2009年6月15日

法大奪い返せ 「暴処法」粉砕8同志即時奪還へ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』06頁(2395号2面1)(2009/06/15)

法大キャンパス奪い返せ
 「暴処法」粉砕の地平の上に8同志即時奪還の大闘争へ
 革共同中央学生組織委員会

 6月5日、闘う法大生・全国学生・労働者階級の総力で「暴処法」弾圧を粉砕し、4人の仲間を奪還した! 決定的な勝利だ。他方、日帝国家権力は全学連の織田委員長や法大文化連盟の恩田副委員長を始め5人を暴処法違反によって起訴した。さらに許しがたいことに不起訴でいったんは釈放された文化連盟の斎藤委員長ら3人の同志を4・24法大解放集会における「威力業務妨害」などのデッチあげ容疑で再逮捕した。6月8日、4・24集会に関してデッチあげ逮捕されていた全学連の冨山書記長を起訴した。徹底弾劾する! 暴処法攻防の緒戦に勝利し、6・14−15大闘争をうち抜いた地平の上に、法大闘争の爆発−8同志全員の即時奪還に向けてさらにさらに闘いを推し進めよう。現代帝国主義と新自由主義大学の破産に対して、学生の団結の力にのみ依拠してキャンパス支配権を奪い返す法大闘争こそ、4大産別決戦勝利と世界革命の突破口だ。

 全員起訴の策動うち破る

 第一に、われわれは、暴力行為等処罰法と真っ向対決する闘いの第1ラウンドに勝利した。団結破壊という暴処法の核心的攻撃をうち破った。
 何よりも、暴処法第1条の適用による、被逮捕者11人の全員起訴という策動を粉砕したことだ。「団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ…数人共同シテ罪ヲ犯シタル者ハ…」に始まるこの第1条にこそ、労働運動・学生運動・農民運動など、ブルジョアジーの抑圧に対するあらゆる階級闘争を労働者・学生・農民が団結して組織的に闘うことへの支配者どもの激しい恐怖が示されている。
 「実行行為」があろうがなかろうが「現場」にいようがいまいが関係なく逮捕し勾留する。そして組織と運動そのものを壊滅させていく——治安維持法や破防法と並ぶ治安弾圧法そのものだ。
 勝利の原動力は、獄中の全同志が検事・刑事によるあらゆる転向強要攻撃を完全にはね返し、感動的に完全黙秘・非転向の闘いを貫いたことだ。
 今回の弾圧で法大闘争での逮捕者は110人、30人の起訴となった。だが暴処法弾圧攻防はこれまでの3年余ともまったく違うレベルのものとしてあった。闘う個人を屈服させるのみならず、仲間を売り、組織を売り、法大闘争総体を権力のもとに組み敷いて一掃していく攻撃との正念場の闘いとしてあったのだ。
 ここで「1人の仲間も見捨てない」団結を守り抜いたことは決定的だ。これこそ団結の力にのみ依拠してあらゆる弾圧や処分をのりこえてきた法大闘争3年の神髄だ。文化連盟−全学連、そして階級的労働運動(動労千葉派)の底力だ。
 奪還された4人はすでに全労働者・学生に対し熱烈なアピールを発し、キャンパスでの闘いに突入している。4同志奪還の勝利が、6・14−15闘争の高揚を最終段階で押し上げた。
 そしていよいよ暴処法粉砕の大裁判闘争が始まる。わずか10日間で弾圧抗議声明への約1500の賛同、そして弁護士170人の決起を生み出したほどに暴処法への怒りと危機感は激しく深い。暴処法弾圧と法政監獄大学の現実への衝撃は、海外メディアをもとおして全世界に一挙に拡大している。
 この弾圧をうち破り獄中8同志をただちに取り戻す中に、戦争を止め、この腐りきった資本主義社会を根本的に変革する道があると膨大な労働者・学生が感じ始めている。
 緒戦の勝利の地平の上に日本階級闘争を一変させるような大裁判闘争を爆発させ、8同志即時奪還をかちとろう!

 新たな処分攻撃を許すな

 第二に、法大闘争は文化連盟への新たな処分策動との火花を散らすような激しい攻防に突入している。
 法大当局は、5・15暴処法弾圧から2週間も経過した29日付で「一連の事件の経緯について」なる文書を公表した。ここに示されているのは、一方で4・24集会が法大生の1000人決起を軸に1500人の実力行動として爆発し当局支配の破産を突きつけたこと、他方で法大の08年度の金融取引損失が28億円とガンガン拡大し破産の危機にさらされている中で、文化連盟を軸にした3万法大生の団結が大学権力の奪取にまで突き進もうとしていることの現実性への恐怖だ。
 4・24で新自由主義大学を粉砕し、学生こそがキャンパスの支配権を握るという戦闘宣言を敵にたたきつけたのだ。だからこそ冒頭に「一連の事件で、(文化連盟と全学連の)両団体の幹部等は……逮捕されました」とし、指導部を弾圧で一掃したのだから闘いを放棄せよと法大生に迫ってきている。
 しかし、これは敵の墓穴だ。暴処法弾圧と5・29文書に対して法大生と全国学生の怒りはさらに燃え上がる。
 一つに、4人奪還の大勝利に狼狽(ろうばい)した法大・増田体制は、ただちに新たな処分へとのり出してきている。暴処法弾圧に対して「彼らが逮捕されて以来、市ケ谷キャンパスの各門は全開しています」などと小躍りして喜んでいた法大当局は、4人の同志が意気軒高とキャンパスに凱旋(がいせん)することに顔面蒼白となり、釈放になるや否やただちに3学生に「面談通知」なるものを送りつけ処分を振り下ろそうとしている。腐りきった教授会は、この反動理事会に全面的に加担し先兵になっている。ここに法大当局の不正義性は凝縮している。
 法大当局のやっていることはただ一つ、文化連盟のもとに団結して闘う学生をひたすらキャンパスの外に追放し続けてきた歴史ではないか。警察権力の弾圧が貫徹できないならば、次は自らが処分を下してキャンパスに入れないようにする、ということだ。
 いったいこれまで、どれだけの法大生が一方的な処分によってキャンパス入構を禁止されてきたのか。誇りと尊厳を踏みにじられてきたのか。ビラまき禁止、立て看板禁止、集会禁止措置と闘う法大生を処分することが「法政大学は、『自由と進歩』の精神に基づき、自立的で個性豊かな人材の育成を通じて社会の進歩に貢献するという使命を果たすべく、思想・信条・表現の自由を尊重しつつ…」なのか。ふざけるのもいい加減にしろ!
 しかし、いま一つに処分粉砕闘争こそ法大決戦の基軸路線であり、「一人の仲間も見捨てない」団結を拡大する中で文化連盟は法大生自身の権力として発展していくということだ。
 文化連盟の団結は、08年春の学友会解体過程での恩田君処分に対する5・20実力決起から生まれた。そしてそれは、昨秋の文連中心メンバー全員に対する処分攻撃に対して一歩も引かずに闘う中で、ついに3万法大生と300万学生の先頭に立つ素晴らしいリーダー群を生み出し、文化連盟と全学連の一蓮托生の団結を固めてきた。弾圧と処分によってしか学生支配を維持できない大学の腐敗を暴露し、学生が団結して立ち上がった時にそれは無力化できることを示し続けてきた。
 今こそその真価を発揮する時だ。獄中同志の闘いと一体となった処分粉砕闘争を6〜7月に爆発させ、法大闘争の大前進をかちとろう。

 教育と未来を取り戻そう

 第三に、文化連盟と団結し法大決戦を爆発させる中にこそ、〈改憲・戦争と民営化・労組破壊〉攻撃と対決し、道州制攻撃を粉砕し、資本の支配を転覆していくプロレタリア革命の展望がある。
 一つに、リーマン・ブラザーズもGMも破綻して帝国主義の金融も基幹産業も総崩壊状態となり、大恐慌はますます深まっている。労働者民衆の怒りの反撃が支配階級の危機をますます促進させている。そして、日本階級闘争において、破産したがゆえに凶暴化する新自由主義攻撃と真っ向から対決しうち破ってきた最先端の闘いこそが国鉄闘争(動労千葉労働運動と1047名解雇撤回闘争)と法大闘争だ。
 ここに6000万労働者階級の怒りと結合する「内乱と革命」を見たからこそ、支配階級は国労5・27臨大闘争と文化連盟・全学連に対する暴処法適用に踏み込んできたのだ。法大闘争は国鉄分割・民営化攻撃に勝利し続ける動労千葉のように闘おうと前進してきた。まさに今回の法大弾圧によって、動労千葉を先頭とする11月集会潮流こそが日本革命の主役であり最前線に躍り出たのだ。
 二つに、暴処法攻撃を粉砕する中にこそ、かつてのスターリン主義の裏切りと屈服をのりこえ、帝国主義戦争を阻止していく道がある。
 1929年世界大恐慌に端を発する30年代の革命的激動は、ロシア革命の地平を引き継いで国際帝国主義にとどめを刺し、世界革命を完遂するという歴史的課題をわれわれに課した。しかしスターリン主義は世界革命を放棄し、階級的団結を破壊し、帝国主義戦争の一方に与して革命情勢を絞殺することで自らの延命をはかった。
 日本においては、日本帝国主義が20年代後半から治安維持法と暴処法によって凶暴な治安弾圧に踏み出して労働争議の激発に襲いかかってくる一方で、とりわけ大学キャンパスにおいて学生運動圧殺に全力をあげ、それは学生自身がペンを銃に持ち替える学徒出陣にまで行き着いた。日本共産党はこの攻撃と闘えず、弾圧で無力化し、転向していった。
 だからこそ、大恐慌の激化と保護主義化(ブロック経済化)が帝国主義の戦争衝動として噴き出そうとしている中で、暴処法攻撃をはね返し、キャンパスと職場に団結を組織することが決定的なのだ。われわれはスターリン主義をのりこえ絶対に世界革命を実現する。
 三つに、文化連盟の登場、その屹立(きつりつ)した存在に青年労働者・学生の未来を指し示す圧倒的な正義性・路線性があることだ。
 文化連盟委員長・斎藤君は6・15集会にあてたアピールで「法大闘争はすでに一大学の学園内闘争として片付けられる問題ではなくなっています。この問題は、大学という場所のあり方が問われている問題です。大学とは何か? もっと突き詰めれば、学問とは何か?」という根源的な問いを発している。
 文化連盟は弾圧との闘い、度重なる処分との闘い、そして「営業権=資本の利潤追求」をむき出しにしたビラまき禁止措置、さらには国家権力との直接激突である暴処法適用を全面的に受けて立ち、はね返す中で、法大当局こそ破産しきった新自由主義大学のなれの果てであり、法大生の決起は資本との直接激突であることを満天下に明らかにしてきた。
 立て看板撤去に対する抗議と29人逮捕から開始された法大決戦を、3年の時を経て、ついに資本主義との全面的な対決にまで押し上げてきた。
 新自由主義攻撃における資本の論理の貫徹が医療、福祉、公共性、そして労働という人間にとって絶対不可欠で根源的な活動でさえも、金もうけの手段とし労働者階級を殺している。とりわけ、人類を発展させ青年・学生の主体性を引き出し、未来を切り開く場であるべき大学と教育が、おぞましい監視カメラと暴力ガードマンと警察権力の支配する監獄になっている現実。これこそ資本主義における最大の転倒であり、その支配の破産である。労働者階級とともに学生もこの資本のくびきを粉砕する闘いに立ち上がって社会を変革する、革命をやる中に自らの未来があることを行動でもって明らかにしてきた。日帝の改憲攻撃、道州制攻撃が4大産別の労働組合的団結をめぐる攻防としてせり上がってきた今、法大闘争こそが全国学生・労働者階級の最先頭で勝利の展望を切り開こう。
 最後に、ブルジョアジーの階級的憎悪を一身に受けて文化連盟三役、全学連三役が獄中に囚われている今、新たな指導部をつくりだそう。4・24大集会から約2カ月の闘いは、獄中−獄外の闘いで弾圧をはね返し、むしろそれをも糧として団結を拡大していく過程でもあった。文化連盟の拡大、全学連運動の全国的爆発、そしてマル学同中核派の1000人建設こそが敵に対する最大の反撃だ。われわれは、獄中8同志と心の底から連帯し、その手を握り、処分粉砕−全獄中同志即時奪還の闘いに決意も新たに総決起する。