2009年4月 6日

「在留カード」導入阻止へ 在日・滞日外国人労働者と団結を 革共同入管闘争組織委員会

週刊『前進』08頁(2386号8面2)(2009/04/06)

道州制・民営化攻撃と闘い「在留カード」導入阻止へ
 在日・滞日外国人労働者と団結を
 革共同入管闘争組織委員会

 3月冒頭、日帝・麻生政権は入管法改悪案を国会に提出した。外登法廃止と「在留カード」新設を柱に、入管法による在日・滞日外国人の一元的支配を狙う入管法改悪攻撃は、戦争と民営化・労組破壊を狙う道州制攻撃の一環としてあり、粉砕あるのみだ。第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦勝利へ全力で闘いぬこう。動労千葉労働運動を本格的・全面的に実践することこそ、入管闘争勝利の唯一の路線だ。4・19京都大学、5・10横浜市教育会館で開かれる「外登法・入管法と民族差別を撃つ東西研究交流集会」を”春の労働者集会””国際連帯集会”としてかちとり、11月1万人結集の実現に向けて進撃しよう。

 第1章 全世界でストライキが爆発

 世界大恐慌の情勢が日々深まっている。帝国主義=資本主義はついに終わろうとしている。この情勢を労働者階級の側が主導権を握りしめプロレタリア革命に転化し、真の終焉(しゅうえん)を実現する時が来た。
 「仕事をよこせ」「食料をよこせ」「住むところをよこせ」「生きさせろ」——世界中で共通の怒りが爆発している。世界の労働者階級は急速に団結を強めている。3・20イラク反戦闘争・渋谷デモは「生きさせろ!」の怒りを貫く闘いを全世界に呼びかけた。動労千葉労働運動は、国際階級闘争の最前線に躍り出、民族・国籍・国境を越えた団結の中軸となり、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国民主労総とともに、労働者階級の国際的団結の実現にむけて奮闘している。
 動労千葉の3・17〜19全面ストライキを先頭として、今春闘は「生きさせろ!」と叫ぶ青年労働者を軸にストライキが続発した。世界に目を向ければ、フランス300万ゼネスト、ニューヨーク、ロサンゼルスなどアメリカ労働者の決起、韓国・民主労総の闘いなど闘いにあふれている。
 日帝・麻生政権と日本経団連は連合を引き込み、3月23日、「雇用維持へ『日本型ワークシェアリング』を強力に推進する」とうたう政労使合意を発表し、資本主義の危機からの脱出を策してあがいている。体制内派こそ、資本主義の延命のために、ブルジョアジーと一体となって労働者の生活と権利を踏みにじり、団結を解体することを自己の任務としているやからである。

 第2章 入管法改悪を絶対に許すな

 第2次国鉄決戦・4大産別決戦勝利、民営化・道州制攻撃粉砕の闘いを大爆発させ、民族・国籍・国境を越えた団結をつくり出す09年入管闘争は、1〜3月決戦の白熱的実践の中で、着実な前進を闘い取ってきた。
 3月3日、住民基本台帳法に在日・滞日外国人を組み込む改悪案を閣議決定。3月6日には入管法改悪案を閣議決定し、国会に提出した。
 なぜ今、入管法改悪なのか。それは、世界大恐慌情勢の中で日帝が生き残るために道州制攻撃をもって戦争国家への国家大改造に踏み込もうとしているからだ。日帝・ブルジョアジーは破産した新自由主義を絶望的に凶暴化させ、国家主義的イデオロギーのもとで労働者階級の団結を破壊し、労働者は資本のために犠牲になれという攻撃を強めている。
 だが、入管体制は今日まで在日・滞日外国人と日本労働者人民の闘いによって粉砕され続けてきた。90年に労働力政策として導入した日系外国人の特例措置は、大恐慌の到来で完全破産。昨年の難民申請者が1599人に上り、難民認定制度そのものが大きく揺らいでいる。さらに今回外登法の廃止が打ち出された。
 こうした現実に追い詰められた日帝は入管体制を強化し、”内乱勢力”を一掃しようと乗り出したのである。
 今回の入管法改悪の柱は、2年前から策動していた「在留カード」だ。中長期在留外国人を対象とする「在留カード」を新設するとともに、特別永住者には「特別永住者証明書」を発行し、入管法による一元的管理を推し進めるものだ。「特別永住者証明書」は7年ごとの更新と常時携帯・提示義務が課され、刑事罰制度もそのままであり、外国人登録証が本質的に継続している状態を強制するものである。
 09年外登法廃止・入管法改悪の狙いは第一に、世界大恐慌突入=革命情勢到来に対応した戦時型治安管理体制の確立だ。道州制攻撃の中で、国の形を変えるとして入管体制を強化し、「不法滞在者を生まない社会の構築」(「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」より)を狙い、ここに労働者人民を動員しようというのだ。
 さらに第二に、究極の分断攻撃である。日本社会で暮らす220万人の在日・滞日外国人を在留資格で分断し、在留資格の有無で分断し、「適法な在留資格を有する外国人」には徹底的に同化を迫る一方、「日本国家に有害な外国人」を日本社会から排除、追放するものだ。
 この追放政策と表裏一体のものとして、第三に「適法に在留する外国人」は住民基本台帳に組み込み、「国を守る気概を持て」と迫る同化攻撃なのだ。戦前、日帝は朝鮮人・中国人に参政権を認め、国会議員を生み出したが、在日の利害代表などではなく、専ら「内鮮一体」を体現する存在でしかなかった。
 また1938年の国家総動員法の公布と同時に朝鮮人・中国人にも徴兵制が適用され、軍人・軍属として日帝の侵略戦争に駆り出された。
 しかし、このような究極の分断−同化・追放政策へと日帝を突き動かしているのは、革命情勢の接近を千載一遇のチャンスととらえ、情勢決定要因として登場している11月集会派、動労千葉派と在日・滞日人民が結合することへの絶望的な恐怖にほかならない。それならば、われわれの回答は一つだ。東西研究交流集会が掲げる「打ち破ろう分断! 取り戻そう団結! 民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!」のスローガンこそ、その回答だ。時代が求める革命のスローガンだ。今こそ団結し、共通の敵である資本主義を倒すために闘おう。

 第3章 4・19—5・10入管集会へ!

 4〜5月入管闘争を、第2次国鉄決戦・4大産別決戦勝利、道州制粉砕闘争そのものとして闘い取ろう。
 3月25日に鉄建公団訴訟控訴審で出された判決は、1047名闘争そのものを解体しようとする極反動判決だ。4者4団体派をぶっ飛ばし、国鉄決戦勝利・4大産別決戦に突き進もう。
 国際階級闘争は体制内派による資本主義擁護、自国民労働者の保護を主張する勢力の形成をはねのけ、ランク&ファイルの力強い職場闘争へと発展している。
 この時、階級的労働運動を憎悪する塩川一派は、転向・スパイ集団として純化し、入管闘争を戦争責任、差別告発のみに切り縮め、血債主義・糾弾主義にのめり込んでいる。そこにあるのは労働者階級に対する不信・絶望だけだ。
 70年7・7から本格的に闘われた入管闘争は、入管体制粉砕・日帝打倒の路線を貫いてきた。二重対峙・対カクマル戦争の開始の中で、入管闘争を体制内的な差別・抑圧告発−糾弾の運動へと歪曲していったのが第4インターの潮流だった。今や塩川一派はこの第4インターに自己批判し、三里塚闘争の原則をも解体しようとしている。
 われわれは、7月テーゼの実践として、血債主義、糾弾主義を粉砕し、新たな本来の入管闘争への転換をかちとった。入管体制のもとでの民族差別と排外主義の激化、入管収容所や強制送還というすべての入管攻撃に絶対反対を貫き、入管体制による分断を打ち破って階級的・国際的団結を取り戻し、革命に直結する入管闘争の路線を鮮明にさせた。
 在日・滞日外国人と結合し、地区党の強化を闘い取ろう。民族・国籍・国境を越えた世界単一党の建設を闘い取ろう。
 3・20イラク反戦、3・29三里塚の地平を引き継ぐ4〜5月入管闘争の爆発はその闘いの突破口だ。入管法改悪=「在留カード」導入阻止へ、麻生政権−法務省への抗議行動に立とう。職場で地域で学園で、在日・滞日外国人労働者とがっちりとスクラムを組み、動労千葉労働運動を実践しよう。