2009年6月29日

田母神講演会(7・13杉並8・6広島)粉砕を

週刊『前進』06頁(2397号2面4)(2009/06/29)

闘う拠点の破壊を狙う 田母神反革命を許すな
 田母神講演会(7・13杉並8・6広島)粉砕を
 北朝鮮侵略戦争と核武装を扇動

 日帝・麻生は6月7日の街頭演説で「対北朝鮮、戦うべき時は戦う」(東京・吉祥寺駅前)と叫んだ。自民党は次期「防衛計画の大綱」に「敵基地攻撃能力の保有」を盛り込もうとしている。衆院憲法審査会規程と海賊対処法案の可決を強行し、船舶検査特別措置法の成立を狙っている。イラク・アフガニスタン・ソマリアに続いて日帝は、北朝鮮侵略戦争発動体制に入ったのだ。この攻撃の最先兵が田母神(たもがみ)だ。7〜8月、田母神反革命と闘い抜こう。
 7月13日、田母神俊雄前航空幕僚長が杉並公会堂に来る。杉並では山田宏区長による「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択の動き、拉致問題を利用した北朝鮮侵略戦争の扇動が渦まいている。8月6日には、日本会議の主催で広島の地で田母神講演会が計画されている。その狙いは戦後の反戦反核闘争、そして戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃との闘いの拠点である杉並、広島の闘いの破壊にある。

 軍部中枢でクーデターを企てる

 田母神の第一の罪状は、航空自衛隊幕僚長という軍部中枢にあって反革命クーデターを企て、組織したことだ。
 田母神は昨年10月31日、「わが国が侵略国家などというのは濡れ衣(ぬれぎぬ)」とする論文を懸賞論文で発表したことが発覚し、同日夜に解任された。アパグループ(金沢市に本拠を持つホテル業)が主催する「真の近現代史観」懸賞論文の応募者は自衛隊の佐官・尉官の幹部自衛官だけで90人。所属別では幕僚部4人、航空総隊71人(小松基地が62人)、航空救難団16人などだった。
 田母神は98年に第6航空団(小松基地)司令に着任。ここでアパグループ代表の元谷外志雄と知り合い、元谷を介して森元首相や安倍元首相と結びついた。元谷をF15戦闘機に乗せてやったり、アパグループのホテルへの基地隊員宿泊紹介が7割を超えるという腐った利権関係を形成した。
 田母神は、02年〜04年まで統合幕僚学校長を務め、田母神派形成のために「歴史観・国家観」講座を新設した。講師は「つくる会」メンバーや桜井よし子などで、受講した幹部は390人。全部が佐官クラスだ。
 その後、田母神は航空総隊司令官を経て、安倍政権のもとで07年3月に航空幕僚長に抜擢(ばってき)された。着任後、直ちに軍内部で安倍—田母神の反革命派形成に走った。
 田母神の基本的主張は①日本が侵略国家だったというのは濡れ衣②集団的自衛権の行使と憲法改正③安保に依拠せぬ自主国防、という「つくる会」と一体のもので、北朝鮮侵略戦争に直ちに突入する国家体制構築を求めるものだ。これは、対中国全面戦争と対米戦争をやりうる国家体制を求めた1936年2・26事件を想起させる反革命クーデターだ。
 田母神の第二の罪状は、北朝鮮侵略戦争の口火を切ろうと反革命デマ宣伝に明け暮れていることだ。

 各地で侵略戦争扇動に明け暮れ

 田母神は「対テロ戦争への協力より拉致テロの解決を」と叫び、「拉致被害者を返さないなら武力攻撃で被害者を取り返す」「北朝鮮ミサイル基地を空自戦闘機の空爆でたたけ」と叫ぶ。そして「それをやるためには詳細な地図が必要だが、今の日本ではそうした地図をつくることさえできない」と嘆く。
 だが実際に自衛隊中枢は、米軍と一体となって「戦争計画5055」に沿った北朝鮮侵略戦争の具体的準備を進めているのだ。北朝鮮侵略戦争が発動されれば日米韓3軍が一体となり、北朝鮮人民を数万人、数十万人の規模で殺傷する戦争になる。この北朝鮮侵略戦争に”直ちに突入せよ!”と明けても暮れても扇動しているのが田母神だ。
 田母神の第三の罪状は、「日本は侵略国家ではなかった」「対華21カ条の要求は当たり前の要求」「日韓併合で朝鮮は恩恵を受けた」などと排外主義で塗りたくった大ウソを恥ずかしげもなく述べ立てていることだ。
 田母神の父親は、徴兵され、中国侵略戦争の最前線に立ち、二等兵から軍曹まで異例の出世をした。この父親から日本軍の自慢話を聞いて田母神は育った。70年安保・沖縄闘争の大激動時には防衛大生(67〜71年)だった。デモ隊の戦闘的行動に接した時、「物を壊すのはよくない」と小ブル的な恐怖と憎悪を感じていた。田母神は、一貫して労働者階級人民の生きた姿と闘いから自らを遮断し、防衛大学と自衛隊幹部出世コースの世界に住み続け、支配階級の凶悪な先兵となり果てた。
 田母神は「日本をいい国だと思わなければ自衛隊は戦争ができない」と主張する。再び朝鮮・中国侵略戦争を始めるためには戦後的な歴史観・価値観を一掃する必要があると焦っているのだ。

 労働運動の力で田母神打倒へ!

 田母神の第四の罪状は、改憲・核武装を公然と主張していることだ。
 田母神は、戦後の米軍占領下における新憲法制定、教育勅語・国家神道の廃止を「国際法違反だ」などと泣き言を言っている。戦後の日本をダメにしたのはアメリカだとし、いつまでも日米同盟には頼れない、自衛隊を米軍と対等の国防軍にせよ、と言っている。
 田母神の核武装の主張は、日帝中枢の本音だ。支配階級内部で、核武装への強烈な衝動が募っている。そうしなければ、第3次世界大戦前夜というべき情勢を帝国主義国家として勝ちぬけないからだ。しかし、日帝の核武装を米帝は絶対に認めない。だから極右軍部の田母神が突出して核武装を叫び立てているのだ。
 こんな考えは被爆者を先頭とする労働者人民の激しい怒りで粉砕されるだけだ。核・核兵器への怒りを甘く見るな。
 田母神は、7月13日には杉並で、8月6日には広島で日本の核武装を主張しようとしている。絶対に許せない。他方、日本共産党や連合・原水禁などがオバマのプラハ演説に飛びつく大反動が渦巻いている。今年の8・6ヒロシマ—8・9ナガサキ反戦反核闘争は2正面からの大反動との決戦だ。
 田母神反革命粉砕の道は6・14〜15闘争に示された労働者階級の団結と闘いの中にある。国鉄を軸に4大産別決戦を闘い抜いて労働組合を帝国主義打倒の拠点とし、田母神反革命を打倒しよう。
 (宇和島洋)
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田母神講演会粉砕! 「つくる会」の教科書採択阻止!
7・12労働者集会
7月12日(日)午後1時半
杉並区産業商工会館3階
呼びかけ/西部労組交流センター 東京西部ユニオン