2009年4月13日

全社連労組の闘争報告 書記長からの投稿 解雇撤回まで闘う

週刊『前進』06頁(2387号3面2)(2009/04/13)

全社連労組の闘争報告
 全社連労組書記長からの投稿
 病院労働者2万人首切りと対決
 ストで解雇撤回まで闘う

 第1章 社保庁解体で病院も売却

 社団法人全国社会保険協会連合会(全社連)は全国の社会保険病院などを運営しています。国は、社会保険庁解体攻撃の一環として、2005年10月に独立行政法人年金福祉施設整理機構(RFO)を設立して、国有財産である施設の売却=職員全員解雇を決定しました。08年10月に全国53の社会保険病院、10の厚生年金病院が売却のために社保庁からRFOに移管されました。ここで働く約2万人の医療労働者の全員解雇がたくらまれています。
 私たちの働く健康管理センターなど4施設は、これに先立って、昨08年9月に競争入札による施設売却が強行され、09年3月全員解雇との闘いが始まりました。
 健康保険病院労働組合福島診療所支部は、03年3月から5年間に及ぶ労働委員会闘争などを闘いぬき、全面棄却・却下の不当命令が出ましたが、「全社連の使用者性」を認めさせています。しかし、支部の団交権を、全社連本部も健保労組本部も認めません。そこで私たちは08年3月14日、全社連労組を結成し、全社連本部を団体交渉に引きずり出し、「施設がなくなっても全社連の雇用責任はなくならない」と徹底追及してきました。
 健保労組本部は、地元議会などへの病院存続陳情運動を展開していますが、売却による解雇については取り組みを放棄しています。このような日本共産党路線との決別ぬきには、解雇撤回闘争は成り立たないところに来ていました。

 第2章 ストで反撃し組織拡大実現

 今年に入って、全社連労組は、1月14日と21日、2波の終日ストライキを打ちぬき、これにこたえた新たな結集で組合員は3倍化しました。まさに「生きさせろ!」ゼネストです。
 2月の「希望退職」期限をつきぬけた闘いに恐怖した全社連は「自宅待機」命令を出しました。
 全社連労組三役は、3月11日、東京都港区高輪の全社連本部に実力就労しました。翌12日には、全社連は門を閉め鉄鎖まで巻きつけて、出勤してくる職員も来客も追い返して立てこもる始末で、逆封鎖で完全にストライキ状態となりました。
 そして3月12日付で「解雇予告通知書」を送りつけてきました。
 これに対して全社連労組は、3月19日、史上初の全社連本部でのストライキ行動に立ち上がりました。全社連本部は、完全に正門を閉めきって本部建物の中に隠れ続けましたが、組合員は終日、正門前を制圧し、連帯集会・リレーアピールをやりぬきました。「組合のほうが完全に勝っている!」——19日のストライキで組合員はさらに団結を強め、3月31日解雇をつきぬけて、解雇撤回まで徹底的に闘いぬく決意をうち固めました。
 この日の行動には、動労千葉やス労自主、東京の西部・なんぶ・東部の各ユニオン、福祉労働者連帯ユニオンなどの仲間も早朝から行動をともにしました。品川駅前のエクソンモービル本社で春闘ストライキを打ちぬくス労自主との連帯行動を展開し、プレミア本社・ラディア本社でのストライキを闘った関西合同労組の仲間とともに全社連本部前でスト貫徹集会をかちとり、渋谷街宣に合流し、3・20闘争をともに闘いぬきました。

 第3章 全社連を徹底追及するぞ!

 敵は、闘いが社会保険病院・厚生年金病院2万人の解雇撤回闘争に発展することに戦慄(せんりつ)しています。私たちは、大恐慌時代に労働者や労働組合がいかに闘うべきかを追求してきました。ひとたび闘えば必ず焦点化して情勢を揺るがし、勝利を切り開くことを確信しました。大恐慌と大量解雇の時代に、先を制して闘いを準備して決起した1年でした。
 整理機構は、2010年9月までに全施設を売却して解散することになっています。10余人の全社連労組が1〜3月闘争をたたきつけるや、全員「退職」を1年前から周到に準備していたはずの全社連はフラフラになりながら、不当解雇強行に追い込まれました。この全社連が、あと1年半で53病院・2万人もの売却・解雇を強行しなくてはならないのです。全社連の破産と全社連労組の勝利は必至です。
 私たちは、全社連を地の果てまでも追いこみ、必ず勝利します。解雇撤回まで、とことん闘います。53病院2万人、さらには、統廃合・整理解雇に直面する公的医療部門・公益法人100万人の労働者の先頭で闘います。道州制攻撃に対しても、4大産別を先頭に国鉄闘争のように闘えば、絶対に勝てます。その先駆けとなって勝利の時代をきりひらきます。

 第4章 展望あるから元気に闘える

 4・25尼崎闘争に向けた関西労組交流センターの決起集会が4月5日にエル大阪で開催されました。3・6府庁前闘争、3・19上京ストライキなど、1〜3月闘争を闘いぬいた仲間が一堂に会し、闘いの第2ラウンドをともに宣言しました。
 国鉄1047名闘争に対する3・25東京高裁判決で情勢は一変しました。体制内指導部は崩壊と退場のときを迎え、非和解で団結して闘う労働運動の出番です。森精機闘争も全社労闘争も前人未到の闘いですが、このような闘い方しか勝利できない時代の先駆けです。道州制による360万人解雇=選別再雇用、6000万労働者全体を低賃金・非正規・無権利の奈落に突き落として延命をたくらむ資本主義そのものとの闘いです。
 私たち全社連労組は、当然の要求を、当たり前の行動で闘っています。闘いの展望があるから、私たちは明るく元気に闘う事ができると思っています。今、私は人生の中で最も充実した楽しい闘いを謳歌(おうか)しています。これからも闘いぬく決意です。今後もご支援よろしくお願いします。ともに闘いましょう。