4・24法大集会へ 法大文化連盟 大いに語る
不当処分撤回!4・24法大集会へ
法大文化連盟 大いに語る
倉岡さんへの追加処分許すな
出席者
斎藤郁真(文化連盟委員長 法学部)
恩田 亮 (同副委員長 文学部)
増井真琴(同企画局 文学部)
倉岡雅美(人間環境学部)
洞口朋子(経済学部)
新井 拓 (法学部 4・27/5・28弾圧裁判被告)
06年3月14日、法政大学。激しい弾圧は、立て看板規制に抗議する学生29人の逮捕から始まった。ビラをまいたら停学、集会をしたら退学、抗議には逮捕。逮捕者はのべ88人、起訴は22人にのぼる。職員はビデオを片手にストーキング。大学構内には監視カメラと有刺鉄線。学生の自主活動は禁圧、学生団体はつぶされ御用化された。「教育の民営化と戦争」=新自由主義が大学を襲っている。そんな監獄大学に異議を唱え闘っているのが法政大学文化連盟(文連)である。1959年創立、「自主文化創造」の理念のもと、学生自治活動を守り、法大学生運動の伝統を受け継ぐサークル連合体だ。全学連とともに3年に及ぶ死闘にかちぬく姿は、21世紀の学生運動の展望でもある。4・24法大解放総決起集会へむけ、法大闘争のだいご味を文連メンバーに大いに語ってもらった。(編集局)
第1章 倉岡 支配の鎖ぶち破る実力闘争を 洞口 処分が闘う決意へと変わった
新井(司会) 法大闘争に立ち上がったきっかけは何ですか。
斎藤 オープンキャンパスに行って、古い校舎に伝統を感じ、まだ自由が残っているなあと思って07年に入学しました。そこで被処分者の先輩たちの主張を聞いて、間違ってないよなと思っていたら、その先輩たちが目の前で逮捕。「それはないよな、弾劾!」って言ってたら、私の人生は終わってしまった(笑)。
恩田 06年に3・14弾圧が起きて、僕の人生が変わってしまった。最初は弾圧に対して抗議する意志はあった。でも、活動を始めるまで葛藤する時期があった。そんななか先輩たちが弾圧されているのを見て、怒りが募っていったんです。07年、穏便に大学を批判する機関誌を書いてみた。そしたら大学から「厳重注意」の処分を受けたんです。その後、次から次へと僕に嫌がらせをしてきた。昨年5月、俺と友人のケンカに介入して、俺だけ2週間の停学処分。あれでぶち切れましたね。
増井 07年に文学部哲学科に入りました。新歓で、「学生部ナンセンス」という哲学研究会のビラを見て、「なんだここは?」と思って入会しました。初めて会った人間が28歳の男。黒ヘルをかぶっていきなり拡声器を持ってキャンパスでアジッていた。かっこいいなと思った。それが入り口です。
倉岡 私はもともと他大学の学生で、法大デモに参加し、法大でクラス討論をやるようになったんです。そこでは「一緒に闘おう!」と言うんですが、一方で自分が卒業し就職していくことに矛盾を感じていた。法大生に闘いを呼びかけることは、半端なことではない。口だけじゃいかんと。その中にどっぷり身を置きたいと思い、08年に法大に編入したんです。
洞口 自分はもともと働いていた。ちょうど仕事の休憩中に「38人逮捕された」とメールが入って、ものすごい衝撃を受けた。「一体、何が起こっているのか?」とインターネットで文連ブログなどを見て、「学生運動すげえな」と思って。08年7月24日の法大全国集会に参加した。自分たちと同じ世代の人たちが仲間をつくり団結している。本当に感動的だった。自分も法大に行きたいと思って、08年に入学しました。
第1節 攻めの運動が必要
新井 大学当局は08年5・20闘争や10・17闘争などの抗議行動が「大学業務の妨害、誹謗・中傷にあたる」と処分を下してきました。先日、倉岡さんへは追加処分も決定しました。
倉岡 今年1月に停学3カ月の処分、4月8日には追加処分も決定された。斎藤・恩田君に無期停学の処分が先に出た。その時、私の処分が2人より重かったらいいなと思っていた。最先頭で闘っている私が2人より軽い処分だったら、みんなと団結できないかもと思ったから。でも結果的には2人より軽い処分。力関係でそうさせた。敵は私に対してクラス討論とビラまきに弾圧してきたけど、それを処分理由にすることはできなかった。ここが敵の弱点。追加処分弾劾は単なる弾劾闘争ではない。「これ以上処分されてたまるか!」という支配の鎖をぶち破る解放的かつ実力闘争として全学的うねりをつくりたい。
恩田 俺の場合、順をおってきているんです。「厳重注意」「停学2週間」「無期停学」。最初はショックでした。でも、停学あたりからは慣れてきちゃって。無期停学は、「無期懲役」みたいで後味が悪いんだけど、逆にトコトンやってやろうじゃないかって思いました。すぐ後に、斎藤が無期停学とわかって、気分よかったですよ。道連れがいたと(笑)。
斎藤 処分に対して闘えるのは仲間の数の問題だと思うんですよ。いっしょに闘っている人がいるかどうか。私の場合は、無期停学処分。処分がくるとわかって確信的にやってきたから想定された範囲内。明らかに「懲罰」ではなく、「見せしめ」として行われた「文化連盟罪」です。このようなものに屈するわけにはいかない。さらなる抵抗運動で返答したい。
増井 「まだ市民社会で生きれるかも」と考えてる人がリーダーだと駄目。でも市民社会から一回バンジージャンプで落ちる覚悟を決めちゃうと何でもできる(笑)。文連三役では僕だけ「入構禁止」がつかなかった。昨年夏に学費が払えなくて除籍になったから、僕には処分できなかった。だから、事実上の見せしめ処分として、僕に対する名指しの「入構禁止」看板が出た。2人の無期停学処分に加えて「この大学は終わった」と思いました。
洞口 私は譴責(けんせき)処分。厳重注意という意味らしいです。でも、大学に私を叱る権利はない。処分が、キャンパスで闘う決意に変わりました。
恩田 僕たちは、元気にやってるけど、結構、我慢の限界です。1年間やってきて満足感もあるけど、やり方変えないと駄目ですよね。攻めの運動が必要です。パクられて抗議するというのは守りに徹している。そういう意味じゃ、総長自宅デモはよかった。あれは攻めている。
第2章 増井 われわれに無限の可能性ある 新井 教育の民営化打ち破る闘いだ
新井 これまで一番感動した場面は?
斎藤 流れが全部詰まっている5・20闘争です。何度思い出しても感動します。あの時は、文化連盟が大学から非公認化される過程ですから、会議をやるたびに一般サークルがどんどん抜けていく。ジャージ軍団(警備会社の暴力ガードマン)が会場前まで来てにらみをきかせる。増井も「もう無理です」と言っていた。僕たち新執行部内の会議は、「どうするんだ」と泣きそうだった。絶望的な空気だったのは覚えています。そうする中で、恩田さんに対する停学2週間の処分。「よし、5月20日をXデーにして闘おう!」「全学連に結集かけよう!」と覚悟を決めた。5月20日、キャンパス中央で、初めてマイクを握ってみんなで一斉に登場した。奇襲でしたね。ジャージ軍団がパニックになって出てきて、それをみんなでボコボコにして。すごかったですね。
増井 僕も5・20ですね。あの時の議論はすごかった。みんなで文化連盟とは何かって必死に考えた。「学生会館(学生自主管理のサークル棟)をつくった功労者なんだ」「最初に法政大学で学生運動はじめた学生団体なんだ」「だから学生運動であるべきだ」「全員退学になっても、それが文化連盟なんだ」という議論になりました。5・20で断固突撃したけど、全然処分してくれない(笑)。
倉岡 あの時の恩田君のビラが感動的。「1人の仲間も見捨てない」「これ以上の暴挙を許さない」っていうスローガン。
斎藤 確かに感動的な文章だけど、死ぬ気満々なんですよ、あれ。バンジージャンプじゃなくてロープなしで跳んでるみたいな感じ。意外とそのヒモは強靱(きょうじん)だったことに後で気づきましたが(笑)。
新井 その5・20闘争が38人の逮捕者を出した5・28−5・29闘争に火をつけ、「21世紀最初の学生暴動」と称される10・17闘争を生み出した。10・17闘争には250人結集し、実力闘争をたたきつけた。
恩田 10・17は大勝利でしたね。いろいろ勉強になったし。
増井 あれで元気になった。先が見えた。
斎藤 あの延長線上に勝利があると思いました。団結の力ですよね。権利はかちとるものだと身体性をもって分かった。
恩田 「10・17で分岐をつくる、勢力図を変える」と言っていたから、絶対に攻める方針でやろうと決めたんです。前日の作戦会議では、最初は学内デモの方針だった。でも、キャンパス中央封鎖で、ちょっと無理じゃないかという話になって。外濠校舎から、学生センターみたいな狭いところに突入して占拠して圧倒する空気をつくろうという話になった。だから外濠校舎前で大激突になった。
増井 10・17で、われわれには無限の可能性があると感じた。自分の体を使って「わっしょい、わっしょい」するのはめちゃくちゃ楽しいし解放的。法大解放はこの気持ちよさの延長線上にあると思います。
斎藤 5・29を語らずに10・17は語れない。5・29で公安は一度、全学連にボコボコにされている。もう逮捕に踏み切ること自体が不可能だった。人が集まることの力って単純にそういうことなんです。だから本当に、次やる4・24集会に1000人集まったら、法政キャンパスは大変なことになりますよ。4・24は来なきゃ損です。
第1節 金儲けに走る大学
新井 法大当局は裁判所と結託して「情宣活動禁止等仮処分命令」でキャンパスの外でも情宣活動するなと言ってきた。「営業権を侵害するな」と。
恩田 逮捕・処分でも闘いをつぶすことができず、最後のあがきはこれかと。だからショボイなって笑うこともできます。でも、もう法政大学を解放するのは無茶。解放ではなく、もうつぶした方がいい。大学側の弁護士が、芝昭彦という元汚職警官っていうのも、終わってる。
増井 僕は今まで、反大学の人間と話し合って進めていく考えがある程度あった。斎藤君の無期停学処分からそれが変わりました。「営業権」を大学が振りかざすようになったら、この大学はもう破壊するしかない。
斎藤 資本主義にとっては、大学すら市場なんですよね。学問っていう領域が。まさに新自由主義。法政大学は総資産が1600億円で、その内653億円を資産運用に使っている。2007年度3月期の決算の内、資産運用で8・6億円の損失を出している。そのあと9月にリーマンショックがあり、08年度3月期決算で、法政大学は非常に壊滅的な打撃を被っている可能性は高い。だから、オープンキャンパスで学生を確保できなければ、「法政大学は回復不可能な損害を被る」と。われわれが演説やビラまきをしたら破産・倒産します。法政大学との闘いは、まさに新自由主義を破産させている。
新井 そこに法大闘争の革命性がある。「営業権」とは、破産した新自由主義大学による道州制=教育の民営化攻撃そのもの。法大闘争はそれを打ち破る闘いです。だから民営化に勝利している動労千葉と連帯する。
第3章 恩田 うさん臭い権威ぶっ壊す4・24 斎藤 歴史を変革する先駆けの日に
第1節 動労千葉のように
新井 その点で文連は11月労働者集会にも参加した。動労千葉の闘いをどう思いますか。
斎藤 一言で言えば、「人間」ですよね。動労千葉の組合員は年配の人たちが多いわけですが、魂を感じます。非常に若々しく誇りがある。動労千葉は、電車を自分たちで動かせるわけだから、管理者たちに管理されることをまったく望まない。むしろ管理者の命令こそじゃまだと。だから、断固として刃向かうし、会社が資本主義的に倒産しようが関係ない。資本家なんか消えていいって思える力があるからストライキができる。すごくいい人たちです。
恩田 組合運動には男気を感じますね。労働者は生活がかかっているけど、学生は生活がかかってないから、無責任感を伴うところはある。だから労働運動の理屈を学生運動に持ってくるのは、確かに難しい。でも実際、俺らは生活というか、人生かかっているんで全然学べるところはある。俺らに関しては、動労千葉と同じような理屈で、同じような団結がつくれるんじゃないかと思っている。
第2節 4・24集会の決意
新井 いよいよ4・24集会も迫ってきました。
洞口 倉岡追加処分は4・24をつぶすためにある。絶対に追加処分を許さない徹底的な闘いをやって、処分を一日も早く撤回させたい。あらゆる入構禁止や処分を話し合いではなく実力で撤回させて、自分たちが大学の主人公になろうというのが4・24です。全国からの結集をお願いします。
倉岡 処分撤回闘争は単なる抵抗運動ではなく、「キャンパスを学生の手に取り戻そう」ということを学生の力で示していく、すごく壮大でダイナミックな闘い。世界の学生がキャンパスを占拠し、ストライキとデモで新自由主義と闘っているけれど、完全にこれとマッチする闘い! 学生は何ものにも支配されずに、労働者階級の最先頭でラジカルに闘える存在だということを呼びかけ、それを示す闘いとしてやっていきたい。
増井 僕は現在、法政大学の学籍がない、いわゆる「ニート」「フリーター」です。規則的に見れば学外者。だけど、4月24日は法政大学をめちゃくちゃにしてやろうと思っている。何も持たない誰かしらの人たちに勇気や希望を与えることになる。そういう風に自分を位置づけています。「おかしいことにおかしいと言って何が悪いんだ」と文化連盟はよく言うけれど、問題は自分がおかしいと思ったことに対して、自分なりに主張したり行動したりと、身体性を行使すること。それがいちばん気持ちいい。
斎藤 4月24日この日、法政大学が変わる。これに来なかったら重要な歴史を諸君は見逃すと思う。日本では、まだまだ他の国でもあるような、経済や政治の許しがたい現状に対して、おかしいものにおかしいと言って本当に実力でぶつかっていくようなことはないけど、4・24集会は恐らくその歴史の先駆けになると思う。60年安保闘争とか東大安田講堂立てこもりみたいな。人民の皆さん、是非ご結集をお願いします。
恩田 権威というものが、いかにうさん臭いかということが、法政をとおして分かったと思う。法政に限らず日本政府もそうだけど、権威というものは全部うさん臭いんですよ。政府だって三里塚で農民を殺しておいて、偉そうな顔をしている。うさん臭い権威をぶっ壊すのが4・24であると。世の中の偉いと言われている人たち、良いと言われている考え方、いわゆる「常識」、そして「権威」をぶっ壊すという最高の快楽を4・24で味わわせてあげようじゃないか。徹底的に法政大学を蹂躙(じゅうりん)して、われわれの手で占領する。われわれの力を見せてやろうじゃないか。法政から4・24をもって、世界にメッセージを発信する。ともに日本代表になろう!