2009年4月27日

6・1大結集で麻生打倒へ 戦争・改憲と民営化・労組破壊粉砕 国鉄軸に4大産別決戦の前進で日本革命勝利の扉を押し開こう 坂本千秋

週刊『前進』10頁(2389号7面1)(2009/04/27)

6・1大結集で麻生打倒へ
 戦争・改憲と民営化・労組破壊粉砕
 国鉄軸に4大産別決戦の前進で日本革命勝利の扉を押し開こう
 坂本千秋

 大恐慌をプロレタリア世界革命へと転化すべき時代がついに来た。革共同は本年1・1アピールをもって、革命を実際にやりぬくために、闘う労働組合とマルクス主義をよみがえらせる闘いに全力で突入することを宣言した。そして、昨年11・2労働者集会が切り開いた地平の上に立ってこの1〜4月、青年労働者を先頭に、職場と街頭でその闘いを全力で実践してきた。それは、日帝権力・資本との真っ向からの激突であると同時に、世界大恐慌下で資本の最後の防波堤、革命の絞殺者として登場した体制内労働運動との非和解的激突として進行した。ここで一歩も引かずに闘いぬいたことが、党と階級を革命に向かって圧倒的に打ち鍛えるものとなっている。だがこの間の激闘は、これから迎える未曽有の歴史的大激動のほんの始まりにすぎない。今始まった革命と反革命の壮大な激突に断固として勝ちぬき、プロレタリア革命の勝利へと上りつめていくために必要なことは何か。それは、革共同の時代認識と路線を一個の革命戦略として明確化し、そのもとに党と階級の不抜の団結をかちとることだ。日帝の〈戦争・改憲と民営化・労組破壊〉の攻撃との全面対決を第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦として貫くことこそ、日本革命—世界革命の勝利をたぐり寄せる決定的な戦略方針である。世界大恐慌を革命に転化するかぎはここにある。この革命戦略のもと、党の飛躍をかけた一大蜂起戦に打って出よう! 米帝・オバマ政権と日帝・麻生政権打倒の6・14渋谷大デモー中央政治闘争をその跳躍台として、全国から総力で大結集をかちとろう!

 第1章 Ⅰ 世界大恐慌下で凶暴化するオバマと麻生を打ち倒せ!

 第1章 (1) 〈階級戦争と侵略戦争〉の攻撃を強める米帝オバマ

 世界大恐慌はますます激化している。一昨年夏のサブプライムローンの破綻を引き金に始まった世界金融大恐慌は、リーマン・ショック後の昨秋から一気に加速し、実体経済の大崩落へと突き進み、今や1929年をその質においても規模においてもはるかに超えるとてつもない世界大恐慌となって、爆発の一途をたどっている。
 世界の株式時価総額は07年10月のピークから55%も減少、この1年半で約3400兆円が吹き飛んだ。昨年の米国への資金流入は前年の30%以下、米の対外投資は5%以下に急減した。国際的な資金の流れが一気に縮小しただけではない。同時に生産が全世界的規模で急降下した。ほとんどの企業が軒並み赤字に転落し、その赤字が月を追うごとに膨れ上がっている。さらに、世界の貿易がすさまじい勢いで縮小し始めた。09年は、第2次大戦後初めて世界経済が縮小再生産に陥り、経済成長率が全世界的にマイナスに転じるとされている。
 全世界のブルジョアジーは、この事態に震え上がっている。彼らが恐慌からの脱出を求めてあがけばあがくほど、事態はますます深刻化していく。いま現在も、新たな不良資産が続々と明るみに出て、金融システムの崩壊状態が一層深刻化し、アメリカ自動車産業のビッグスリーを始め世界有数の大企業が倒産の危機に直面している。出口などまったく見えないばかりか、ドルの大暴落と世界経済の全面崩壊の危機がますます切迫してきている。
 資本家階級は今や唯一の頼みの綱として、巨額の財政出動にすがりついている。アメリカでも欧州諸国でも、日本でもどこでも同じだ。すでに事実上破綻している金融機関や大企業に次から次へと膨大な公的資金=税金を湯水のように注入し、その救済を図っている。銀行の不良資産や暴落寸前の企業の株を国家に買い取らせて金融資本や大独占資本の損失を肩代わりさせる。その財源として大量の国債を増発し、それを各国の中央銀行に実質的に引き受けさせるという実にデタラメなことがやられている。
 貧困に苦しむ労働者人民には「自己責任」などと言ってわずかな社会保障も奪い取ってきたブルジョアジーが、自分が危機に陥った途端に税金による救済を当然のように要求する。ふざけるなということだ。そもそもこの大恐慌は、これまで「市場の自由」に一切を任せよと叫び、経済のバブル化のもとでひたすら暴利をむさぼってきた資本家階級が自ら引き起こしたものだ。ところがそれを自然災害ででもあるかのように振る舞い、何の責任もとらず、国家財政を破産にたたき込んでも彼らの延命を助けるために金を回せと要求している。その金とは労働者や農民から搾り取った血税だ! さらに天文学的に拡大する財政赤字のツケはすべて、大増税などの新たな収奪となって労働者階級に襲いかかるのだ。
 しかも他方では、労働者の大量解雇と大幅賃下げを続々と強行し、労働者階級を犠牲に資本の延命を図ろうとしている。首切り・リストラ、賃下げ、非正規職化、労働条件の劣悪化の嵐が全世界を覆っている。ILO(国際労働機関)の報告によれば、世界の失業者は昨年末に過去最高の1億9000万人に達し、09年中にさらに4000万人増えるという。実際にはこの数字にとどまるわけがない。
 だが世界のブルジョアジーがどんなにあがいても、現在の大恐慌からの経済の回復などありえない。資本主義の命脈はもうとっくに尽きているのだ。今日の世界大恐慌は、29年大恐慌から第2次大戦を経て今日まで延命してきた資本主義・帝国主義の全矛盾の爆発であり、その最後の末期的な延命形態であった新自由主義の全面破産の結果である。巨額の財政投入はせいぜい一時的なカンフル注射でしかなく、むしろ恐慌をますます長期化し泥沼化させる。追加投入に次ぐ追加投入は不可避だ。国家財政の破綻と金融大恐慌の一層の激化、大不況化、ドル暴落と国際通貨体制の崩壊、インフレの爆発、総じてこれまでをはるかに上回る一大破局への突入は避けられない。
 この中で、収縮する世界市場をめぐって、巨大独占体間、帝国主義国家・大国間での激しい争闘戦、市場再分割戦が一挙に激化している。保護主義が急速に台頭し、資源・市場・勢力圏の猛烈な奪い合いと囲い込みが始まっている。WTO(世界貿易機関)は露骨な保護貿易措置の導入が全世界で急拡大していると報告。件数は1月末の調査から2カ月間で4倍の85件にはね上がった。4月のG20金融サミットは、各国の利害がむきだしにぶつかり合う場となった。
 その引き金を引いたのは、米帝のオバマ新政権の登場だ。オバマは就任後直ちに米資本救済のために巨額の公的資金の追加投入を決定すると同時に、自国製品の購入を義務づけるバイアメリカン政策に公然と踏み込んだ。さらにぐらぐらになった米帝の世界支配の立て直しを狙ってアフガニスタンへの大量増派を強行し、イラク、アフガニスタンやパレスチナでの侵略戦争の継続と強化・拡大に必死になっている。
 米帝は、今やドル防衛のためにも、世界を軍事的に制圧してきたその力を緩めることはできない。米帝の強大な軍事力こそ崩壊しかけたドルの基軸通貨体制を支える最大の、そして最後の力だ。オバマはブッシュの行ったイラク侵略戦争の破産の上に七転八倒しながら、ブッシュよりもっと凶暴で一層絶望的な侵略戦争の拡大に、あらゆる形で突っ込んでいこうとしてきている。
 オバマによる「核廃絶」演説やステルス戦闘機F22の生産中止も、大軍拡路線からの転換などでは断じてない。逆に争闘戦を強め、実際の戦争に勝ちぬくことのできる、より効率的で実戦的な体制をつくり上げるためである。
 この米帝に対抗して、他帝国主義やロシア、中国などの大国も一斉に、中東を始め世界への新たな侵略と侵略戦争に本格的に走り出そうとしている。「海賊対策」を名目としたソマリア沖への強大国の相次ぐ派兵もその一環だ。世界大恐慌下の資源・市場の再分割戦と結合したこの侵略戦争の激化こそ、世界経済のブロック化と新たな帝国主義戦争への扉を開くものである。労働者階級の世界史的な決起による帝国主義ブルジョアジーの打倒なしには、究極的には新たな世界戦争、第3次世界大戦にまで突き進んでいくものだ。
 こんな資本主義・帝国主義は、もはや一刻も早く打ち倒す以外ない! 大恐慌をプロレタリア世界革命に転化することだけが、われわれが生きているこの世界を破滅のふちから救い出す唯一の道だ。一切は、労働者階級の階級的=国際的に団結した決起とその力の発展にかかっている。

 第2節 (2) 大恐慌の直撃受け総破産する「最弱の環」=日帝

 日本帝国主義は、世界大恐慌下で、国際帝国主義の「最弱の環」として最も絶望的な体制的危機にのたうち回っている。日帝の打倒こそ、21世紀のプロレタリア世界革命の突破口を開く決定的な位置をもっている。
 第一に、大恐慌は日帝を文字どおり直撃している。昨年9月以来の日本経済の急転直下の落ち込みは、米欧よりも一段と激しい。何よりも最大の柱であった輸出が昨年9月以降急減した。本年1月には前年同月比45・7%減、2月には49・4%減とすさまじい勢いで下落している。とりわけ自動車輸出の下落率は70%を超えた。米欧への輸出が半減しただけでなく、アジア諸国との間の工業製品の輸出入も急減している。米欧市場への輸出とアジアの低賃金労働力の搾取を収益拡大の基盤に据えてきた日帝資本の生産体制そのものが、根底から動揺し始めた。
 戦後の日帝を支え続けた「輸出立国」のその柱が、土台から崩れ落ちる事態を迎えたのだ。しかも日帝の財政赤字はGDP(国内総生産)の1・7倍という世界最悪の水準に達している。すでに国家破産に近い状態にあり、内需拡大のための財政出動の余地などそもそもない。完全な袋小路に追いつめられている。
 第二に、このことと一体で、戦後一貫して日帝の帝国主義的国家戦略の基本であり続けた日米安保同盟政策が、根幹から揺らぐ時代に突入した。
 世界大恐慌の爆発とは、世界の巨大金融資本・独占資本が、収縮する世界市場の独占的支配権をめぐって真っ向からのつぶし合いに入ることだ。労働者人民を搾取して肥え太ってきた世界の強盗どもが、それぞれの生き残りをかけて究極の弱肉強食の争いに突入することだ。それは結局は、世界の一握りの強国同士の国家対国家のむきだしの対立と激突に集約される。その最終的な爆発が帝国主義戦争である。
 日米同盟はその最初から、戦後の米帝と日帝がそれぞれの帝国主義的利害を貫くために結んだ帝国主義強盗同盟である。米帝は日米同盟を米軍のアジア・中東への展開を支える不可欠の柱とし、日帝はその米帝による世界支配に依拠することで自らの「経済大国」的突出を可能にしてきた。70年代以降、日米の経済対立が加速度的に深まる中でも、EUという形をとった独仏帝国主義の対米対抗的な動きを前に、逆に日米枢軸を形成して表面的には日米の政治的軍事的一体化をむしろ強めてきた。
 その基本構造は現在も依然として継続しており、また日本経済はドルと命運をともにする関係に深々と縛りつけられている。だがしかし、今日の世界大恐慌の爆発は、日米の同盟の基底にあって実際にはますます先鋭化している両者の絶対的な利害の対立を、一挙に沸騰点に押し上げずにはおかない。それは経済対立だけでなく、政治・軍事面での対立をも含むものとして不可避に発展する。すでにその緊張はぎりぎりまで高まっている。
 第三に、最も決定的なのは、日帝の政治支配が今やとどまるところを知らない総崩壊過程に突入したことだ。
 安倍、福田、そして麻生と続く自民党政権の末期症状は、日帝の政治委員会がすでに統治能力を喪失していることを示している。戦後憲法体制のもとでの階級支配、議会制度をつうじたブルジョア独裁が全面破産し、もはやまったく機能しなくなったということだ。その根底には、日帝による労働者支配の歴史的大崩壊がある。
 日帝は、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃をとおして戦後労働運動の中心であった総評を解散させ、連合を発足させた。そして資本と結託した連合の帝国主義労働運動による職場支配のもとで、労働者の怒りの決起を抑え込み、終身雇用・年功賃金の解体と非正規職化に始まる新自由主義攻撃を満展開してきた。だがこの連合支配は、労働者階級の階級的背骨を完全にたたき折った上に成立したわけではない。実際には旧総評系組合幹部や既成の野党勢力を丸ごと帝国主義のもとに総屈服させて取り込み、一種の総翼賛体制をつくり出すことに支えられて成り立ってきたものだ。本質的にはきわめて脆弱(ぜいじゃく)な体制だ。
 大恐慌への突入と階級対立の決定的な非和解化・先鋭化は、この連合支配を一挙にぐらぐらの状態にたたき込んでいる。数百万、1千万という失業者が路上にあふれ、労働者階級の中から「生きさせろ!」の叫びがせきを切って噴出するのはもはや時間の問題だ。しかも、動労千葉を先頭とする階級的労働運動の隊列がその結集軸としてすでに確固として登場していることが、何よりも決定的である。6000万労働者階級、とりわけ2000万青年労働者の底の底からの決起が本格的に始まった時、日帝にとって、これを抑え込む手段はどこにもない。

 第3節 (3) 政治支配の崩壊で反革命クーデター=改憲狙う麻生

 こうした中で今や日帝ブルジョアジーは、絶望的な危機感に駆られたすさまじいまでの反革命的突出を開始した。戦争と改憲への衝動が、労働者階級の闘いに対する恐怖と憎悪、その根絶への欲求と一体となって、資本家階級とその手先である政治家どもを激しく突き動かしている。
 4月5日の北朝鮮の「人工衛星ロケット」発射に対して麻生政権が自衛隊に「迎撃」態勢突入を命じたことは、この点で、絶対に許すことのできない重大事態である。これは北朝鮮への事実上の侵略戦争発動だ。自治体やマスコミをも総動員し、日本が攻撃されるかのような排外主義的デマ宣伝で恐怖と不安をあおり、日本全土を意識的・計画的に臨戦態勢に入れたのだ。まさに「開戦」の予行演習そのものだ。
 さらに、日帝の極右反動勢力の中から「敵基地攻撃」論が一斉に飛び出している。「日本の安全」を守るためには北朝鮮の基地を先制攻撃せよ、というのだ。「国連で日本の主張が通らなければ国連からの脱退を」「日本も核武装を」などという主張が自民党議員の中で公然と横行している。日帝の侵略戦争史を正当化した田母神前空幕長の突出した行動に続く、戦後憲法体制転覆の反革命クーデターへの突進だ。
 ソマリア沖派兵や「海賊対処」派兵新法案もこれと一体のものだ。自衛隊の侵略出兵をどしどし進め、武器使用への留め金を完全に外し、出兵した部隊を実際の戦闘行動にたたき込んでいこうとしている。憲法9条の枠を一気に、実力で踏み越える攻撃である。既成の野党や、革命を掲げることのできない体制内的な護憲運動・平和運動は、もはやこれと何ひとつ対決できない。逆に国会議員を先頭に、帝国主義的民族排外主義・愛国主義の大合唱にこぞって唱和している。
 西松建設の献金事件を使った民主党代表・小沢への攻撃も、こうした中で起きている。これは、麻生と日帝権力中枢が検察権力を直接動かして、政敵である小沢・民主党の「政権獲得」を阻むために仕掛けた恐るべき強権発動である。特に連合との間にクサビを打ち込むことを狙ったものである。これは本質的に労働者階級への攻撃だ。
 労働者階級の反乱を死ぬほど恐れている日帝には、今日の情勢下で与野党の政権交代が起きること自体が、労働者の階級的決起への引き金を引くものとして絶対に許せないことなのだ。
 このことは、今日の日帝ブルジョアジーが政治支配力を完全に喪失し、末期的危機の中で支配階級内部での分裂と暗闘を激しく繰り広げるにいたっていることをも意味している。その根本には、プロレタリア革命の現実性へのますます高まる恐怖がある。かつて1929年の世界大恐慌突入後、30年代の日本において、当時の天皇・軍部・財界は日帝の陥った内外にわたる危機からの脱出をめぐって、支配階級を真っ二つに割る激烈な抗争を繰り広げた。それを上回る大激動の渦中に、今や完全に入ったということだ。
 これは、革命情勢の決定的な成熟である。日本の労働者階級が革命に向かって総蜂起を開始すべき情勢に完全に入ったということである。革共同と動労千葉派の巨大な飛躍が今まさに求められている。
 何よりも日帝権力は、法大闘争に対するこの間の常軌を逸した弾圧のエスカレーションに示されるように、ひたひたと迫る革命の足音におびえ、革命を未然に圧殺することに一切をかけた行動を開始している。これと真っ向から激突し、密集した反革命を打ち破って、革命派の固く団結した圧倒的な大隊列を形成し、プロレタリア日本革命—世界革命の実現に向かって猛然と進撃を開始しなければならない。

 第2章 Ⅱ 国鉄を先頭に4大産別での反革命との激突に勝ちぬけ

 第1節 (1) 第2次国鉄決戦・4大産別決戦が日本革命勝利の道

 今や、階級情勢はどんどん成熟し、急速に煮詰まっている。革命と反革命との激突はすでに始まっている。ここで事態が右に動くか左に動くか、その分かれ目を左右するのは何よりも労働組合の存在と闘いである。日本の労働組合と労働運動を階級的に復権させること、この一点に労働者階級の未来の一切がかかる情勢に突入した。
 そのかぎを握るのは、動労千葉を先頭にした第2次国鉄決戦と、これを基軸に据えた4大産別(国鉄・郵政・教労・自治体)の労働運動だ。日帝はここを反革命的に制圧し、国労や自治労や日教組など4大産別の全労組を破壊し侵略戦争の先兵とすることを狙っている。それをテコに「労働組合」「労働運動」と名のつくものすべてを一掃し、資本に対する労働者階級の抵抗の基盤を壊滅にたたき込んで革命を未然に圧殺しようと必死になっている。また、それをとおして朝鮮侵略戦争を始めとする対外戦争に本格的に突っ込んでいこうとしているのだ。
 だがこれに対して、第2次国鉄決戦を基軸に、4大産別の現場労働者が自分自身と全労働者階級の生き死にをかけて総決起し、屈服と変質をきわめる既成指導部を怒りを込めてぶっとばし、自らの職場を革命への闘いの拠点に変えて立ち上がるならば、事態は180度逆転する。闘う労働者が4大産別の職場を制圧することは、日帝権力の支配を転覆していくアルキメデスのテコを握るものになる。
 なぜ4大産別をめぐる攻防が決定的な焦点になるのか。それは、4大産別の労働者が日帝にとって「獅子身中の虫」に等しいからである。
 帝国主義は、29年恐慌から第2次大戦を経て戦後の労働者支配を確立していく過程で国家独占資本主義政策を採用し、いわゆる「大きな政府」をつくり出した。鉄道や通信などの経済社会の動脈を、戦時体制を引き継ぐ形で国家の直接管理のもとに置いた。また革命に対抗して労働者階級の不満を体制内改良主義のもとに吸収するために一定の社会政策を展開し、そのための行政部門を肥大化させた。
 しかしそれは同時に、膨大な公務員・公共部門労働者を国家機構の内側に抱え込むことを意味した。資本主義の転覆者=墓掘り人であるプロレタリアートが、ブルジョア独裁の権力機構そのものの内部に、きっかけさえあればいつでも大反乱を引き起こす可能性をもって存在することになったのである。
 実際に、日本の戦後労働運動の歴史は、4大産別の労働者の階級的決起とその圧殺をめぐる大激突を軸に展開してきた。戦後革命期の1947年2・1ゼネストの司令塔となったのは、官公労働者が組織した全官公庁共闘会議であり、その主力は国鉄と全逓だった。総評労働運動の中軸を担ったのも、国鉄・全逓を中心とする公労協や日教組、自治労だ。日帝の新自由主義攻撃の開始は80年代の国鉄分割・民営化だったが、それは国鉄労働運動をたたきつぶすことで4大産別の労働運動全体をつぶし、さらに総評をつぶして戦後の階級関係の全面的な反革命的転覆を狙うものだった。
 今日、総評を解体して20年がたつにもかかわらず、4大産別は依然として日帝の労働者支配の最大の弱点である。元首相の森や安倍らが改憲をやるために、「日教組、自治労の解体」を声高に叫んできたのは理由がある。日帝が再びかつての中国侵略戦争や第2次大戦規模の大戦争に突っ込んでいくためには、自治体労働者や教育労働者が率先して国家権力の手先となり、逆に労働者人民を戦争に動員することを自己の使命としていく必要があるのだ。それなしに実際の戦争体制はつくれない。
 そして4大産別の労組幹部がどれほど屈服と変質を深めていても、現場には労働者の抵抗力がなおも破壊されずに脈々と受け継がれ、残っている。「日の丸・君が代」強制に対する教育労働者の不起立闘争はその明白な現れだ。ここをたたきつぶさない限り、日帝は次には進めない。
 それだけではない。今や新自由主義の全面破産が大恐慌として爆発し、階級対立の非和解化が一挙に、激烈に進行している。この中で4大産別の労働者が階級的立場を堅持して闘いぬくならば、現在まだ表面的にはどんなに遅々とした歩みに見えようとも、それが6000万労働者の総反乱への引き金となり結集軸となって、日本労働運動が不死鳥のようによみがえってくる可能性が明白にある。それが再び、62年前の2・1ストのような「生きさせろ!」の一大ゼネストへと発展していく展望も大いにある。
 何よりもブルジョアジー自身がそのことをひしひしと感じとり、震え上がっている。
 1月15日、日本経団連会長・御手洗と連合会長・高木は「労使共同宣言」を締結した。続いて3月23日には、御手洗・高木・麻生首相の3者による「政労使合意」が行われた。その最大の狙いはストライキを絶対にやらせないという点にある。日帝が何を恐れているかが明らかではないか。現場労働者の怒りがせきを切ってあふれ出る前に、それを阻む防波堤をできるだけ高く築くことに必死になっているのだ。高木ら連合の労働貴族はその先兵役を買って出、4大産別の腐敗した労組幹部らはこれに呼応してその変質を一層深めている。
 この労使共同宣言体制を怒りを込めて粉砕しよう! 「労使一丸」を掲げたこの反革命的結託体制の粉砕こそが、日本革命勝利への扉を大きく開け放つものとなるのだ。巨大な階級決戦のゴングはすでに鳴っている。4大産別の労働者が今こそその先頭に立って闘う時が来た。

 第2節 (2) 国鉄分割・民営化以来の闘いと動労千葉の前進

 4大産別決戦は、日帝ブルジョアジーと連合の労使共同宣言体制(大恐慌下での労働者の決起を圧殺する体制)を実力でぶち破り、連合支配を下から覆していく闘いである。それをとおして日本の労働運動を再生させる闘いだ。その爆発を切り開く最大の突破口は、第2次国鉄決戦である。
 第2次国鉄決戦とは、1980年代の国鉄分割・民営化以来の二十数年にわたる闘いに、労働者階級の側から今こそ革命的決着をつける決戦である。
 国鉄分割・民営化は、今日の世界金融大恐慌へと行き着いた新自由主義攻撃の出発点だ。アメリカではレーガン、イギリスではサッチャーが、規制緩和・民営化をテコに労働組合への襲撃を仕掛けて労働運動を破壊・解体し、資本のむきだしの弱肉強食の論理が全社会を覆う状態にたたき込んでいった。日本では中曽根が、戦後労働運動の最も強力な中心部隊だった国鉄労働者の闘いをつぶすために国鉄分割・民営化攻撃を仕掛け、総評を解散に追い込んだ。これと連動して労働者派遣法の制定に始まる戦後労働法制解体攻撃に乗り出し、今日の労働者の非正規職化、無権利化、貧困化と過労死の続出という強搾取への道を開いた。
 それは、資本家階級の側から労働者階級に対して仕掛けられた一個の激烈な階級戦争だった。労働者階級が第2次大戦後はもとより、19世紀以来の長期にわたる血みどろの闘争によって闘いとってきた地平をすべて奪い、まさに「工場法以前」の資本の奴隷そのものの地位にたたき落とすことを狙う攻撃だった。
 実際に、40万人いた国鉄労働者は分割・民営化によって20万人に減らされた。20万人が首を切られたのだ。しかも、いったん全員解雇して新会社=JRに選別再雇用するというやり方をとって、資本と政府に恭順を誓わない者は容赦なく排除することにより、労働運動圧殺を狙った。採用差別の対象とされた労働者は「余剰人員」として「人材活用センター」という名の収容所に、JR発足後は清算事業団に送られて徹底的なイジメを受けた。それは労働者から人間としての誇りをもすべて奪うような、あまりにも陰湿かつ暴力的な攻撃だった。この過程で実に200人を超える労働者が自殺に追い込まれた。
 この攻撃にどう立ち向かうかは、当時の労働運動の全党派、全潮流をいや応なしにふるいにかけた。最も悪質だったのが動労(今日のJR総連)を牛耳るカクマル松崎明だ。松崎は攻撃が避けられないとみるや、逆に日帝の懐に飛び込んで分割・民営化の推進役を買って出た。そして国労つぶしや動労千葉への敵対に全力を挙げ、自分自身の生き残りと引き換えに、同じ職場に働く労働者の首を切れと要求して回ったのだ。松崎がこの時にやった悪行は、何十年たとうが絶対に忘れ去ることのできない階級的大罪として、歴史に記録されなくてはならない。
 他方で、国労の指導部を占めていた社会主義協会派や日本共産党・革同は、分割・民営化と真正面から対決して闘うことを回避した。いわば、穴の中に逃げ込んで嵐が過ぎ去るのをひたすら待つという態度をとった。唯一、死活をかけて立ち向かったのが動労千葉である。動労千葉は、分割・民営化絶対反対を掲げて85年と86年の2波のストを全組合員がクビを覚悟で闘い、さらに清算事業団に送られた労働者が最終的に解雇される90年3月には84時間の大ストライキを敢行した。この闘いは全国鉄労働者を奮い立たせ、ついに1047名の国鉄労働者が「解雇撤回」を断固として掲げて不屈の闘争に決起する地平を切り開いた。
 この国鉄1047名闘争は、日帝ブルジョアジーが国鉄分割・民営化にかけた狙いを根本のところで破産に追い込むものとなった。分割・民営化との闘いは1047名闘争という形で永続化した。国労をつぶし、総評をつぶして改憲へとまっしぐらに突き進むとしていた日帝・中曽根の当初のプランは、国鉄闘争の永続化によって最後まで貫徹できずに挫折した。
 総評を解散させて連合が発足しても、国鉄労働者の闘いが続く限り、階級的な労働運動を根絶することはできない。90年代以降、動労千葉と1047名闘争の圧殺は日帝にとって第一級の課題となった。だが動労千葉は、絶対反対を貫いて闘い続けたことで組合の団結を守り、強化し、その後の攻撃をも団結の力でことごとく突き破って進んできた。この動労千葉と100万人の支援陣形をもつ1047名闘争が完全に結合すれば、JR体制を打倒し、連合支配を下から転覆し、日本の労働運動全体を階級的によみがえらせていく決定的な力が生まれてくる。
 1047名闘争の大発展か、その解体か。焦点はまさにこの一点に絞り上げられている。だからこそ、1047名闘争の破壊を狙って90年代半ば以来あの手この手の攻撃が繰り出され、まず国労本部の屈服・転向、次には闘争団の切り崩し、そして今日の4者4団体のもとでの「政治解決」の名による闘争解体策動へと行き着いた。この間の動労千葉と4者4団体一部幹部との激烈な対立は、1047名闘争のもつ日帝との非和解的激突性と死活性から不可避に生じたものにほかならない。
 東京高裁による鉄建公団訴訟の3・25判決は、この激突がいよいよ相互に決着をつける決定的段階に入ったことを示すものだ。国鉄労働者を先頭に、すべての闘う労働者の総決起で1047名闘争を守りぬき、その大発展を闘いとらなくてはならない。

 第3節 (3) 1047名闘争解体策す4者4団体路線粉砕せよ

 勝利のかぎは、4者4団体路線の粉砕にある。この路線は、国労本部の路線とも今や完全に一体である。
 それは一言でいえば、1047名闘争をJR本体での闘いと切り離し、前者をむしろ後者にとっての「お荷物」扱いしてその一刻も早い幕引きを図る路線である。闘争団の存在と闘いをJR資本との最先端の闘いとして、すなわち全国鉄労働者の死活のかかった闘いとして位置づけるのではなく、単なる「救済の対象」に切り縮めるものだ。動労千葉のように、首を切られた仲間の怒りを共有し、解雇撤回をともに一丸となって闘うことでJR資本と日帝権力を追いつめ、職場支配権を労働者の手に奪い返そうとするのではさらさらない。
 したがって、「政治解決」の中身も最初から、分割・民営化の承認を前提とした取引である。敵に頭を下げることと引き換えに、最低限の「救済」を願い出るものでしかない。当然にも敵は、頭を10度下げれば次には30度、45度下げよ、ついには土下座して地面にはいつくばれと言ってくる。今進行しているのはまさにそうした事態だ。これは労働者の誇りを自ら投げ捨てるものだ。こんなことをやっていたら闘争団員はとことん翻弄(ほんろう)されずたずたにされていくだけである。

 第1項 3・25判決の超反動性

 日帝はこのことを見透かし、ここぞとばかり、1047名闘争の解体を狙って全力を挙げて襲いかかっている。3・25判決がそれだ。この判決は、05年の東京地裁による9・15判決を踏襲し、その反動性をさらにエスカレートさせた許しがたいものである。
 そこでは、労働者の団結権を守るために不当労働行為による解雇は無効としてきた戦後労働法制が、根幹から否定されている。採用差別の存在を認めるかのような態度をとりながら、「不当労働行為がなければ本件解雇もなかったということはできない」などと主張し、原状回復=解雇撤回はあくまで拒否した。そして「採用の可能性が侵害されたこと」への慰謝料と称して、9・15判決の500万円に50万だけ上乗せした550万円の支払いを命じた。解雇撤回がない以上、年金もない。わずかな涙金だけ受け取って闘争の幕を下ろせというのだ。実にふざけきっている。
 しかも悪質なのは、9・15判決が国鉄時代に6カ月または2回以上の停職処分を受けた者について一切の訴えを棄却したことを踏襲し、棄却対象者の範囲をさらに拡大していることだ。1047名の中に徹底的に分断を持ち込んで切り崩すことが狙いなのだ。
 これは、国鉄分割・民営化という国策に反対した労働者を憎悪の対象として職場から追放することを完全に合法化するものだ。首切りは資本の自由だと言っているに等しい。不当労働行為があっても「解雇は有効」と平然と言う。裁判所が自ら憲法の破壊をやっている! こんなことを少しでも認めたら、労働者の権利も労働組合の存在意義も何ひとつないということになる。
 重大なのは、東京高裁・南裁判長がこの極反動判決を言い渡した上で、最後に「判決を機に早期解決を望みます」と異例のコメントを付け加えたことだ。4者4団体の一部幹部はこれに飛びつき、「判決は政治解決のチャンスを与えた」などと3・25判決を逆に美化し、これまで以上に屈辱的な「政治和解」路線にのめり込んでいる。
 だがこれはとんでもない幻想をあおり、1047名闘争の自己解体に走るものだ。3・25判決の核心は、国鉄分割・民営化をあらためて全面的に正当化したことにある。それは同時に、これから本格化する道州制攻撃のもとでの公務員労働者の大量首切りを正当化するという日帝の明白な政治的意思に貫かれている。国鉄でやったと同じように、360万人の公務員労働者を全員解雇・選別再雇用する攻撃だ。だからこそ「解雇の自由」を公然と認めた今回の3・25判決が必要だったのだ。
 これを真っ向から弾劾して闘ってこそ、勝機はつかめる。今、「派遣切り」を始め資本のやりたい放題の大量解雇に対する怒りの声は、全社会に満ち満ちている。新自由主義攻撃は完全に破産し、これを賛美し推進してきた政治家どもは人民の憎悪の的になっているではないか。1047名が今こそ分割・民営化絶対反対派として全労働者の前に登場し、解雇撤回の旗を高々と掲げて非妥協の闘いを貫くならば、膨大な労働者が必ずそのもとに続々と結集してくる。その団結した闘いの力こそが、敵との力関係を根本からひっくり返すものになる。
 実際に、動労千葉によるライフサイクル粉砕の闘いと平成採の青年労働者の獲得は、JR体制打倒への圧倒的な展望をすでに切り開いている。JR体制下での極限的な要員削減、業務の外注化、超長期にわたる低賃金の強制、そして何よりも安全の崩壊などに対する職場の怒りは我慢の限界に達している。尼崎事故から4年が過ぎても、資本の安全無視の犠牲となって殺される労働者が後を絶たない。しかもJR資本はそれをすべて労働者の責任にしている。これへの怒りは全国で爆発寸前だ。JR資本と日帝は今や、JR本体労働者の決起にいつ火がつくかと戦々恐々となっている。
 4者4団体路線はこの決定的な時に、こともあろうに「解雇撤回」を投げ捨てて政府・自民党との取引に走り、腐った妥協をどこまでも追い求めている。それは1047名の団結を内側から破壊し解体するだけではない。闘争団の20年にわたる血と汗と涙の、しかし闘う労働者の輝かしい誇りに満ちた闘いを足蹴にし、階級的原則を踏みにじって恥じないものだ。1047名の格闘を「明日のわが身」と受け止めて支援しともに闘ってきた全国の労働者に背後から石をぶつけるものだ。
 その先に待っているのは、闘争団の解散に続く国労の解散と連合への吸収、つまり資本・権力のあからさまな手先への百パーセントの転向があるだけだ。そしてそれこそ、JR資本や政府・自民党やJR総連カクマルなどの、労働者階級に敵対する全勢力が待ち望んでいることである。まさに大裏切りの路線である。
 この4者4団体路線を徹底的に弾劾し粉砕して、1047名闘争の再確立をかちとり、第2次国鉄決戦の勝利へ進撃しよう。2・16集会と3月動労千葉ストはその突破口を切り開いた。国労5・27臨大闘争弾圧の7人の被告団と弁護団は、その先頭に立っている。動労千葉派が今こそ国鉄労働運動の主流派に躍り出よう。

 第3章 Ⅲ 体制内勢力との党派闘争を貫き道州制攻撃絶対阻止へ

 第1節 (1) 民営化をテコに統治形態の反革命的転換狙う攻撃

 4大産別決戦の勝利を切り開く今ひとつの決定的な闘いは、道州制粉砕の大決戦への突入である。ここにおいても最大の問題は、体制内の労働組合幹部との激突である。
 道州制とは、直接には現憲法下の地方自治制度の解体をとおして戦後的な労働者支配のあり方を一掃し、まったく新たな仕組みに改編していく攻撃である。具体的には現在の47都道府県を廃止して、全国を10ないし13の「道州」に置き換え、この道州を一つの独立した地方政府としていく。それをテコに従来の政治・経済・社会の仕組みをいったんすべて暴力的にたたき壊し、その上に一握りの大資本による無制限の独裁支配を可能にする新たな体制をつくり出すことを目指している。
 この攻撃は、小泉政権時代に「構造改革」攻撃の重要な柱として準備され、安倍政権の登場後に改憲攻撃と一体となって一気に本格化した。麻生政権と日本経団連は昨年秋の世界金融大恐慌の全面的爆発の中で、道州制導入を危機にあえぐ日帝ブルジョアジーの「起死回生」をかけた最大の突破策とあらためて位置づけ、前倒しして実施することを決断した。関西経済同友会と大阪府知事・橋下はその先陣を切ることを自認し、政府に先駆けて反革命的突撃に出てきている。
 それは第一に、「国のかたちを変える」という大攻撃だ。9条改憲、侵略派兵、戦争体制づくりの攻撃と完全に連動した攻撃である。これ自体が改憲攻撃そのものだ。
 日本経団連はその提言で道州制導入を「究極の構造改革」と言い、「国の役割を必要最小限のものに限定したうえで、これまで国家が担ってきた内政上の役割の多くを地方に委ねる」と言っている。国の役割は軍事・外交・治安と「国家戦略上不可欠の課題」に限定し、それ以外は一切責任を持たない。福祉や教育といった人民の日々の生活にかかわることは、すべて地方が「自己決定・自己責任」の原則に基づき「自主財源」で賄えとする。つまり全面的に切り捨てる。
 さらに、800兆円を超える国の債務もすべて地方に移管させる。大銀行や大資本の救済に巨額の財政投入をして作った借金をことごとく労働者人民の肩に背負わせるのだ。そして「身軽」になった国家のもとでいよいよ本格的に大軍拡と対外戦争に突進する体制を築くということである。
 第二に、その上で、規制緩和・民営化の全面展開によって、教育や医療や社会福祉の一切を資本のあくどい金もうけの手段に変える。保育所も学校も、水道もごみ収集も、病院も福祉施設も、図書館や公民館も、自治体のあらゆる業務が丸ごと民営化され、資本の弱肉強食の論理のもとに置かれる。金のない者は学校に通うな、病院にも来るな、生きられないなら死ねという社会にしてしまう。小泉政権下で一気に進んだ労働者階級の貧困化と格差社会の拡大を、極限まで推し進める攻撃だと言える。
 そして、東海ならトヨタ、関西ならパナソニックなどの巨大独占資本が道州を支配し、地域全体を自己の「独裁王国」に変えて君臨する。道州には国の法律を超える独自の徴税権や立法権も認められ、どんな強権やデタラメも平然とまかり通る世界がつくられる。
 第三に、最大の核心として、労働者階級に対してあらゆる団結破壊、労組破壊をむきだしの暴力をもって強行することだ。これまでの行政改革・公務員制度改革攻撃や教育基本法の改悪によっても成し遂げられなかった自治労と日教組の解体を、道州制導入によって貫徹する。そして4大産別の労働運動全体を壊滅に追い込んで、連合の産業報国会化を最終的に完成させることを狙っている。
 ここで持ち出されているのが国鉄分割・民営化の時とそっくり同じ手法である。すなわち現在の都道府県と市町村の機構を全部丸ごと解体して、道州とその下にある基礎自治体という新組織に移行させる。その過程で公務員労働者をいったん全員解雇し、徹底的な選別をやって資本・権力の意にそわない者を排除して、残った者だけを再雇用する。それまで結んでいた労働協約や合意はすべて破棄され、賃金その他の労働条件は再雇用と同時に大幅に切り下げられる。
 80年代の国鉄では、当時の国鉄労働者の約半数、20万人がこれによって職場を追われた。道州制攻撃では、現在410万人いる国家と地方の公務員のうち、警察や自衛隊などの50万人を除いた360万人全員が解雇される。そのうち教育労働者と現業労働者126万人の職場は完全に民営化され、いつでも首が切れる非正規職に置き換えられる。残る234万人は「国家に忠実な下僕となり、今までの半分の人員で倍の仕事をやれ」という要求を突きつけられ、これに無条件に従うと誓った者だけが再雇用される。
 しかもこの攻撃は、道州制導入が国会で正式に決定されてから始まるのではない。今すでに、民営化をどんどん先行的に進める中で、まず徹底的な人員削減と賃金破壊の攻撃として労働者に襲いかかっている。それは一人ひとりの労働者をあらゆる手段を使って追いつめ、職場から無理やり排除し、あるいは奴隷的な屈服を強要していく実に凶暴な攻撃である。
 そのために財政赤字問題、「自治体破産」を叫び、公務員労働者が「怠けている」ことが赤字の原因だなどという極悪のデマを流してファシスト的なバッシングをあおるやり方も、国鉄の時と同じだ。絶対に許せない。ここで労働者が本気で怒って反撃しなかったら、本当にたたきつぶされる。ここまで踏みにじられてストの一つも打てないような組合は、もはや組合ではなくなるのだ。それが攻撃の最大の狙いだと言っていい。

 第2節 (2) 「松崎」に学び解雇攻撃の先兵となる体制内指導部

 この大攻撃を前にして、今や自治労本部や日教組本部を先頭に、すべての体制内勢力が急坂を転げ落ちるように果てしない屈服と変質を深めている。
 そもそも連合中央と民主党は道州制賛成にとっくの昔に完全にかじを切っている。日本共産党や社民党は、表向きはまだ「道州制反対」を口にしているが、絶対反対を貫き通すつもりなど最初からない。むしろ日本経団連や政府・自民党の案では「真の地方分権」にならず、「より良い公共サービス」の確保ができないことを「反対」の理由に挙げているのだ。実際には「より良い道州制」を要求する立場だ。現に始まっている自治体労働者や教育労働者への首切り・賃下げ攻撃とも一切闘わない。
 とりわけ日本共産党は、新自由主義攻撃への「批判」のポーズをとりながら、その元凶である資本の支配と全面対決することを真っ向から拒否している点で許しがたい。共産党委員長の志位は、「資本主義が健全に発展していくことが次の社会を準備する」などと言って、「大企業との共存」を公然と打ち出してさえいる。今この瞬間にも職も家も奪われて路頭にほうり出されている労働者と、労働者を犠牲にして自分は億単位の金を懐にしているような連中との「共存」がどうして成り立つのか!
 要するにこれは、現在のような大恐慌の時代には、資本主義が生き延びるために労働者が犠牲になるのはやむをえないという思想だ。ただそれが「行き過ぎない」ように最低限の「セーフティネット」をつくれと要求するものでしかない。だがこの要求は実際には労働者を守るものでは断じてなく、逆に労働者階級の反乱を防ぐための、すなわち資本を守るための「セーフティネット」となるのだ。そして教育労働者や医療・福祉労働者の「聖職」論を振り回し、労働者階級の闘いに敵対するスターリン主義反革命の本性をますますむきだしにしてきている。

 第1項 自治労本部の裏切り

 こうした日本共産党の動向に加えて、さらに一層重大なことは、自治労本部などの中から今や、闘争放棄や単なる屈服といった次元を超えて、日帝の攻撃に積極的にさおさしていく露骨な動きが現れていることである。
 道州制攻撃の一大突破口である公立病院の民営化に対し、自治労本部の衛生医療評議会が出した指針はその典型例だ。そこでは、民営化攻撃に対して闘っても無駄だ、絶対反対の闘争を組むことなどできないと言う。生き残るためには「むしろ組合側からの逆提案」が「望ましい」と、組合の側から先手を打って民営化を積極提案し、推進すべきだと言っているのだ。自治労本部はこれを「攻めの民営化対応」と名づけ、民営化攻撃に対する最も現実的な対応だと言って全面的に方針化してきている。
 これは組合指導部が自ら労働者への首切り・リストラ攻撃の先頭に立つということだ。日帝・総務省は今日、赤字にあえぐ全国の公立病院に3年間で黒字に転換せよと迫り、それができなければ病院を閉鎖するか民間資本に売却せよという攻撃を仕掛けている。このもとで病院の統廃合や独立行政法人化、指定管理者制度への移行が急ピッチで進み、「経営優先」への転換のもとで「赤字解消」を絶対命題とした激しい合理化攻撃がすでに展開されている。正規職の人員削減と非正規職への置き換え、賃金を半分にする攻撃、すさまじいまでの労働強化の進行だ。
 自治労本部の言う「攻めの民営化対応」とは、現場の労働者に対するこの攻撃を労組幹部が率先して担うことにほかならない。これはかつての国鉄分割・民営化時に動労カクマル松崎がやったこととまったく同じだ。松崎は自ら「働こう運動」を提案して、当局の合理化攻撃に率先協力した。当局と資本の手先となって国労組合員を始めとした労働者の首を次々と切っていくことに全力を挙げた。そのことによって自分の「利用価値」を日帝支配階級に売り込み、JR資本との異様なまでの結託体制を築いて、現場労働者の犠牲の上に労働貴族として君臨してきたのが松崎だ。
 JP労組中央が今、郵政資本の完全な手先となって行動しているのもこれと同じだ。彼らは大恐慌下でその破綻が全面暴露されるにいたった民営郵政の救済を組合自身の第一の課題に掲げ、一切の賃金要求を放棄した。そしてJPエクスプレス(JPEX)の子会社化と大規模強制出向という、郵政資本の生き残りをかけた一大合理化攻撃を率先して受け入れ、現場労働者に押しつけるその先頭に立っている。
 日教組本部もまた、2月教研集会で「日の丸・君が代」攻撃と不起立で闘う労働者を排除するために機動隊を差し向けたことが示すように、今や明白にこの道を歩んでいる。国鉄での4者4団体の「政治和解」路線への転落も、最後はそこに行き着くのだ。
 彼らがこぞって叫んでいるのは、「国労のようになるな」ということだ。総評労働運動の主力であり国鉄最大の組合だった国労は、国鉄分割・民営化で徹底した労組破壊攻撃を集中的に加えられ、22万人いた組合員が数年間に4万人へと激減した。その失敗を繰り返すなと言っているのだ。「カクマル松崎のように当局と資本の先兵にくら替えすれば生き残れる。松崎に学べ」というわけだ。
 だが国労は、分割・民営化と「闘った」から負けたのでは断じてない。まったく逆に、指導部が実際には闘いを回避してきたからこそ、団結を破壊されてずたずたにされ、解体寸前のところまで追い込まれたのだ。その証拠に動労千葉は真っ向からストで闘うことで団結を守りぬき、強化し、今日に至る22年間の闘いに勝利し続けているではないか。自治労本部らの思想の背後にあるのは、日共スターリン主義と同様に、「資本主義にとって代わる体制などない」「革命など不可能だ」「闘っても勝てない」ということだ。骨の髄までの奴隷の思想である。
 こうした中で、JR総連・カクマル松崎も自らの「復活」のチャンスとばかりに必死のうごめきを開始した。そしてこれらの体制内の全勢力が一体となり、民営化絶対反対を貫く動労千葉派を憎悪・敵視し、闘いをつぶそうと襲撃を開始している。また、革共同と動労千葉の破壊を唯一の目的とするまでに転落した日帝権力への投降集団=塩川一派らが、そのしっぽにくっついて動き回っている。

 第2項 団結すれば勝てる!

 だが敵の攻撃はその根本において最初から破産している。道州制攻撃、民営化・労組破壊の攻撃は、労働者をバラバラに分断して個別につぶしていくところに一切がある。橋下などのファシスト的突出は、労働者が反撃しないことを前提にしてまかり通っているにすぎないのだ。一見どんなに凶暴に見えようとも、労働者階級が実際に団結して、実力で決起した瞬間に砕け散ってしまう「張り子の虎」のようなものなのだ。
 体制内労組指導部のやっていることは、その意味で本当に極悪だ。労働者に敗北意識を植えつけ、絶望にたたき込み、闘う者に襲いかかることで団結破壊の先頭に立っている。こいつらの存在があるからこそ日帝は、次々とかさにかかった攻撃に出ることが可能になっているのだ。まさに革命への防波堤、資本家階級の最後の救済者だ。
 今、世界の労働者が直面しているのもまったく同じ問題だ。アメリカでは、AFL−CIO(米労働総同盟・産業別組合会議)などの体制内労働運動が米の金融大独占ブルジョアジーとともにオバマ政権を支える2大支柱になっている。それはもはや一般的な「労資協調」ではない。崩壊のふちに立つ米帝国主義を労働者階級による革命から救うために、既成労組幹部が先頭に立って、闘う現場労働者に襲撃を仕掛ける体制として形成されている。
 これら体制内労組幹部を全員打倒して職場に階級的団結を取り戻すことが、民営化を粉砕し、道州制攻撃を粉砕して逆に革命勝利への展望を切り開いていく最大の突破口である。
 豊中市職女性部の呼びかけでかちとられた3・6大阪府庁前行動は、その最初の扉をついにこじ開けることに成功した。この闘いに続き、全国の労働者は今こそ体制内指導部打倒、民営化・道州制粉砕へ総決起しよう。敵の凶暴化は彼らの絶望的危機の現れだ。動労千葉の3月ストは、今こそ闘う労働者が決起する決定的なチャンスが訪れていることをはっきりさせた。職場の仲間はわれわれの呼びかけを待っている! 確信をもって立ち上がろう。
 今日、4大産別の全職場で襲いかかっている攻撃は、すべて道州制攻撃の先取りだ。その一つひとつを打ち破る中で職場の怒りと団結を組織し、道州制粉砕決戦の大爆発へ攻め上ろう。
 特にこの間の森精機での闘いに始まって、医療・福祉職場や民間の合同・一般労組を先頭に全国で激しく闘われている労働者のストライキや工場占拠闘争は、4大産別の労働者にとってかけがえのない援軍となっている。自らの職場での闘いを4大産別決戦の前進と固く深く結びつけ、全労働者階級の総力決起で体制内勢力を打倒し、日本労働運動の革命的階級的再生をかちとろう。それをとおして数百万、数千万労働者の「生きさせろ!」の壮大なゼネスト決起への道を切り開こう。

 第3節 (3) 沖縄・三里塚など全戦線で道州制攻撃粉砕へ総決起を

 道州制攻撃粉砕の闘いは、4大産別の労働者にとってだけでなく、全労働者階級にとって、さらには全人民にとって死活をかけた闘いである。そこには労働者人民のいのちと生活がじかにかかっている。道州制との決戦は、改憲阻止決戦そのものだ。
 これを粉砕しなかったら、労働者人民は日帝資本の搾取と収奪によって飢餓状態にまで追いつめられ、さらには再び戦争に総動員されて殺される。だが逆にここで全階級・全人民が4大産別の闘いと一体となって総蜂起すれば、日帝打倒、日本革命への巨大な戦略的前進が切り開かれる。ブルジョアジーの支配の打倒とプロレタリア独裁樹立に向けたソビエトの形成が現実のものとなってくる。
 道州制攻撃は沖縄を重大焦点にしている。日帝は沖縄を「単独州」にして本土から切り離し、沖縄の特殊性を生かした経済発展を目指すなどとふざけたことを言っている。「自立」「自己決定権」などの言葉を乱発し、あたかも沖縄が中央政府から「独立」して、米軍基地の撤去や縮小も沖縄の意思だけで可能になるかのような幻想を振りまいているが、とんでもない。逆に沖縄の経済と社会を米軍基地ぬきでは成り立たない状態にますますたたき込み、基地のもとに永久に縛りつける攻撃だ。
 これは明治政府による琉球処分、第2次大戦後の米帝への売り渡し、72年5・15体制形成に続く第4の琉球処分である。沖縄の労働者を本土と全世界の労働者階級から分断し、団結を阻むための攻撃だ。これに幻想を持ち、道州制を美化して日帝の攻撃に翼賛していく一切の動きと徹底的に闘い、5・15沖縄闘争を突破口に沖縄から道州制粉砕ののろしを上げていこう。
 日帝はまた、道州制攻撃の一環として、農地法の改悪を最重要課題の一つに押し上げている。戦前の地主制度を解体して実際に土地を耕す農民を保護するためにつくられた農地法の原理そのものを破壊して逆転させる攻撃だ。資本や国家がほしいままに農民から土地を奪い、自由に処分することを可能にしようと狙っている。農業と農村を独占資本の完全な支配下に置き、家族経営の農家はすべてつぶしていく攻撃だ。また軍事基地建設、戦時の土地強制収用と直結した攻撃でもある。
 三里塚での市東孝雄さんへの農地強奪攻撃との闘いは、その最先端の攻防だ。労農同盟の巨大な発展をかちとり、全国に三里塚現地への結集を呼びかけて絶対に勝利をもぎとろう。
 部落解放闘争や障害者解放闘争、女性解放闘争など諸戦線の闘いも、道州制攻撃との対決を避けたところでは闘いそのものがもはや成り立たない。道州制のもとではこれまで以上に極限的な競争社会にたたき込まれ、資本による労働者階級への差別分断攻撃は最も激しくなるのだ。これを打ち破るには労働者階級が一つに団結し、西郡住宅闘争のような闘いに決起していくことが絶対不可欠だ。
 在日朝鮮人・中国人を始めとする在日・滞日の労働者人民や外国人労働者に対する日帝の入管体制強化の攻撃との闘いも、道州制決戦の中でとらえ返す時、その決定的な位置と展望が見えてくる。

 第1項 法大闘争は最前線だ

 とりわけ重要なのは大学だ。学生戦線はすでに民営化・道州制攻撃との最前線の攻防に深々と突入し、画期的な大勝利の地平を切り開いている。現在の大学は、あらゆる面で新自由主義のおそるべき腐敗と破産の極致、その縮図だ。教育の民営化の最先端だ。大学当局にとって教育とは、もはや資本による金もうけの手段、それも学生をとことん食い物にした実にあくどいボロもうけの手段でしかない。この新自由主義大学を守るために警察権力がキャンパスを日常的に監視し、少しでも抵抗しようとする学生には暴力職員が襲いかかる。そこには学問の自由も、思想や言論の自由ももはや存在しない。
 だがそのど真ん中から、大学の本来の主人公である学生が自分たちの手にキャンパスを奪還しようと立ち上がった。それが法政大学での闘いだ。そして退学・無期停学処分や3年間で88人ものデッチあげ逮捕、22人の起訴にもひるまず断固として闘い続けている。この不屈の闘いは、全国の学生はもとより全労働者階級人民を心の底から励ますものとなっている。09年はこの闘いがいよいよ300万学生に本格的に波及する時を迎えた。4・24法大1000人集会の大爆発を新たな起点に、日帝を揺るがす戦闘的学生運動の大衆的復活、全国的発展へと攻め上ろう。

 第2項 裁判員制度絶対阻止

 裁判員制度の導入、司法改革攻撃も、道州制攻撃の中であらためて日帝にとって絶対不可欠の攻撃として位置づけ直されている。ここでも闘いの火は弁護士戦線を先頭にすでに激しく燃え上がっている。「裁判員制度はいらない!大運動」主催の4・21全国集会・デモの大高揚を引き継ぎ、巨万の人民の怒りの重包囲をもって5月裁判員制度実施を大破産に追い込もう。
 侵略派兵と闘う全国での反戦・反基地闘争、8月広島・長崎を始めとする反戦反核闘争、自衛隊兵士獲得の反軍闘争、9条改憲阻止闘争を、この決戦の中でこそ大前進させよう。反戦闘争は、それが労働者階級の国際的団結を強化し拡大していくものとして闘われる時こそ最も爆発的に発展する。戦争と民営化攻撃の激化に対し、ストライキや街頭での実力闘争に続々と決起している全世界の労働者階級と団結し、米帝・オバマと日帝・麻生政権の侵略戦争への凶暴な突進を真っ向から粉砕する闘いとしてかちとろう。
 これら一切の闘いの当面する最大の結集軸は6・14大闘争だ。国鉄決戦勝利・道州制攻撃粉砕、7月帝国主義サミット粉砕へ、オバマと麻生の打倒を掲げて6・14渋谷に全国から大結集し、首都を揺るがす戦闘的デモに立ち上がろう。
 本章の最後に、今日の情勢下で、革命的議員の役割はますます決定的であることを押さえておきたい。革共同政治局の09年1・1アピールで「革命的議会主義の再確立」として提起されていることを原則的に再確認し、この大恐慌情勢の中でこそ、革命的議員は労働者階級の最先頭に立って闘おう。ブルジョア議会の内外で起きるすべてのことを「攻めの改憲阻止決戦」の立場からとらえ返し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃との具体的な激突の最先端に身を置いて闘うことが重要だ。それは同時に地区党建設の先頭で闘うことである。

 第4章 Ⅳ 闘う労働組合を甦らせ党を建設し、革命の突破口開こう

 第1節 (1) 日本革命勝利の戦略方針は4大産別決戦である!

 革共同は、創立以来半世紀にわたる闘いを、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の旗を掲げて不屈に闘いぬいてきた。さらに党の第6回大会で70年安保・沖縄闘争以来の闘いで樹立してきた路線を再整理し、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒」を日本革命の戦略的総路線として打ち立てて闘ってきた。
 その上で今日、重要なのは、階級的労働運動路線と11月集会の実践をとおして確立された「戦争と民営化・労組破壊粉砕」というスローガンの決定的意義である。これは、今日の新自由主義攻撃の破産と世界大恐慌の爆発を、労働者階級の国際的=階級的な一斉蜂起によってプロレタリア世界革命に転化していくための、きわめて実践的で戦略的なスローガンだ。戦争・民営化攻撃との路線的対決こそ全世界の労働者の共通課題であり、帝国主義との最も非和解的な激突点である。
 とりわけ日本階級闘争において、日帝の戦争・改憲と民営化・労組破壊攻撃、道州制攻撃に全面対決する4大産別決戦は、今日の日帝の矛盾の集中点を突く闘いとして、日本革命勝利への戦略的位置をもった闘いである。世界大恐慌の爆発という巨大な革命情勢のもとで、6回大会の戦略的総路線を、プロレタリア革命の主体である労働者階級が権力奪取に向かって攻め上っていくための、最も具体的で現実的な戦略方針へと発展させるもの——それが〈戦争・改憲と民営化・労組破壊粉砕>を中心スローガンとし、国鉄を基軸とする4大産別決戦だ。
 塩川一派は、4大産別決戦を「経済主義」と言って否定し、それとは別のところで「侵略阻止」「改憲決戦」の空叫びをやることが戦略的総路線の実践だなどと思い込んでいる。だがそれは、日本階級闘争の革命的内乱的発展を実際に闘いとることとはまったく無縁な、きわめて観念的な小ブル革命主義でしかない。彼らの「政治闘争」は実際には、革命とはおよそ無縁な既成野党や市民団体の後ろにくっついて、形だけの「反戦」スローガンなどをアリバイ的に叫ぶものだ。闘うアジア人民との連帯を、労働者階級の国際的団結の力で帝国主義を打ち倒していく闘いとして現実に貫くのではまったくない。実に腐敗した運動なのである。
 革共同は91年、労働者階級本隊の一斉武装蜂起を革命運動の基軸においた5月テーゼ路線への転換を行った。それは国鉄分割・民営化粉砕決戦を闘った動労千葉労働運動との結合・一体化を死活をかけて求めた。それはまた、マルクス主義の労働者階級自己解放思想の全面的な復権をかちとるための闘いでもあった。そして今日、06年の「党の革命」を転換点に塩川一派らの血債主義と小ブル革命主義を自己の内側からたたき出し、日本革命勝利への決定的な戦略方針を手にしたのだ。

 第2節 (2) 国際労働者階級の団結で帝国主義打倒をやりぬけ

 この闘いは同時に、世界革命への現実的突破口を開く闘いである。今日の世界大恐慌の中で日本の労働者階級が立っている世界史的位置は、かつての第1次大戦時に、ロシアのプロレタリアートが立っていた歴史的位置に匹敵する。このことを、身のひきしまるような決意をもって、深く確認して進まなければならない。
 革命が勝利するためには、資本主義・帝国主義の危機が全面的に爆発し、支配階級がもはや従来どおりのやり方では支配を維持できなくなるという客体的条件と、この社会を転覆する労働者階級の側の主体的準備が結びつくことが必要である。1917年のロシア革命はこの二つの条件を併せ持っていた。当時のロシア帝国主義が陥っていた危機の深さは他のどこよりも深刻であり、まさしく「国際帝国主義の最弱の環」であった。他方では、ロシアの労働者階級は長期にわたる血みどろの闘いをとおして自らを一個の革命的階級へと鍛え上げていた。その結晶が、ボルシェビキ党である。
 この主体的準備とは、単に真の革命党=ボルシェビキ党がそこに存在していたという単純な問題では断じてない。この党が労働者階級と深く結びついていたこと、そして労働者階級とともに幾多の試練をくぐりぬける中で徹底したマルクス主義の党として自己を打ち鍛えていった点にある。レーニンは後にこのことを総括し、ロシアのプロレタリアートは「ただ一つの正しい革命理論であるマルクス主義を、真に苦しんで闘いとったのである」(『共産主義における左翼空論主義』)と語っている。
 ひるがえって、今日の日本プロレタリアートはどういう位置にいるのか。現在の日帝は1917年のロシアと同じ、否、それ以上に決定的な帝国主義の「最弱の環」だ。そしてわが革共同は、スターリン主義によるマルクス主義の歪曲を半世紀にわたる苦闘をとおして打ち破り、今日、動労千葉に代表される闘う労働組合の階級的実践と固く深く結合して、21世紀の革命に向かって断固とした挑戦を開始している。日本階級闘争こそまぎれもなく、世界革命への新たな突破口を押し開く、現代の国際階級闘争の最先端である。
 11月労働者集会の国際連帯として切り開かれてきた地平は、アメリカや韓国の闘う労働者の動労千葉に対する限りない期待として、そのことを明白に提起している。これに断固として応え、全世界のプロレタリアート人民の未来をかけて、その先頭で資本主義打倒の突撃路を開く闘いをやりぬこう。
 求められていることはただ一つだ。現にある革共同と動労千葉のこの存在と闘いは、たとえまだ小さな一つの点にすぎないとしても、日本プロレタリアートの中に不抜の確固たる革命の拠点として存在している。この「点」を6000万労働者階級の中に無数に拡大し、さらに面へと押し広げることだ。そして闘う農民との労農同盟を強め、帝国主義と闘うあらゆる人民をプロレタリア世界革命の旗のもとに獲得し、資本主義・帝国主義打倒の総蜂起を本気で準備することだ。
 日帝資本、国家権力、あらゆる反革命勢力の密集した敵対を打ち破り、全戦線での体制内派との大党派闘争に勝ちぬいて、「組織! 組織! 組織!」を合言葉とする一大決戦に突入しよう。すべての職場、地域に党の細胞を建設しよう。動労千葉に続く闘う労働組合、闘う労働運動を、4大産別を始めとするあらゆる職場によみがえらせよう。この闘いの中で、何よりもブルジョア的体制内的イデオロギーとの非和解的な党派闘争を貫く中でこそ、われわれ自身を本物の革命の指導部に鍛え上げていこう。
 一切は、マルクス主義青年労働者同盟1000人とマルクス主義学生同盟1000人の建設にかかっている。情勢は待ったなしである。青年を先頭に09年の決戦を全力で闘い、世界革命への巨大な展望を押し開こう。