2009年5月25日

暴処法 団結禁止が狙い 戦前からの治安立法

週刊『前進』06頁(2392号3面3)(2009/05/25)

暴処法 団結禁止が狙い
 戦前からの治安立法

 暴力行為等の処罰に関する法律(暴処法)は1926年に制定された。その前年には、悪名高い治安維持法が制定されている。暴処法は、治安維持法と一体となって、労働争議、小作争議の弾圧に徹底的に利用された。
 暴処法第1条は、「多衆の威力を示して」あるいは「数人共同して」なされた暴行・脅迫・器物損壊などを、とりわけ重く罰すると定めている。例えば暴行の場合、刑法の規定では重くても「懲役2年」だが、暴処法が適用されれば最大で「懲役3年」となる。暴処法が処罰の対象としているのは、まさに団結を背景とした実力行動だ。労働運動でいえば、ストライキを始めとした闘いだ。
 暴処法は、労働者や学生の正義の闘いを「多数の威力」「数人共同」という言葉でひとくくりにして犯罪とする。それが、きわめて安易な「共謀」のデッチあげと結びつけば、弾圧の対象はどこまでも拡大できる。
 暴処法の前身は、明治時代につくられた治安警察法第17条だ。それは、同盟罷業(ストライキ)の扇動を禁止すると、露骨に定めていた。暴処法は、これを引き継ぐ悪法だ。だから暴処法は本来、戦後憲法のもとで廃止されるべきだった。しかし、爆発物取締罰則などとともに生き残り、戦後も労働運動などへの弾圧にしばしば使われてきた。国労5・27臨大闘争弾圧にもこの法律が用いられている。
 暴処法という憲法違反のデタラメな法律を持ち出してきたことに、権力の破産は現れている。団結を固めて闘えば、弾圧は絶対に粉砕できる。