2009年6月 8日

自治労中央委「3単産統合」が大破産

週刊『前進』06頁(2394号3面2)(2009/06/08)

本部打倒し闘う路線を
 自治労中央委「3単産統合」が大破産

 第138回自治労中央委員会が5月29日、東京・江東区で行われた。奈良で2日間の開催予定がインフルエンザ問題を口実に東京1日開催、傍聴自粛となった。都市交と全水道との地公3単産組織統合が破産に終わり、一時金カットや民営化に現場組合員の怒りが渦巻く中で本部が恐れをなしたのだ。
 全国労組交流センター自治体労働者部会は、現場の怒りを体現し、「国鉄1047名解雇撤回」「道州制・民営化絶対反対」「動労千葉のように闘おう」と訴え、「がんばってくれ」などの激励を集めた。
 3単産統合の破綻は、「自治労21世紀宣言」の組織的目標の破産を意味する。21世紀宣言は03年、「労働者としての階級的使命」「社会主義の実現」を掲げた自治労綱領に代わってつくられた。横浜大会で一度否決されたにもかかわらず、本部は強引に続開大会を開催し、採択された。
 21世紀宣言は「労働者階級」「闘い」「団結」の言葉も投げ捨て〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉に屈服・協力する最悪の体制内労働運動路線だ。あらゆる職場が民営化で破壊され、労働者の非正規化を容認にした上で新たな地域公共サービス産別組織として自治労の名称も投げ捨てようとしている。
 この間の民営化や合理化、新採抑制・退職不補充などで現場で働く労働者の数は削減され続ける一方だ。労働強化や賃下げに対して闘いの方針を何一つ出さない自治労は、毎年3万人近い組合員の減少を続け今や86万人余りだ。3単産統合が唯一の「組織維持」方針であり本部の「求心力」だったのだ。
 だが敵の攻撃に完全に屈服し、現場の闘いを圧殺したところに組織維持などあるはずがない。ダラ幹延命の野合路線が醜い利権争いの揚げ句の果てに大破産したのだ。
 岡部謙治委員長はあいさつで、3単産統合問題について「理念と目的まで否定されるものではない」と見苦しい言い訳に終始。一時金削減攻撃についても闘う意欲は何ひとつ示さず、民主党への政権交代だけが労働者の展望であるかのように、資本主義救済の労使共同宣言路線を満展開した。
 質疑や討論では、3単産統合については、あらためて自治労の名称変更反対の意見が続出した。一時金削減や公立病院の民営化への怒り、社保庁解体に伴う解雇問題で不安や怒りが爆発、闘う方針を出せなどの批判が集中した。
 本部答弁は、3単産統合は対等合併で全水道や都市交にも責任があると責任逃れを続けた。国家公務員の一時金削減については、社民・民主と調整したが反対にはたどりつけなかったと逃げ口上に終始。本部答弁に拍手はほとんどなく「圧倒的拍手で確認します」という議長の言葉に拍手を上回る失笑が上がった。本部の求心力は決定的に失われている。