2009年3月30日

2・26西郡闘争の教訓 部落解放闘争の路線的飛躍

週刊『前進』06頁(2385号5面5)(2009/03/30)

2・26西郡闘争の教訓
 部落解放闘争の路線的飛躍
 一つの階級として団結し決起

 第1章 地区党の飛躍かけ全力決起

 われわれはこのかん、「恐慌を革命へ」「世界単一の労働者党建設」の実践として、プロレタリア独裁を実現する地区党への飛躍をかけ、総力で森精機の3波ストに決起した。時代認識で一致し、資本と闘って路線を現場でつくることを学び、第2、第3の動労千葉と階級的指導部形成へ向けた闘いを開始した。この地平から2月26日、森本政二さんに対する住宅明け渡しの強制執行阻止闘争に決起した。
 2・26闘争に向け「体制内派は単なる日和見主義や反動ではなく闘争圧殺の先兵。地区協こそ4者4団体派であり、これとの激突がムラの総決起をつくりだす」ことを明確にさせた。さらに、資本主義の危機の激しさゆえの道州制の先端攻撃として強制執行をとらえきった。この2点での武装と構え直しが、階級的団結論を深め、部落解放闘争の路線的飛躍をかちとる決定的テコとなった。
 わが地区委員会は「強制執行はわれわれの路線への挑戦である。地区党として受けて立ち、必ず勝利する」と腹をくくった。そして、2・26闘争を一個の蜂起として構え総決起し、断固として責任を取りきり勝利した。

 第2章 八尾北ストで労組が主導性

 応能応益家賃制度は、住宅の民営化による住民追い出し攻撃だ。解放同盟本部派=地区協が「見返り」と引き換えに行政の手先になって推進してきた。すでに1000人以上の労働者が西郡から追い出されている。しかし、部落解放同盟全国連合会西郡支部は、応能応益絶対反対を貫き、家賃供託で団結を守り抜いてきた。店舗と住居を奪う強制執行に対して森本さんは「自分だけの問題じゃない」と、西郡支部と団結し決起した。
 これを受けて八尾北医療センター労組は、2月18日にスト権投票を行い「強制執行絶対反対、八尾北医療センター民営化絶対反対のストライキ」を決定し、26日にストに立つことを宣言した。
 「八尾北労組は森本さんの手を絶対に離さない。資本が打ち込んだ部落差別による分断を全国連西郡支部とともに実力でぶち破り、ひとつの労働者階級として決起する」「道州制の突破口に位置づけられた公立病院の閉鎖・民営化攻撃は、労働者の生首を切り、生存条件以下の奴隷労働にかりたてようとしている。私たちは奴隷じゃない!」「労働者の武器である労働組合を今こそよみがえらせ、資本の墓掘り人としての労働者の団結と誇りを取り戻す。それが2・26ストライキだ」(「スト宣言」)
 スト権投票に至る過程で労組は真剣な討議を積み重ねた。「資本主義はもう終わりだ」との時代認識に立ち、資本主義を前提にした「地域医療を守れ」という体制内思想と闘った。「森本さんへの強制執行は6千万労働者にかけられた道州制攻撃」「民営化=団結破壊との闘いそのもの」「労働組合の絶対反対の闘いが時代を切り開く」「部落民も労働者。ひとつの階級を部落差別によって分断してきた資本主義の分断支配を打ち破る」「医者も労働者だ」。
 そして、スト決定から当日までに労組員の意識はドラスティックに転換していった。スト賛成票を50%も上回る労組員が、強制執行実力阻止の闘いを決断し決起した。
 また「患者も労働者だ」と「八尾北命と健康を守る会」も労組と一体で立ち上がった。この力で八尾北労組は、25日に八尾市にスト通告書をたたきつけ、26日には終日ストを貫徹した。
 2・25〜26決戦は、労組がストライキで決起し、地域の労働者を組織して闘いきったことに核心的内容がある。
 住宅問題が6千万労働者の闘いになり、道州制粉砕の最初のストライキに、自治体、教育、国鉄、全逓労働者がともに決起した。森精機の派遣労働者もともにスクラムを組んで権力と激突した。労働組合の革命闘争における主導性が鮮明になり、労働組合が地域ソビエトを組織していく萌芽がここにはあった。

 第3章 勝利の確信を全員が共有

 さらに決定的だったのは、部落解放闘争の革命的路線的飛躍を実現したことだ。部落民が労働組合をとおして「労働者はひとつ」であることをつかみとり、分断を打ち破って労働者階級としての単一性を実際の闘いをとおして奪還した。「われわれは誇り高き労働者階級だ」(八尾北労組員=西郡支部員)、「労働者の団結に生きる」(森本さん)という確信は闘いの中でつかんだものだ。「労働者が団結すれば本当にすごい力がある」(八尾北労組員)ことを示した闘いだった。
 西郡支部は、森本さんとひとつになり「強制執行来るなら来い」と支部全体の決意をうち固めて立ち上がった。
 女性労働者が多数の八尾北労組が、固いスクラムを組み肉弾戦で権力に立ち向かい追い返した。2人の医師は前夜から森本さん宅に泊まり込み、座り込んで闘った。あちこちでガードマンを味方につけ、動員された八尾市職員を動揺させ、正面を敵権力に一歩も踏み込ませず守り抜いた。
 執行官らは卑劣にも裏口から鍵穴をこじ開け侵入した。しかし「われわれは勝った。失うものは何もない。家を奪われてもこの団結があれば勝てる」と森本さんは階級的確信をつかんだ。現場で闘いぬいたすべての仲間がこれを共有した。供託者も「今日の闘いは誇りだ」と確信を深めた。

 第4章 全国連本部と地区協の破綻

 ムラのど真ん中で権力と激突し勝利した2・26闘争は、地区協支配を破綻させた。地区協の吉村議員は3月6日の八尾市議会で、「見返りをもらって応能応益に賛成した」「外の者が口出しするな」と言い放ち墓穴を掘った。差別を使い行政からモノを取るため、解放運動を階級闘争から切断し、資本が部落差別で労働者を分断する攻撃に手を貸し固定化してきた正体があらわになった。
 決定的なのは与田残党が巣くう全国連本部だ。このかん強制執行について一切語らず、1カ月もたった3月20日になって「見解」を出してきた。2・26闘争でついに引きずり出された全国連本部は、資本・権力に屈服し先兵と化した体制内勢力としての本性をむき出しにしてきた! 徹底的に批判・断罪する!
 第一に、森本さんへの強制執行は「迷惑行為をめぐる条例違反です」と完全に八尾市行政の立場に立ち、強制執行賛成を表明している。住民追い出しの道州制・民営化攻撃に屈服し、その先兵になり果てているのだ。
 第二に、森本さんは「もともと他に住み……、店も大阪市内に別に持って営業しておられます」と許し難いデマで踏みにじっている。絶対に許せない。
 第三に、「見解」には解任された元青年部長Yの「手紙」なるものが添付されている。その中でYは「今ひとりも(デッチあげ)青年部が欠けるわけにいかないから(2・26の現場に行かなかった)」「逮捕者もなく拍子抜けした」などと言っている。権力の弾圧にすくみ上がりながら、闘う者への弾圧を期待していたのだ。ふざけるな!
 第四に、最大の核心は、八尾北労組のストライキに憎悪を持ち、日本共産党の矢田教育差別事件と同じだとしていることだ。部落民を革命から引きはがすため、労働者(階級)への不信と絶望を組織し、団結破壊をやるという宣言だ。
 2・26ストは労働者をひとつに団結させ、労組の団結が解放運動の革命的飛躍を実現した。八尾北労組と西郡支部を破壊する策動を許さない。
 大恐慌は革命の時代だ。地区協と全国連本部を打倒し、1047名解雇撤回・国鉄決戦勝利、民営化・道州制粉砕、11月集会1万人決起の先頭で闘おう。
 〔革共同東大阪地区委員会〕