「ミサイル迎撃」大演習許すな 4・21日比谷集会とデモで反撃を
「ミサイル迎撃」大演習許すな
4・21日比谷集会とデモで反撃を
北朝鮮が4月4日〜8日に「人工衛星ロケット」を打ち上げると発表したことに対し、日帝・浜田防衛相は3月27日、自衛隊法82条の2に基づき、「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令した。これは日帝の側からの北朝鮮への戦争突入である。戦後日本の安保政策の大転換であり、日帝の侵略戦争政策の新段階である。労働者階級の反戦の怒りを総結集し、4・21日比谷野音集会とデモで大反撃しよう!
第1章 麻生の突出した「破壊措置命令」
2月末に北朝鮮が予告したことに対する麻生政権の対応は、米帝などのそれと比べても非常に突出したものである。3月2日に麻生自身が迎撃作戦を打ち出し、その準備に一斉に動き出した。
支持率低迷と麻生降ろしの動きの中で、危機の麻生はこの「ミサイル迎撃」(および民主党・小沢に対する指揮権発動・国策捜査)で起死回生の逆転を図ろうとしているのだ。麻生派議員は「危機管理に成功すれば支持率が上がる」「神風だ」と公言した(朝日新聞3月28日付)。
07年3月に配備した弾道ミサイル防衛システム(BMD)を実際に発動し、日本海にSM3(海上配備型迎撃ミサイル)を積んだイージス艦を配備し、地上ではPAC3(地対空誘導弾パトリオット3)が東北地方に大がかりな移動をした。また、防衛省敷地内にもPAC3が配備された。
まるで開戦前夜のようだ。日本が「攻撃」されるわけでもないのに、今にも日本の上空から北朝鮮のミサイルが撃ち込まれ、とんでもない被害を被るかのような報道が横行している。そして”国土を守るためにミサイル迎撃は当然である”とする宣伝がなされている。
それだけではない。東京都では、「発射情報」を各区市町村に緊急伝達する訓練が3月31日、行われた。まるで、東京が北朝鮮の核ミサイルで今にも攻撃されるかのような騒ぎ方ではないか。
1933年8月、「関東地方防空大演習」が実施されたが、これは「米軍の空襲」を想定し、本格的灯火管制を実施して「非常時」意識を鼓舞するのが目的だった。これと同様のことが今、行われているのだ。
石原都知事は「変なものが(日本の)間近に落ちるなんてことがあった方が、日本人は危機感、緊張感を持つんじゃないかな」と述べた(3月27日)。人民を戦争に駆り立てようとする支配階級の本音がむき出しだ。
さらに31日、衆参両院の本会議で、「ミサイル発射準備を進める北朝鮮に抗議し、自制を求める決議」がそれぞれ全会一致で採択された。北朝鮮に対する「挙国一致」の宣戦布告に等しい。
日本共産党や社民党が「北朝鮮のミサイルが国連安保理決議違反だという文言を削除させた」などと言うのは言い訳にもならない。なぜ日米帝国主義の圧倒的な核戦力、軍事重圧と脅迫が非難されないで、北朝鮮に対する決議が出されるのか。この転倒した議論に異を唱えず、麻生政権に協力するのは大犯罪だ。
「北朝鮮が人工衛星と主張しても、それは弾道ミサイルと同じであり、国連安全保障理事会決議に違反している」と言うのは、日本が打ち上げている人工衛星も大陸間弾道弾に転化できることを自ら認めるものだ。
第2章 問題は米日帝の北朝鮮侵略戦争
そもそも北朝鮮の「人工衛星」打ち上げ予告は、金正日スターリン主義体制の米帝オバマ新政権に対するメッセージであり、同時に国内支配体制の強化とイランなどへのミサイル売り込みのための演出である。総じて実に反人民的なものである。しかし、問題の中心は、この北朝鮮のミサイル計画を口実とし餌食として帝国主義が侵略戦争をやり、北朝鮮の体制転覆を図ろうとしていることにこそあるのだ。
圧倒的な核戦力を持っているのは米帝と日帝の側であり、押さえ込まれているのが北朝鮮であることは紛れもない事実だ。沖縄を始めとする在日米軍基地が「北朝鮮有事」に備えて臨戦態勢に入っている。北朝鮮の「ミサイル基地」は米偵察衛星によって丸裸にされ監視されている。
「脅威」と言うなら、日々周辺住民を脅かしている米軍基地の存在、例えばキャンプ・ハンセンの実弾演習の流れ弾の方がよほど脅威だ。
北朝鮮が打ち上げる「人工衛星」を自衛隊が迎撃し、もし撃ち落としたら「大戦果」として称揚し、撃ち落とし損ねたら、「撃ち落とせるようにもっと訓練を」と、総括する。そうしてついには、「究極的には敵基地を先制攻撃しなければ守れない」とする「先制第一撃」戦略に発展することになるのだ。
ミサイル迎撃の暴挙に反対し、ソマリア沖派兵の強行を許さず、「海賊対処法案」の通常国会成立を阻止しよう。道州制、裁判員制度、改憲の攻撃を打ち破ろう。すべての怒りを裁判員制度阻止の4・21日比谷野音集会(要項6面)に大結集し、戦争と改憲の攻撃に反撃しよう。