2009年6月15日

三里塚 6・25現闘本部裁判-7・5現地闘争へ

週刊『前進』06頁(2395号4面1)(2009/06/15)

三里塚 6・25現闘本部裁判-7・5現地闘争へ
 暫定滑走路北延伸攻撃 新誘導路7月供用阻止
 労農連帯で市東さんの農地守れ

 暴処法弾圧を打ち破る6・14渋谷大デモ—6・15法大解放闘争の爆発と高揚を踏まえ、6—7月の三里塚攻防に全力で決起しよう。大恐慌情勢のもとで戦争・改憲、民営化・労組破壊、道州制攻撃と闘う労働者階級の底力が三里塚闘争に不可欠だ。反対同盟の呼びかけにこたえ、6・25現闘本部裁判の傍聴に駆けつけ、新誘導路7月供用阻止へ7・5現地闘争に立ち上がろう。

 農民・住民追い出し攻撃

 帝国主義の新自由主義政策は、全世界の労働者と農民に塗炭の苦しみを味わわせた揚げ句、完全に破産した。「資本主義は終わりだ」との時代認識が人民の間に確実に広がっている。トヨタを始め自動車資本の利潤を追求するために農産物の「自由化」を推し進めてきた日帝は、「自動車が売れない」という事態に悲鳴を上げ、大恐慌情勢に打ちのめされている。
 だが、帝国主義は自ら歴史の舞台を下りることはない。生き残りをかけて戦争に突入しようと、よりむき出しで力ずくの階級支配を貫こうとする。民営化・労組破壊攻撃、法大キャンパスの暴力支配と同様に、成田空港の現実——農地強奪攻撃がそれだ。
 今年3月、強風に見舞われた米貨物機が成田空港で着陸に失敗して爆発・炎上し、乗務員の労働者が命を失った。
 だが日帝と成田空港会社(NAA)は欠陥空港への反省などひとかけらもなく、事故を逆手に取り暫定滑走路北延伸の供用を今年の10月に前倒しして開始することを宣言した。またそれに伴い、「東峰の森」を破壊して造った新誘導路を7月から供用すると発表した。
 国土交通省とNAAは4月22日、東峰部落に対してそのことを一方的に通告し、5月12日、19日、「グライドパスの電波性能テスト」と称してジャンボ機の新誘導路テスト走行を行った。また滑走路北側では東関東自動車道をまたいで約900㍍ものハシゴ状の鉄橋をかけ、進入灯を設置する工事を急ピッチで進めている。農家の頭上40㍍を飛ぶジェット機の離発着が、殺人的騒音をまき散らしながら日々続いている。これら農民・住民に対する追い出し攻撃を絶対に許すな!

 空港廃港こそ人民の利益

 NAAは恥知らずにも、祖父の代から90年耕作してきた市東孝雄さんの農地を、民事裁判をとおして収奪するという攻撃を続けている。また、成田治安法で封鎖されている天神峰現闘本部を、これも民事裁判を使って強奪しようとしている。
 こんな空港を閉鎖・廃港にたたき込むことこそが労働者・農民・人民の利益であることを、はっきりと示さなくてはならない。
 国家権力とNAAは、千葉県当局、千葉県農業会議、裁判所までも土地取り上げの手先として動員し襲いかかってきたが、反対同盟は「農地死守」の原則を貫いて猛然と打ち返してきた。
 この攻防の矢面で市東孝雄さんが「億の金よりも、この地で1本100円の大根を作り続ける」と言い切って仁王立ちしているのだ。
 「裁判で脅し、見たこともないような額の金を積めば何とかなる」とたかをくくっていた国家権力とNAAは、この市東さんの言葉をおよそ理解できなかった。そしてその決意が本物であることを知るにつれて、顔面蒼白(そうはく)となり、根底的に打撃を受け右往左往しているのである。北延伸滑走路10月供用は、追いつめられた敵の何ら成算のない攻撃なのだ。
 4大産別決戦に勝利する階級的団結を職場から打ち固め、暫定滑走路北延伸攻撃、市東さんへの農地強奪攻撃を粉砕しよう。

 6・25萩原さんが証言に

 まさにこの6月、7月、三里塚攻防は山場を迎えている。白熱する裁判闘争と現地闘争を一体的に闘おう。
 6月25日、千葉地裁で天神峰現闘本部裁判の口頭弁論が開かれ、萩原進事務局次長が証言台に立つ。これまで仲戸川隆人裁判長は、「実地検証を行え」という正当な要求を却下し強引な訴訟指揮を続け、反対同盟・顧問弁護団が「裁判官忌避」を行ったことに対してもこれを踏みにじってきた。そして反対同盟側不在の法廷を違法に開廷した上、すでに決まっていた反対同盟の北原鉱治事務局長、萩原進事務局次長の証人採用を取り消すという暴挙に及んだ。
 この大反動をぶち破って、すでに4月23日には北原さんの3時間半にわたる証人尋問がかちとられた。反対同盟に建物の地上権があることが明白となった。
 そして6月25日の法廷では萩原さんの言葉で、石橋・法理(NAA職員)陳述書のうそを暴き出し、反対同盟43年の闘いの正義性と現闘本部が反対同盟と全人民の共有財産である事実が一層明らかにされる。傍聴に大挙結集しNAAを追いつめよう。石橋恵美子証人の再喚問をかちとり、現闘本部の実地検証を行わせ、仲戸川裁判長の早期結審策動を打ち砕こう。
 そしてただちに7・5三里塚現地闘争に全力で立ち上がろう。北朝鮮侵略戦争が具体的に切迫する情勢下で、成田の軍事基地化を絶対に阻止しなければならない。
 今こそ労農連帯の真価を発揮し、新誘導路7月供用、暫定滑走路北延伸10月前倒し供用を粉砕し、市東さんの農地を守りぬこう。