東京卒業式不起立処分 分限免職許さず勝利 6年目の闘い広がる
東京卒業式不起立処分
分限免職許さず勝利
6年目の闘いさらに広がる
3月31日午後、卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立・ピアノ伴奏拒否を貫いた教育労働者に対する都教委の処分が発令され、水道橋の東京都教職員研修センター前で、教育労働者を先頭に250人が弾劾行動を闘いぬいた。
03年「10・23都教委通達」以来、不起立を続けてきた根津公子さんは、07年、08年とすでに2回の停職6カ月処分を受けている。今年も不起立を貫いた根津さんの処分がどうなるのか。根津さんの処分発令は午後3時。シュプレヒコールを上げながら緊張して待った。
根津さんが出てきた。満面の笑みだ! そして「停職6カ月!」の声。
「やった〜!! 解雇を阻んだぞ!」 大きな歓声が上がり、拍手が沸き起こった。
まったく不当な処分であることは言うまでもない。しかし、昨年3月は「停職6カ月の次は懲戒解雇」と言われる中で、それを打ち破って勝利。今年は、都教委が昨年7月に新たに「分限対応指針」を作成し、不起立被処分者の分限免職を策動する中で、解雇を阻んだのだ。大勝利だ!
解雇の脅しに屈せず、堂々と不起立を貫く根津さん、河原井さんを先頭とした東京の教育労働者の闘いが、分限対応指針を無力化したのだ。
今年の卒業式の「君が代」不起立・不伴奏を理由に、31日に発令された処分は計13人。文書訓告が1人、戒告処分が4人、減給(10分の1)1カ月が1人、減給(10分の1)6カ月が4人、停職3カ月が1人、停職6カ月が根津さんと河原井さんの2人だ。03年「10・23都教委通達」から6年目の卒業式でも新たな不起立者が登場し、闘いは広がっている。
どれだけ不当な処分を乱発しようとも、教育労働者の誇り、労働者魂をたたきつぶすことはけっしてできないことを、今年の不起立闘争は断固示したのである。
この現実に追い詰められているのは都教委だ。
「10・23通達」直後には、「不起立3回で解雇」といううわさがまことしやかに流され、一切の抵抗が封じられようとした。しかし、東京の教育労働者の6年間にわたる不屈の闘いは、「不起立解雇はできない」という力関係をつくった。
今、道州制攻撃により、教育労働者に大量解雇が襲いかかろうとしている。国鉄分割・民営化型の攻撃を全社会に押し広げ、教育労働者・自治体労働者を大量解雇・非公務員化・非正規雇用化する道州制攻撃は、6000万労働者総体にかけられた大攻撃だ。
第1章 道州制攻撃に緒戦で大反撃
この時に根津さんの分限免職を阻んだことは、ひとり根津さんの問題でも、「日の丸・君が代」不起立闘争だけの問題でもない。大量首切りと非正規雇用化と対決する闘いの巨大な突破口を開いた大勝利である。
職場闘争を放棄した裁判唯一主義と決別し、職場に団結をつくり出し、文科省・都教委の先兵と化した組合幹部をぶっ飛ばして、道州制攻撃と全面対決しよう。「不起立で団結しよう」「日教組本部をうち倒し、闘う労働組合を取り戻そう」と闘えば必ず勝利できる。確信も固く闘いぬこう。