“西郡住宅裁判 裁かれるのは八尾市” 意見陳述
“西郡住宅裁判 裁かれるのは八尾市”
禁圧をうち破り意見陳述
5月8日、西郡住宅明け渡し裁判は、2・26闘争の地平で岡邨洋さんの意見陳述をもぎ取り、冒頭から勝利感にあふれる階級裁判を実現した。
「森本さんの怒りは、世界大恐慌で職を奪われ住居までも奪われている全国の労働者の怒りだ。私たち供託者だけでなく、八尾北医療センター労組はストライキで立ち上がり、患者さんも『命と健康を守る会』として一緒に立ち上がった。全国から労働者が集まり、住宅追い出し強制執行を実力阻止で闘い抜いた。10年以上の応能応益絶対反対の住宅闘争が森本さんの決起を生み、ひとつの労働者として団結し、差別分断をぶち破った」。岡邨さんの力のこもった声が、法廷を圧倒し、八尾市を徹底的に弾劾し追いつめた。
前回公判は、森本さんに対する強制執行直後だった。しかもそれは大阪地裁執行官によって強行されたものだ。一体誰が怒りを抑えられるだろうか。だが山下郁夫裁判長は「森本さんへの強制執行と本件裁判は関連性がない」と被告団の意見陳述要求を禁圧した。被告と傍聴団は一体になって弁護団とともに実力で意見陳述をやりぬいた。
森本さんへの追い出しは、新自由主義=道州制による公営住宅民営化攻撃の現れそのものだ。応能応益は収入超過者には最高家賃のさらに2倍の家賃をふっかける。子どもが引き続き住むことを認めない。期限付き入居。要は住民追い出しだ。労働者の居住権、生存権を踏みつぶす、被告3人と全国6000万労働者への攻撃だ。
岡邨さんの意見陳述は、応能応益家賃制度がすでに破産しており、もはや廃止以外にないことを暴き出した。とりわけ、2・26闘争が引きずり出した3月八尾市議会での吉村議員「見返り」発言を徹底的に弾劾した。応能応益制度が議会で審議された97年6月当時、吉村は解放同盟本部派の支部長だった。その吉村が、「応能応益については、地元議員として受けたが、それの見返りをくれと言ってきた」と決定的な言辞を吐いたのだ。2・26闘争が、「住民の同意」などまったくなしに応能応益が導入されたこと、八尾市と地区協結託のムラ支配が崩壊を開始したことを白日のもとにさらした。「八尾市こそ裁かれるべきだ」と岡邨さんは怒りを込めて弾劾した。
法廷では被告側の第6準備書面が提出され、八尾市の「家賃問題は最高裁判決ですでに確定した」論を粉砕しきった。
この日は全国連杉並支部、品川支部、強制執行と闘った森本さんの連れ合いも参加した。総括集会で関西労組交流センター事務局長・ス労自主の上村敏行さんが、西郡支部と八尾北労組とともに関西労組交流センターが5・23狭山集会の主催団体に加わると報告した。狭山と住宅闘争は部落解放闘争の両輪だ。労働者の階級的団結で石川一雄さん不当逮捕46カ年弾劾!狭山勝利を闘おう。
(投稿/八尾北医療センター労組員・青木麻季)