民族・国籍・国境を越えて 第20回全国研究交流集会620人
民族・国籍・国境を越えて階級的団結
第20回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
在日・滞日外国人と共に620人
入管法改悪阻止6・3デモへ
5月10日、横浜市教育会館ホールで第20回「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会」が開かれ、多くの在日・滞日外国人を含む620人が参加した。最寄りのJR桜木町駅で街宣中の神奈川労組交流センターからビラを受け取り、会場に直行した人も。演壇に掲げられた「打ち破ろう分断!/全世界の労働者は団結しよう」は世界共通のスローガンだ。全国実が呼びかける入管法改悪阻止・「在留カード」導入粉砕の6・3デモに立とう!(本紙/室田順子)
「世界は革命情勢だ」
開会に先立ってビデオ「世界は革命情勢」が上映された。警察部隊と激突したソウルの5・1メーデーも映し出され、会場は拍手に包まれた。
司会の2人が開会を宣言した。「腐り切った資本主義、帝国主義を打倒し、民族・国境を越えて労働者の団結で革命をやる時が来ました!」と全学連の内田晶理君。三浦半島教組の教育労働者も「学生の闘いは本当にすばらしい。私たち労働者も負けてはいられない」と決意を語る。
西村綾子さん(婦人民主クラブ全国協代表、相模原市議)が開会あいさつに立ち、「実践をもって分断を打ち破り、実践をもって団結を固めよう」と呼びかけた。
5・21裁判員制度阻止へ連日奮闘中の武内更一弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長)が「裁判員制度は人民の力で止めることができます」ときっぱり。沖縄民権の会の座覇光子さんは「民権をもって国権を撃つ。沖縄から軍事基地をなくすために道州制反対を叫びたい」と思いを語った。さらに獄中の星野文昭さんの「入管闘争が階級的労働運動の推進によるプロレタリア世界革命−11月集会・国際連帯の闘いを牽引するものになることを確信しています」というメッセージを、4月に星野さんに面会した鎌田雅志元全学連委員長が代読した。
圧巻は基調報告だった。冒頭、「世界は革命情勢です! この集会の名において『打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう』と全世界に呼びかけましょう」と宣言し、戦争・改憲と民営化・労組破壊に対し絶対反対で闘う私たちの団結と闘いを恐れているのは支配階級の側だと指摘。「全国・全世界の労働者に『希望はここにある』『私たちとともにあることが希望であり、未来なのだ』と自信をもって大きな声で語りかけ、組織し、行動しよう!」と呼びかけ、「6月3日、入管法改悪−『在留カード』導入阻止へ、街頭行動に打って出よう」と方針を提起した。
結びに、「母から教えられたこと」を紹介。「赤ちゃんはなぜ両手を握りしめているのか。左手には生きるための糧、コメを、右手には人として生きていくための魂を握りしめている。魂を捨てたやつらは手を開いて金をかき集めようとする。私たち労働者は誇りをもって働いている。突然首と言われたら、なぜだと怒る。その怒りが労働者の魂です。魂をぎゅーっと握りしめて団結ガンバロー!」
韓国から参加の民主労総ソウル本部のチェジョンジン本部長も「世界経済危機に立ち向かい、労働者国際連帯で資本主義をのりこえ、代案社会を建設しよう」と力強く呼びかけた。(別掲)
続いて動労千葉の田中康宏委員長が、「20回目にして、この現実に対するわれわれの回答は、社会主義の実現だと確信をもって言えるところまで来た」と語り、6・14−15連続闘争への総結集を訴えた。(別掲)
集会のもう一つの山場は滞日労働者の登場だった。まず、牛久入管収容所問題を考える会とともにビルマ人、クルド人など難民認定を求めて闘っている滞日外国人労働者が演壇を埋めた。
滞日外国人が大結集
牛久の会の田中喜美子さんは、昨年過去最大の1599人もが難民申請をしたこと、にもかかわらず難民認定は異議申し立てが認められた人を含めてもわずか57人であることを弾劾し、資本主義の新自由主義政策が大量の難民を生み出していることを指摘した。さらに今次入管法改悪が非正規滞在者や難民申請者たちの排除を目的にしていることを暴露した。
東京なんぶユニオンの金子浩委員長が労働争議中の外国人組合員とともに登壇、17年も働いてきたのに給料は「社長のポケットマネー」から出されており、雇用契約すら存在しなかったことなどを声を大にして報告した。当該も「最後まで闘う」と宣言した。
静岡・浜松からは、解雇された日系ブラジル人の現状を静岡労組交流センターの労働者が報告。厚生労働省は「帰国支援事業」と称して一人当たり30万円を支給するが、その条件として「日系人としての再入国を認めない」という。さらに緊急措置として公営住宅に入居することができた日系人も「1年後には出ていけ」と言われていると、怒りを込めて弾劾した。
住宅追い出しの強制執行と団結を打ち固めて闘いぬく解同全国連西郡支部と八尾北医療センター労組が報告に立ち、自信にあふれて「日系ブラジル人も西郡のように闘おう」と呼びかけた。
6・14—15連続闘争へ
決意表明では戦争・改憲と民営化・労組破壊と闘う労働者が次々に発言した。さらに青年労働者が5・15沖縄闘争をアピールし、最後に全学連の織田陽介委員長が「4・24ついに監獄大学の中から1500人の学生が立ち上がって抗議の意思を示した!」と感動を語り、「自民党が必死につぶそうとしてきた国鉄決戦。今度はこの闘いで自民党をぶっつぶそう。4大決戦で革命をやろう。6・14−15に大結集しよう」と結んだ。
閉会のあいさつと団結ガンバローを入江史郎さん(スタンダード・ヴァキューム石油自主労組委員長)が行い、肩を組んでインターナショナルを斉唱した。
集会は質量ともに大成功だった。ここから次は東京で6・3入管法改悪阻止のデモを闘おう!
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共に代案社会の建設へ 民主労総ソウル本部 チェジョンジン本部長
米国発の経済危機が世界を強打し、この30年間、猛威をふるってきた新自由主義体制が破局に陥っています。
しかし、韓国のイミョンバク政権は、廃棄すべき新自由主義を強化する政策により、財閥には減税や規制緩和などあらゆる優遇措置を与え、労働者民衆に危機の責任を転嫁しています。
メーデーとロウソク1周年記念集会において200名を超す労働者・市民が警察に暴力的に連行されました。デモ隊は独裁打倒・イミョンバク退陣を要求しています。私たち民主労総は、5月労働者総闘争を組織し、6月総決起でイミョンバクと闘うでしょう。
日本の労働者・学生も程度の差こそあれ、経済危機の余波に苦しみながらも、活発な闘いを展開していると聞いています。
新自由主義を打破し、代案社会を建設していく課題、これこそ今日の、世界の労働者の共通の課題だと考えます。
同志たち、ともに代案社会の建設に向けて闘いましょう。闘う世界の労働者との強固な連帯を組織しましょう。
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社会主義を実現する時 動労千葉 田中康宏委員長
入管集会20回目にして今この時代に、この現実に対するわれわれの回答は、社会主義の実現なんだと確信をもって言えるところまで来た。
分断を打破して在日・滞日外国人とどうやって団結を回復するのか。自分たち自身が自らの職場で資本と絶対に屈せず闘いぬくこと。この単純な真理に20年かかってたどり着いた。労働者階級の解放は労働者自身の事業なんだ。団結した力は世の中を変えることができる。
1929年の大恐慌も戦争に行き着いた。あの時代が暗黒だったのではありません。当時のアメリカ共産党はニューディールを全面的に支持して戦争に協力した。僕らは歴史の選択に失敗することはできない。労働者の怒りを抑え込み、分断している体制内的な労組指導部と闘って、私たちの力で日本の労働運動の現状を変えていく。
国鉄分割・民営化に決着をつけたい。その攻防の焦点は道州制です。これは敵の弱点です。この闘いで日本社会の根本的な変革を実現しよう。
動労千葉は6・14−15闘争を呼びかけます。今年は11月労働者集会に1万人集めたい。僕ら自身が殻を破って、一人ひとりが確信に燃えて職場を組織しよう。