2009年5月25日

都・区の夏一時金闘争 「スト配置せず」とは何事か

週刊『前進』06頁(2392号3面7)(2009/05/25)

都・区の夏季一時金闘争
 ストで削減勧告粉砕を
 「スト配置せず」(都労連委員長)とは何事か

 特別区人事委員会が5月11日に、東京都人事委員会が5月15日に、それぞれ今年度の夏季一時金のうち0・2カ月分(約1割)の支給を凍結するという臨時勧告を出してきた。5月1日に人事院が同様の臨時勧告を出したことに追随したのだ。臨時勧告による賃金引き下げ勧告は、1948年に人事院制度が始まって以来の攻撃だ。
 人事院・各人事委とも「情勢適応」を削減勧告の理由に挙げ、世界的な大不況を受け、民間企業の夏季一時金が大きく減額される「見通し」であると言う。
 だが、金融投機の揚げ句に世界大恐慌を引き起こしたのは強欲資本家どもだ。彼らの延命のために、なぜ労働者が犠牲にならなければならないのだ。ふざけるな!
 この異例の賃下げ臨時勧告について、石原慎太郎・都知事は「基本的に妥当」と評価した。多田正見・特別区長会会長(江戸川区長)は勧告どおり特区連と東京清掃労組に提案した。
 だがそもそも都と特区連は昨秋、今年度夏季一時金支給額を2・1〜2・15カ月分とすると押しつけてきた(現業賃金は都が9%、区・清掃が8%の引き下げ)。その「妥結」額をも破棄して削減するなどということは到底認められない。労使関係、労働組合そのものを否定する大暴挙だ。
 今こそ労働組合の存在意義をかけてストライキで反撃すべきだ。ストで反撃ができるかどうか。ここに都労連をはじめとする東京の公務員労働運動の命運がかかっている。
 石原都政は1999年の登場以来、都人事委勧告をも上回る額の賃下げを強行し続けてきた(区もそれに追随)。賃金は平均で110万円以上も下がった。人事評価・査定給も導入された。にもかかわらず都労連、特区連は実際上一度もストライキで反撃していない。スト権確立と毎年の1時間スト方針は執行部が当局との交渉・協議関係を維持するための手段におとしめられてきた。
 今回も都労連は「労使協議による自主決着」を基本方針とし、武藤弘道委員長が5月18日の都労連総決起集会(写真)で開口一番「ストを配置しない」と明言した。「ルール無視の暴挙」と言いながらストで反撃しないとは何事か!?
 一方、自治労本部は「最低到達指標を人事院勧告の凍結率を超えない凍結率または引き下げ」(5月12日の自治労県本部代表者会議決定)とし、自ら進んで削減勧告を受け入れようとしている。特区連もこの方針だ。労働者が生きるためには体制内指導部を打倒するしかない。
 口先で「抗議」を唱える自治労連の唯一の実践方針は「大企業の健全な発展」を願う日本共産党への投票だ。民営化と「公務員制度抜本改革」「公務員人件費を3年で2割削減」を掲げる民主党への政権交代は公務員労働者にとって地獄だ。
 職場では当局と執行部への怒りが噴出している。闘う自治体労働者は夏季一時金削減反対・ストライキ要求署名運動を始めた。ストをかちとろう。5・9道州制反対全都労働者集会の大成功を突破口に6・14—15連続闘争に総決起しよう。