2009年4月 6日

紹介 共産主義者160号 〈大恐慌を革命へ!〉の時代認識

週刊『前進』08頁(2386号8面4)(2009/04/06)

紹介 共産主義者160号
 〈大恐慌を革命へ!〉の時代認識と路線の決定的な前進

 〈大恐慌を革命へ〉のスローガンほど、今の情勢にふさわしいものはない。「大恐慌は労働者に災厄をもたらすだけではない。それは世界革命の扉を荒々しく押し開く。世界は革命情勢だ。求められているのは、命脈の尽きた資本主義体制の改良ではなく革命である」——革共同政治局の09年1・1アピールの提起のとおり、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の時代認識と路線の実践は、すべての体制内勢力の限界と反動性を暴き出した。そして激烈な党派闘争をつうじて青年労働者・学生の情勢牽引(けんいん)力を爆発させ、3・20国際反戦闘争を中心に今春決戦の高揚を切り開いた。

 第1章 情勢論を深化させた島崎論文

 本号では、巻頭・島崎論文が1・1アピールのこの画期的提起を情勢論の面でさらに深化させた。今日の世界大恐慌情勢を不可逆なものにしている最大要因は何か。それこそ、新自由主義による「『金融帝国』化と過剰消費という80年代以来の米帝の延命のあり方が終わった」ことだ。「米帝の歴史的没落」こそが全世界的に「資本主義の終わり」を刻印しているのだ。労働者の国際的・階級的団結の力で今こそ資本主義・帝国主義を倒せる。このことが島崎論文で一層明確になった。
 帝国主義の基本矛盾とは「29年型世界大恐慌の不可避性」と「帝国主義体制の危機と帝国主義戦争の不可避性」である。革共同6回大会報告の提起を塩川一派に突きつけ、〈大恐慌を革命へ〉のスローガンこそレーニン主義の今日的な革命的継承であることを明らかにした。
 中央学生組織委員会の論文は、06年3・14法政大弾圧以来3年間の激闘をつうじて学生戦線が切り開いた地平の巨大さと清新な迫力を力強く押し出している。
 「3年間の法大闘争は、60年闘争・70年闘争をこえる『21世紀の学生運動像』を生みだし、マルクス主義学生同盟1000人建設の指導部の中核を形成した。今こそ、法大決戦の全内容で3万法大生のみならず300万学生をマルクス主義で総獲得するときだ」——この自信と心意気を生み出したものこそ「動労千葉労働運動のストレートな実践」であり「『労働者・学生は必ず決起する』というマルクス主義的確信」だ。新自由主義大学・法政への痛烈な批判も、突き抜けた明るさと勝利感に満ちている。
 07年7月テーゼと階級的労働運動路線のもとで諸戦線の綱領的・路線的深化と実践をさらに闘いとろうという1・1アピールの訴えは、各戦線で路線的再確立への成果をあげ始めている。

 第2章 路線確立に向け2つの戦線論文

 前号の反軍闘争論文に続いて、入管闘争と障害者解放闘争の2戦線で4者4団体派、塩川一派らとの対決軸を鮮明にさせつつ、階級的労働運動路線−プロレタリア革命の中でこそ各戦線の課題が根本的に解決されることを解明している。「動労千葉労働運動の全面的実践が入管闘争の勝利の路線である」と言い切り、道州制攻撃の重要な一環としての新たな入管法改悪攻撃に立ち向かおうと提起した五十嵐論文。07年7月テーゼの再確認を軸に血債主義・糾弾主義を批判し、プロレタリア革命の闘いそのものとして障害者解放をすえきった岩崎論文。ともに重要な路線提起だ。

 第3章 賃金闘争論復権させる岩谷論文

 階級的労働運動路線の実践のために、マルクス主義の学習と復権が強く求められている。本号でも、『賃労働と資本』を取り上げた前号畑田論文の成果に続き、『賃金・価格・利潤』に関する岩谷同志の力作を掲載。労働者にとって賃金とは何か、賃労働とは何か、賃金闘争とは何か、そして労働組合とは何かが現実の実践課題と結びつけて提示された。
 「①賃金闘争をはじめとした資本との日常的攻防戦の不断の貫徹、②賃金制度の廃止−労働者階級の究極的解放に向けた闘い、を一個二重のものとして闘いぬくことが労働組合の任務」である。岩谷論文は、賃金闘争がプロレタリア革命につながる決定的な闘いであることをはっきりさせ、両者を分断する体制内派の誤りをえぐり出した。マルクス主義的時代認識と路線の獲得に今号を役立ててほしい。