2009年6月22日

緊急弁護士声明 「法大弾圧を弾劾」

週刊『前進』06頁(2396号3面3)(2009/06/22)

緊急弁護士声明

 暴処法による法大学生運動弾圧を弾劾し、即時釈放を求める
 法大暴処法弾圧に、弁護士のあいだにも怒りの声が広がっている。緊急弁護士声明が発せられ170人を超える弁護士が名前を連ねた。声明を紹介します。(編集局)
【呼びかけ】
指宿昭一(二弁60期)
井堀 哲(二弁55期)
川村 理(東弁43期)
鈴木達夫(二弁43期)
高山俊吉(東弁21期)
武内更一(東弁38期)
西村正治(二弁46期)
花澤俊之(二弁61期)
葉山岳夫(二弁19期)
藤田城治(二弁56期)
藤田正人(東弁44期)
森川文人(二弁43期)
山本志都(東弁55期)
   ◇
 〔1〕「暴力行為等処罰に関する法律」(以下「暴処法」)を使って、法政大学の学生運動に対する大弾圧が開始されています。学内でビラを配った、演説をした等を口実にこの間処分された学生らの「構内立入りを禁止する」看板が深夜引きはがされたなどとして、サークル団体代表ら11名が逮捕され、さらに多くの学生に対して「事情聴取」と称する呼び出しが続いています。
 〔2〕法大は、この3年間で逮捕者107名、起訴24名、処分者12名を出す「監獄大学」と化しています。
 また去る3月大学当局は、「営業権」を被保全権利として、「キャンパスから半径200メートル以内において徘徊(はいかい)し、横断幕等を掲げ、ビラをまき、演説を行う等」の情宣活動禁止の仮処分を申し立てました。
 しかし、この前代未聞の「表現の自由」「大学の自治」侵害の仮処分には、直ちに全国弁護士約70名が債務者代理人となり、何よりも4月24日には1500名の法大生の学内決起で迎え撃っています。「学生運動は冬の時代」とは、いまや昔話に過ぎません。
 〔3〕学生運動のこの高揚に震撼(しんかん)したのが、東京地検と警視庁公安部です。「百年に一度」の資本主義の危機が進行するなか、青年労働者と学生が合流して、いまフランスで、ギリシャで、イギリスで「生きさせろ!」の叫びが爆発しています。その「悪夢」が麻生首相ら支配者の脳裏に浮かんでいるのでしょう。
 〔4〕「暴処法」とは、1926年(大正15年)に制定され、治安維持法とともに侵略戦争体制のかなめとして猛威をふるった弾圧法です。同法による逮捕者は、「満州事変」の翌年1932年には約5000人にのぼりました。この希代の悪法は、司法省・内務省の画策で戦後も廃止を免れ、「多衆の威力」「数人共同」など極めて曖昧(あいまい)な構成要件をもって、労働組合等の団結に対する「もっとも使い勝手のいい弾圧法」(荻野富士夫教授)として生き続けました。そして今、高揚を開始した学生運動に振り下ろされたのです。
 〔5〕大学が監獄になる現実は、戦争と改憲の時代を象徴しています。私たちは、この危機を広く社会に訴え、同時に逮捕学生の不起訴・即時釈放とサークル員らに対する取調べの中止を要求します。
(5月28日呼びかけ)