〈焦点〉 憲法審査会始動に反撃を
〈焦点〉 憲法審査会始動に反撃を
与党が「審査会規程」提案
自民・公明両党は、4月23日の衆院議院運営委員会で憲法審査会の「審査会規程」案を提出し、趣旨説明を行った。この間、停滞を余儀なくされていた日帝の改憲攻撃が、いよいよ動き出した。
憲法審査会は、07年5月に極右・改憲の安倍政権が強行した国民投票法の成立により、衆参両院に形式的には設置されたが、その後、参院選での自民党の大敗や安倍政権の崩壊で、機能停止状態を続けてきた。委員数や具体的な議事手続きなどを定める審査会規程も作られないまま今日まで来た。
この根底には、労働者階級が依然として階級的力を保持し、改憲攻撃の前に立ちはだかっている現実がある。特に、動労千葉の国鉄分割・民営化阻止の2波のストと90年3月スト、この闘いが切り開いた1047名闘争の不屈の継続、100万人を超える国鉄闘争支援陣形の存在、そして4大産別が解体されずに組合的団結を保ち続けているという階級的力関係が改憲攻撃を破綻させてきた。
しかし今や、世界大恐慌が本格的段階に突入し、帝国主義各国は一斉に保護主義に走り、世界経済の分裂化・ブロック化と争闘戦の激化から侵略戦争・世界戦争の爆発が不可避な情勢に入った。
だからここに来て日帝・麻生政権は凶暴化し、戦争と改憲へのなりふり構わぬ策動を開始した。それがソマリア沖派兵の強行、事実上の派兵恒久法としての「海賊対処法」制定策動、今回の憲法審査会の始動、さらには裁判員制度や道州制・民営化の大攻撃だ。
審査会の規程案は、①委員数50人、②国会開会中・閉会中を問わず活動できる、③表決は出席委員の過半数、などとなっている。またこの規程案が提出されたのと同じ4月23日には、衆院本会議で「海賊対処法案」が自公の賛成で可決され参院に送られた。同時に進行しているこの二つの攻撃が日帝・麻生政権の危機と凶暴性を如実に示している。
この「海賊対処法」こそは、事実上の海外派兵恒久法なのだ。この法案が成立すると、武器使用は「正当防衛」以外でも可能となり、「海賊対処」を口実に活動海域の制限もなく世界中どこにでも自衛隊が出兵し、米軍など他国軍隊との集団的自衛権の行使、むき出しの侵略的戦闘行動が可能となる。従来の戦後憲法的な枠組みは大きく踏み破られるのだ。
戦争と改憲をめぐる最大の攻防点は、労組破壊攻撃との闘いにある。なぜなら帝国主義は、労働組合を絶滅せずに戦争を遂行することはできないからだ。帝国主義の戦争と改憲の攻撃に対して、改憲阻止闘争、反戦闘争を真っ向から闘うと同時に、国鉄を先頭とする4大産別を軸に民営化・労組破壊と徹底的に闘い、労働組合をプロレタリア革命の最大の武器として打ち固めることが決定的だ。
「戦争・改憲と民営化・労組破壊」の攻撃を一体的にとらえ、それと徹底対決し、第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦を主戦場に、今こそ〈攻めの改憲阻止決戦>に総決起する時である。
国民投票法の規定では、来年5月以降は改憲案の審査・提出が可能になる。6・14−15連続闘争を大爆発させ、改憲阻止決戦の歴史的な火柱を上げよう!