こそ労農連帯の真価を発揮し、新誘導路7月供用、暫定滑走路北延伸10月前倒し供用を粉砕し、市東さんの農地を守りぬこう。