2009年5月11日

5・23狭山闘争アピール 西郡の地平貫き狭山第3次再審へ

週刊『前進』06頁(2390号6面2)(2009/05/11)

5・23狭山闘争アピール
 西郡住宅闘争の地平を貫き狭山第3次再審闘争勝利へ

 世界大恐慌への突入の中で保護主義が台頭し、帝国主義の内側から戦争への衝動が噴き出している。排外主義と差別主義をあおり、賃金奴隷制を維持し戦争に動員する攻撃を、労働者の団結で拒否し、資本主義を打倒しよう。無実の部落民・石川一雄さんを「殺人罪」でデッチあげた国家権力の部落差別犯罪を徹底糾弾する狭山闘争は、その先端の闘いだ。「石川さん不当逮捕46カ年糾弾・第3次再審闘争勝利」を掲げ東京、大阪、広島での5・23集会を成功させよう。
 狭山差別裁判糾弾闘争は、1963年5月1日の事件発生−23日の石川さんへのデッチあげ逮捕から46年にもわたって闘い抜かれてきた。国家権力の部落差別犯罪を暴き糾弾し、石川さんの無実を明らかにし、完全無罪判決をかちとる闘いだ。部落民であるがゆえに「殺人犯」にデッチあげられたことへの石川さんの怒りと、国家権力に対する不屈・非妥協の闘いは、300万部落民と労働者階級の共感と感動をもたらし、階級的連帯意識を呼び覚まし、陸続とした決起を生み出した。
 無罪判決と権力打倒を求めてやまない石川さんの意志と闘いは、第一審の「死刑判決」、第二審の「無期判決」、31年7カ月もの投獄、「仮釈放」後の監視下での屈服攻撃をもってしてもくじかれることはなかった。
 石川さんの「司法権力による部落差別弾劾、権力打倒」の叫びこそ狭山闘争の原点であり勝利の方針だ。それは、世界大恐慌から世界戦争へと向かう帝国主義を打倒する闘いにとって決定的な意義と位置をもっている。
 この狭山闘争の原点を破壊し司法へのお願い運動にねじ曲げ敗北に導こうとする動きが従来にもまして激化している。北朝鮮ロケット発射での迎撃態勢突入と排外主義扇動や、前空爆長・田母神論文「侵略ではなかった」などの侵略戦争への動きに屈し、狭山闘争を内側から解体する策動を粉砕しよう。

 裁判員推進する解同本部派

 ひとつは、部落解放同盟(既成解同=解同本部派)による裁判員制度推進だ。解同は、「市民参加を取り入れた裁判制度をめざすという趣旨には賛成」「不備を放置したままで実施するな」(完成させろ)と言っている(09年度運動方針)。あからさまな裁判員制度推進だ。3日から5日で死刑・無期の重大事件の判断を素人の裁判員にさせる。冤罪が激発することは火を見るよりも明らかだ。石川さんの46年におよぶ無実の叫びと苦闘を踏みにじる暴挙だ。
 そもそも裁判員制度は、治安=国家体制を守るために裁判員になる義務を労働者人民に課すものだ。徴兵制だ。資本家の国家に忠誠を誓い戦争動員に応じて、国家権力徹底糾弾の狭山闘争を闘うことはできない。裁判員制度に賛成する者に狭山闘争を勝利させることはできない。

 与田派も権力と資本に屈服

 もうひとつは、解同全国連を私物化し引き回している旧与田派残党の国家権力への屈服だ。
 指導部が弾圧を受けた際、完全黙秘の原則を破って取り調べに応じ、起訴を逃れ罰金刑で済ませるために司法取引にも応じた。国家権力に屈服しておいて、非転向で闘う石川さんの無罪判決をかちとる狭山闘争を、どう闘うというのか。国家権力を糾弾できるのか。
 国家権力・法大当局とと激突し、非妥協で闘っている学生戦線での組織内討議で、こうした全国連指導部のあり方に疑問と批判が出るのはあまりにも当然だ。これを完全に開き直り押し隠すために「広島差別事件」をデッチあげたのだ。しかし、「差別者」呼ばわりされた学生は、94人もの逮捕者を出しながら全員完全黙秘を貫いて国家権力と堂々と闘い、今この瞬間も勝利している。ここに狭山闘争勝利の展望もあるのだ。
 狭山差別裁判の強行は国家権力・資本家の階級意思によるものだ。だから狭山闘争は国家権力との闘いであると同時に、資本の部落差別による労働者階級分断・団結破壊との闘いでもある。
 国家権力・資本に屈服した旧与田派は、世界大恐慌−世界戦争をプロレタリア世界革命に転化する闘いが全世界で爆発し、労働者が資本主義を打倒し賃金奴隷の鉄鎖から解放されていくことに恐怖して、全国連第18回大会で「スト撲滅」を方針化した。政労使合意でスト圧殺を宣言した連合と手を組む既成解同とどこが違うのか。旧与田派のスト撲滅=資本救済、狭山闘争破壊策動を粉砕しよう。

 3支部と共に5・23成功を

 国家権力・資本に屈服した既成解同と旧与田派による狭山闘争解体のあがきを打ち破って、狭山闘争の原点をよみがえらせる新たな発展を切り開く闘いが前進している。国家権力を発動した住宅明け渡し強制執行に対し、労組のストを軸に実力闘争を貫いた2・26西郡闘争がそれだ。
 全国連西郡支部とストに立ち上がった八尾北労組をはじめとする労働者・学生の団結による2・26闘争は、戦争・改憲と民営化・労組破壊の道州制攻撃に対する最初の実力反撃として打ち抜かれた。資本の部落差別による階級分断を双方から打ち破って、同じ労働者階級として団結し闘いぬき、団結を拡大した。
ここに狭山闘争、部落解放闘争の勝利と展望がある。2・26闘争を闘った勢力だけが、狭山闘争の勝利と発展を切り開くことができる。
 全国連西郡・杉並・品川支部と団結し、東京、大阪、広島での5・23集会を成功させ、6・14麻生政権打倒・全国労働者集会、6・14—15連続闘争に総決起しよう。
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 5・23狭山集会 要綱
<東京>
不当逮捕46ケ年糾弾!石川さんは無実だ! 狭山第3次再審闘争勝利! 道州制=民営化・団結破壊絶対反対! 労働者階級の団結の力で狭山闘争・西郡住宅闘争の勝利をかちとろう! 5・23狭山集会
5月23日(土)午後6時開場、6時半開会 
南部労政会館(JR大崎駅前ゲートシティー大崎ウエストタワー)
主催 部落解放東日本共闘会議

<大阪>
2・26は狭山勝利の道をきりひらいた
不当逮捕46カ年糾弾! 道州制粉砕! 労働者の団結の力で狭山闘争・住宅闘争の勝利へ! 5・23狭山集会
5月23日(土)午後6時開場、7時集会開始
桂人権コミュニティセンター
主催 全国連西郡支部・八尾北医療センター労組・関西労組交流センター

<広島>
石川さん不当逮捕46カ年糾弾! 西郡住宅闘争と狭山闘争を両軸に部落解放闘争の新たな発展をかちとろう 5・23部落解放広島共闘集会
5月23日(土)午後2時
広島市西区地域福祉センター4階会議室(広島市福島町)
主催 部落解放広島共闘会議