2009年4月20日

自衛隊兵士と団結し朝鮮侵略戦争粉砕へ 革共同反軍闘争組織委員会

週刊『前進』06頁(2388号3面2)(2009/04/20)

自衛隊兵士と労働者は団結し日米帝の朝鮮侵略戦争粉砕へ
 革共同反軍闘争組織委員会

 第1章 侵略戦争へと本格的に踏み込む日帝麻生

 北朝鮮の「人工衛星ロケット」発射に対し麻生政権は3月27日、安全保障会議の決定として浜田防衛相に自衛隊法82条2の3項に基づく「破壊措置命令」を発令させ、陸海空自衛隊三軍による「迎撃」の実戦配備を強行した。これは海自ソマリア沖派兵と一体の侵略戦争への画歴史的踏み込みである。今回の軍事作戦は07年以降、半ば報道管制下で配備を進めてきた弾道ミサイル防衛システム(BMD)初の実戦発動である。日帝の戦争政策の新段階への突入に対して、絶対反対!の反撃をたたきつけなければならない。
 今回の軍事作戦は日米韓合同作戦であった(図参照)。判明しているだけでも、日本海には空自の迎撃ミサイルSM3搭載のイージス艦2隻、太平洋にはイージス艦1隻を配備した。地上では、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が空自浜松基地から秋田・岩手両県へ、入間と習志野から市ケ谷駐屯地・防衛省へ、入間と霞ケ浦から朝霞基地へ、武山から習志野へとそれぞれ移動配備された。首相官邸と「帝都」防衛のためにPAC3の発射口は西方に向けられていた。まさに移動訓練を兼ねた実戦配備・戦争発動であった。
 米軍は、米韓軍事演習を終えたイージス艦「チェイフー」ほか横須賀基地の5隻とハワイから1隻を配置。韓国軍は韓国初のイージス艦「世宗大王」を出動させた。日米韓の計11隻のイージス艦と、さらに日米の潜水艦が日本海と太平洋に展開した。また、米軍の早期警戒衛星、米戦略偵察機コブラボール2機、在韓米空軍の戦略偵察機U2、海自EP3偵察機などが北朝鮮を包囲し、戦争突入体制の軍事重圧を加え続けていた。
 この中で、崩壊寸前の麻生政権は「危機管理に成功すれば支持率が上がる」「神風だ」と公言し、民主党・小沢に対する指揮権発動と「ミサイル迎撃」キャンペーンによって支配階級としての起死回生を図ったのだ。麻生政権はこの一大軍事行動を大々的に公開し、マスコミ各社を総動員し、「挙国一致」の戦争動員体制をつくりあげようとした。東北地方では自治体労働者が総動員され、住民防災無線、「ミサイル実況中継」などから、「北朝鮮脅威」「国難」が繰り返し地域全体であおられたのだ。

 第2章 排外主義に屈服する体制内派を打ち倒せ

 この日帝の排外主義攻撃に屈服したのが体制内翼賛勢力だ。
 31日の衆参両院本会議における「北朝鮮にミサイル発射自制を求める決議」への社民党や日本共産党の賛成は、「迎撃」そのものへの支持であり、排外主義攻撃への完全屈服そのものだ。共産党は『赤旗』や街頭で「危機管理能力の確立を」と絶叫している。こうした「迎撃能力」「2度にわたる誤報(情報伝達)」についての議論自体が祖国擁護=支配階級擁護の立場であり、軍事力強化や戦争政策を積極的に推進し、「敵基地を先制攻撃せよ」の大合唱へと導くのだ。事実、北朝鮮の「衛星発射」を受けて日帝内部(「北朝鮮に対する抑止力強化を検討する会」など)で「敵基地先制攻撃論」が激化しているではないか。
 さらに連合は4月6日付で「北朝鮮によるミサイル発射に断固抗議する談話」を事務局長名で発表した。その内容たるや日帝支配階級と完全に同一だ。国連決議違反だから「国連安全保障理事会の完全なる履行を求める」と戦争をあおっている。
 さらに「日本政府に対しては、北朝鮮の弾道ミサイル問題に毅然とした姿勢で臨むとともに、核開発の完全放棄、日本人拉致被害者の早期解放の包括的解決をめざし、国際社会にも訴え強力に取り組むことを要請する」と労働組合が排外主義攻撃の先兵となっているのだ。街頭で「イージス艦・PAC3の配備、ミサイル迎撃は戦争発動だ!」と日帝を弾劾して闘う労働者・学生への敵対だ。
 しかも、連合は裁判員制度にも賛成し、国家総動員体制を推進している。戦争動員体制は労働組合の転向・屈服をもって進められる。とりわけ4大産別労組の動員なしに戦争は成立しない。「戦争・改憲と民営化・労組破壊」と対決し、国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に4大産別決戦に勝利することこそ、北朝鮮侵略戦争を止める闘いなのだ。

 第3章 日米帝による北朝鮮の体制転覆の策動

 そもそも北朝鮮の「人工衛星」打ち上げは、米帝オバマとの交渉に照準を当てた北朝鮮スターリン主義の対抗的メッセージであり、国内支配体制の強化と武器輸出拡大のため反人民的演出だ。
 米帝オバマによるイランや北朝鮮との「対話路線」は侵略戦争発動の時間稼ぎに他ならない。クリントン米国務長官は、2月のアジア諸国歴訪でミサイル問題を6カ国協議で取り上げる方針や拉致問題での日本支持などを表明している。
 北朝鮮は、こうした戦争重圧に対し、米領土を射程にした長距離ミサイル技術の開発という対米カードを切ることで対米直接交渉を引き出し、2012年の金日成生誕100年に向け「先軍政治」の「ポスト金正日」スターリン主義体制の延命を図っている。今回の打ち上げには食糧難を1年分解消できる米100万㌧に相当する3億㌦(300億円)の費用がかかったというが、まさしく労働者人民を犠牲にして延命する反人民的体制なのだ。
 だが、今回の「北朝鮮ミサイル問題」の最大の問題はどこにあるのか。米韓合同軍事訓練「キーリゾルブ」(08年3月、約71万人動員)、「フォールイーグル」(09年3月)で北朝鮮に軍事重圧を加え続け、北朝鮮の種々の動向を口実にした日米帝国主義による制裁と体制転覆—北朝鮮侵略戦争策動ではないか! そしてその占領と支配を足がかりに中国スターリン主義の体制転覆さえも狙っている。
 さらに米帝オバマ政権は、中東、アフガニスタン、パキスタンなどでの米軍増派の戦争拡大を行っているのだ。そのためにペテン的に核軍縮を唱え、世界の反戦闘争を体制内化する策動を強化していることを断じて許してはならない。

 第4章 「海賊対処新法」の成立を阻止しよう!

 赤星海上幕僚長は、ソマリア沖で護衛対象外の外国船舶を救援する時の武器使用の方針を打ち出した。侵略戦争行為の拡大だ。断じて許さない。「海賊対処新法」成立を断固、阻止しよう。
 また日帝支配階級は、ワークシェアリングの強化とともに「民間国土保全隊」なる構想を発表した(3・28朝日)。派遣切り・解雇で職と住居を奪われた青年を半年間、駐屯地に住まわせ、生活費を支給し、職業訓練の名のもとに軍隊への勧誘と反動教育を行うという恐るべき反革命策動である。15兆円という巨額の「追加経済対策」とは、資本家救済と反動的国家総動員体制の構築のために投入されるのだ。また、「平和学習」「職場見学」と称して高校生の修学旅行に駐屯地・基地訪問が導入されようとしている。田母神・つくる会教科書一派による策動であることは明白だ。断固、粉砕しよう。
 労働者・兵士の敵はソマリア人民でも北朝鮮の人民でもない。戦争で労働者と家族そして兵士の命を奪い、首切りで職と命を奪う資本家階級だ。これを世界単一の階級である労働者兵士の闘いによって打倒しなければならない。自衛隊兵士は労働者階級の仲間・同志としてこの闘いに合流しよう。動労千葉の闘いに続き「生きさせろ!」ゼネストへの一歩を全国でともに実現しよう。