反対同盟は訴える(下) 事務局次長 萩原さん、事務局員 鈴木さん
反対同盟は訴える (下) 事務局次長 萩原 進さん、事務局員 鈴木 謙太郎さん
第1章 弾圧恐れぬ覚悟で闘う 事務局次長 萩原 進さん
3月12日、現闘本部裁判の「結審」という千葉地裁・仲戸川裁判長の暴挙に、腹の底からの怒りを抑えられない。仲戸川は最初から反動判決ありきの姿勢で腹を決めていた。その正体を完全にあらわにした。
われわれがそれを上回る覚悟と気迫で闘うことだ。そうでなければ最終弁論なんて言っても、ひととおりやって次はもう敵の思うままの判決だ。その結果は市東さんの農地裁判に連動する。絶対に負けるわけにはいかない。次回は全員が腹を固めて弾圧を恐れず、裁判所・法廷に突入しよう。
世界的な大恐慌が爆発した。予言したとおりではあるが、われわれはこういう日のために闘いぬいてきた。ついに延命のための万策がつきたのが今の帝国主義体制だ。
こうした中で三里塚闘争への攻撃も、建前をかなぐり捨てた非常識なものだ。二度にわたる暫定滑走路の北側延伸、そして離発着を30万回に増やして24時間空港にする攻撃だ。地域の反動勢力を動員しながら「10月完成・来年4月供用」を打ち出している。
これらと軌を一にしているのが、市東さんに対する農地強奪の攻撃だ。ここには帝国主義の農民切り捨て、農業破壊の本質がある。今国会に農地法の改悪が出されてきたことは偶然ではない。これらの攻撃が体制の延命をかけて一斉に襲いかかってきたのだ。
このときこそ労働者階級との労農連帯を強化して、共通の敵である支配階級・国家権力に対して闘うべきだ。同時に全国住民闘争、関西や沖縄などとの連帯を強化していくことが重要だ。
この間、退任前の堂本暁子千葉県知事が東峰部落に足を踏み入れた。自分が三里塚の闘いを切り崩せなかったことの心残りだろうが「国やNAAとの仲介の労をとる」などと申し入れようとして追い返された。堂本はもともとこの地を訪れて「人の住めない場所だ」と言い放ったことを、われわれはけっして忘れない。次の千葉県知事がもうすぐ決まるだろうが、誰になろうと「空港絶対反対・農地死守」の原則を固めて闘うのみだ。
いま農民の怒りは全世界に満ちている。国内でも農民の闘いが全国的に始まっている。三里塚はその先頭で闘う。労働者と農民は手を結び、3・29三里塚全国総決起集会に立ち上がろう。その力で市東さんの農地を守ろう。成田の軍事基地化を阻止しよう。
第2章 農地死守は絶対譲れぬ 事務局員 鈴木 謙太郎さん
3月12日の「結審」は本当にデタラメだ。これはもう裁判とは呼べない。反対同盟として腹を固めて、絶対に現闘本部と市東さんの農地を守りぬく決意だ。
今の農地法第1条にあるとおり、耕す者にこそ権利がある。今度の農地法改悪は、優良農地を保護するための法律だという建前をとっているが、現実にはまったく逆になるのではないか。農水省案では、第1条を「農地は有効利用する者に権利の取得を促す」という内容に書き換えようとしている。企業に「どんどん農地を買え、利用しろ」と仕向けることになる。
愛知県刈谷市の例では、何億円もかけて土地改良した優良農地が見渡す限りトヨタの倉庫になっていた。農地賃料の100倍も出されればそうなる。「農家が大規模化すればよくなる」みたいなことがしきりと宣伝されているが、そんな単純なものじゃない。日本の農家は家族経営が中心でやってきた。後継者が不足しているのは農産物の輸入自由化で値段を下げて、農業の魅力をなくして、農家を実際に食っていけない厳しい状況に追い込んだからだ。そういう現実をつくったのは今の自民党政府だ。
反対同盟が結成されたとき、俺は小学校6年生。少年行動隊は俺より下の世代だ。第1次代執行の時は中学生で、おやじと一緒にスクラムを組んでいたな。部落は総出で闘っていた。
成田用水決戦の時は28歳。あの時は百姓をやると決めていたから、人の庭を土足で荒らされてたまるかという気持ちで立ち上がった。おやじもよく言っていたが、この辺は湿田で用水は必要だった。だが国と県、さらに空港公団がすごい額の補助金を出してきた。敵のカネを受け取ったら、反対運動やめろよとなるに決まっている。そんなことに納得できないから成田用水を断固拒否して今の同盟で闘ってきた。村で「反対」を貫いて残ったのはうち一軒だが、誇りをもって闘っている。
今の若い人たちは働く場を奪われたり厳しい状況だと思うけど、こうと決めたら周囲の状況に流されず、おかしいことはおかしいと、まっすぐに突き進めばいいと思う。
市東さんの農地を守る闘いは絶対に譲れない。特に全国の農家には分かって欲しい。運動を大きく強くしていくために、自分もどこへでも行く。この前、動労千葉結成30周年の集会に出た。多くの人が三里塚闘争に寄せる気持ちを感じた。これにこたえて闘う決意だ。3・29三里塚に結集し、ともに闘いましょう。