2009年6月15日

「北朝鮮と戦う時は戦う」街頭演説 戦争へ一線超える麻生打倒を

週刊『前進』06頁(2395号4面3)(2009/06/15)

「北朝鮮と戦う時は戦う」 吉祥寺で街頭演説
 戦争へ一線超える麻生打倒を

 米日帝国主義の北朝鮮侵略戦争策動がかつてなく激化している。
 麻生首相は7日、「対北朝鮮、戦うべき時は戦う」と戦後の首相としては初めて公々然と「戦争をやる」と発言した。
 麻生は、東京都議選の立候補予定者の応援で訪れた武蔵野市のJR吉祥寺駅前で街頭演説し、北朝鮮に対して「戦うべき時は戦わねばならない。その覚悟を持たなければ、国の安全なんて守れるはずがない」などと述べ、戦争宣言を行った。
 麻生は同時に海賊対処法案に関しても、「泥棒に襲われるのなら守るのはあたり前」などと述べ早期成立を主張した。
 自民党の細田幹事長も同日、同じ場所で、北朝鮮の「拉致問題」について「早く向こうの体制を倒して、(被害者を)救済しなければならない」などと主張し、さらには「われわれが安心して暮らすにはどうしたらいいか。まず国際的に北朝鮮を説得し、向こうの政権が倒れるまで国際的に締め上げないとだめだ」と金正日体制打倒に言及、麻生発言に呼応した。
 まさに米日帝の北朝鮮侵略戦争の狙いは北朝鮮スターリン主義の体制転覆であり、その先には中国スターリン主義に対する侵略戦争もあるのだ。
 日帝は、4月の北朝鮮の人工衛星ロケット発射に対し「弾道ミサイル破壊措置命令」を発動し、ミサイル迎撃(MD)システムとイージス艦を配備するなど自衛隊を臨戦態勢におき、秋田などの地方自治体では事実上の有事法制が発動された。
 今回の麻生の「戦争をやる」という発言と一体のものとして、今日進行している重大事態は、第一に日帝が北朝鮮に対する新たな国連安保理制裁決議採択の先頭に立っていることだ。5月の地下核実験に対する「制裁」として北朝鮮に出入りする船舶に対する「貨物検査」と称する「臨検」の強行を米帝とともに追求している。
 第二に、在日米軍、在韓米軍の重大な動きだ。在韓米軍は、北朝鮮への戦争計画「5029」が実戦に耐えうる作戦計画に格上げする作業がほぼ完了したとしている。沖縄には米軍の原潜や戦闘機、偵察機が集結し、臨戦態勢に突入している。
 第三に、9日に自民党の国防関係合同会議で北朝鮮に対して「わが国自身による敵ミサイル基地攻撃能力の保有を検討すべきだ」と明記した報告が決定されるなど、巡航ミサイルや弾道ミサイルによる敵基地攻撃能力の保有を求める先制攻撃論が自民党内で噴出していることだ。
 第四に、中川前財務相の「純軍事的に言えば(北朝鮮の)核に対抗できるのは核だというのは世界の常識だ」という発言だ。今や自民党内で核武装衝動までもが台頭してきている。ソマリア沖への自衛隊3軍の出兵と海賊対処法案成立の動きも同時に進行している。
 米日帝の北朝鮮侵略戦争の狙いは北朝鮮の体制転覆である。それは同時に南北朝鮮人民への大虐殺の攻撃だ。韓国のプロレタリアート人民は民主労総を先頭にイミョンバク政権打倒に決起している。この韓国の労働者階級、さらにはオバマ打倒に決起している米労働者階級と連帯し、麻生政権打倒の闘いを強め、米日帝国主義の北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。