裁判員制度 必ず廃止へ これからが本番だ
裁判員制度 必ず廃止へ
各地に運動拠点つくろう
労組を軸に戦争・改憲に大反撃を
闘いはこれからが本番だ
5・21実施阻止をかかげて攻め上った裁判員制度粉砕闘争は、歴史を画する勝利的地平を切り開いている。「裁判員制度はいらない!大運動」は5月21日に記者会見を行い、「あらためて本日、『裁判員制度を廃止しよう』の闘争宣言を発し、『裁判員制度はいらない!大運動』を全国でさらに力強く展開します」と、闘争の継続を高らかに宣言した。「大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士は「私の拒否からみんなの拒否へ、みんなの拒否は制度の廃止へ。この思いで闘いの続行と強化を」と決意を述べた。裁判員制度粉砕闘争は、労働者人民の怒りの”総反乱”で、制度そのものを廃止に追い込む闘いである。攻防はこれからもっと本格化し全国化する。矛盾と怒りが必ず大噴出する。この問題を一つの大きな焦点として階級闘争が革命的に発展する大情勢となった。全国各地に運動の推進拠点を共に設け、闘争を継続・拡大していくことを熱烈に訴える。
「反対大運動」が世論を獲得
裁判員制度粉砕闘争が切り開いている地平は実に大きい。第一に、推進キャンペーンを徹底的に批判して、反対運動が”世論”を圧倒的に獲得して発展してきたことである。
5月3日の読売新聞の世論調査では「裁判員裁判に参加したくない」が過去最高の79・2%、「裁判員制度の導入に反対」も62%、5月10日の日本テレビの調査では「参加したくない」が84・4%に達した。政府・法務省・最高裁・検察庁などが多額の血税をつぎ込み、日弁連やマスコミを手先に5年間の歳月をかけて総力でキャンペーンを展開してきたにもかかわらず、労働者人民の不満と怒りが日々拡大し続け、国家権力に巨大な「ノー」を突きつけたということである。
「国民は、裁判員制度が『市民の司法参加』ではなく、被告人を処罰するという国家作用への強制動員であることを見抜いています。そして、重大な刑事事件をわずか数日で審理し、有罪か無罪かを判断し、死刑をも含む刑罰を決定することの無謀さを危惧しています」(「大運動」の5・21声明)
そのとおりだ。労働者人民は裁判員制度の正体を見抜き、闘いの方針をますます求めている。
第二に、最悪の裁判員制度推進派に転落した日本共産党を徹底的に弾劾し、翼賛運動を粉砕してきたことである。
「大運動」が650人の参加で銀座デモを闘った5月20日、日本共産党系の日本国民救援会などが「なくせ冤罪!5・20大集会—明日からあなたも裁判官」という裁判員制度推進集会を九段会館で開いた。だが、この集会はわずか300人ほどの参加で、翌日の「赤旗」にも載せられないという破産した姿をあらわにした。
日共の主張は”問題点を改善すれば良い制度になる”というものだが、誰もそのようには考えていないことが今や明らかとなった。
日共の反革命性の核心は、裁判員制度が支配階級による労働者人民への攻撃であることを完全に塗り隠し、それに「司法改革」の展望があるかのように言いなし、支配階級に代わって人民を反動的に組織しようとしていることである。志位が米オバマを賛美したのとまったく同じ構造なのだ。完膚無きまでに粉砕しつくそう。
7月実施阻止へ前進しよう
第三に、反対運動が全国的に広がり、新たな地域で運動が生まれ、今後の闘争拠点が各地でつくられつつあることである。闘う弁護士と地域の労働組合や労働者、市民団体がつながり、ともに行動してきたことは決定的であった。この地平を生かし、全国で力強く発展させよう。
裁判員裁判の実施は、5月21日以降に起訴された「重罪事件」を対象にするため、実際には7月下旬からになると言われている。報道によれば、21日から5日間で対象事件が15件になったという。裁判員裁判は全国で年間約3000件、月間200件以上になる。もはやいたるところで矛盾が噴き出し、混乱が起き、怒りの拒否が巻き起こることは確実である。
5・21以降も労働者人民の反対の声はますます強まっている。21日には新宿で街頭宣伝が行われ、1時間半で1000枚のビラがまかれ、135人の署名が集まった。23、24日にも名古屋、茨城、群馬、千葉など各地で街宣が行われ、反応の強さが示された。闘いはこれからなのだ。
裁判員を選ぶために、一つの事件に対して50〜100人の候補者を各地方裁判所に強制的に呼び出し、面接を行うことになる。その呼び出し状の送付が6月中旬頃から始まる。動労千葉が呼びかける6・14全国労働者総決起集会(東京・代々木公園)は、いよいよ裁判員制度廃止へのゴングを鳴らす大闘争となった。
裁判員制度は改憲・戦争国家化の攻撃だ。連合本部や全労連本部の敵対をはねのけ、労働組合こそ裁判員制度粉砕闘争に決起しよう。
各地で反対運動の拠点をつくり、裁判員制度の廃止と裁判員拒否を呼びかけ、ねばり強い街頭宣伝・署名活動、公開学習会などを積み重ねよう。裁判員裁判の7月実施を許さない行動を全国でまき起こそう。
〔花石佳美〕