2009年3月16日

全国寮生は3・20渋谷デモへ 富山大新樹寮廃寮阻止を

週刊『前進』06頁(2383号5面1)(2009/03/16)

全国寮生は3・20渋谷デモへ
 入寮募集停止を撤回させ富山大新樹寮廃寮阻止を
 労働者・学生の団結が勝利の道 

 1929年を超える歴史的な世界大恐慌のもとで、全国大学で当局・資本・国家権力が自治寮つぶしに踏み込んできている。われわれの愛する寮を奪い、寮生の誇りと団結を奪い、暴力的に従わせようとする自治寮つぶしの攻撃を絶対に許すことはできない! 全国の寮生は、世界大恐慌に団結を固めて立ち向かおう! 新自由主義政策のもと、いったいいくつの素晴らしい自治寮がつぶされてきたか。寮をつぶしてきた資本主義体制は、歴史的崩壊を開始した。3・20渋谷デモに立ち上がり、「生きさせろ!」と立ち上がる全国・全世界の労働者・学生とともに「富山大新樹寮廃寮阻止!」の声を上げよう! 法大闘争と連帯し、東北大学有朋寮闘争を超える新樹寮闘争の大爆発を切り開こう!

 第1章 新自由主義政策のもとでの自治寮つぶしを粉砕しよう

 2月25日国立大学入試当日、闘う新樹寮生と全国の寮生は、富山大当局の一方的な入寮募集停止・改修・寮自治破壊攻撃に対して、断固として自主入寮募集闘争に立ち上がった。「大学当局が本気になったら勝てない」と寮生に制動をかける体制内執行部をぶっ飛ばし、愛する寮を守るための誇り高い闘いが始まったのだ。
 世界大恐慌の本格的開始のなか、毎日のように労働者の大量解雇が報じられている。学生に対しては親の解雇・賃下げ、学費の高騰、寮の廃止の攻撃だ。労働者・学生が団結して闘う以外に、生活や権利を守れない時代だ。闘わない体制内執行部が用意する屈服の先にはなんの展望もない。自主募集闘争に立ち上がった彼らとともに団結して立ち上がることこそ、この時代に対する寮生の唯一の正しい回答だ。
 学費が払えなくなり、全国の高校・大学で多くの仲間が教育を奪われ追い出されている。埼玉のある県立高校では、一学年200人の生徒のうち、80人もが高校をやめた。こんな時代に「入寮募集停止」だと? こんな攻撃を正当化する道理などどこを探してもない!
 しかも、この攻撃は寮の民営化攻撃であり、寮自治破壊の攻撃だ。体制内寮執行部は「募集停止を受け入れて改修されても、寮自治が残る可能性がある」などと言って幻想をあおっている。しかし、地域の資本が金を出して行われる改修工事の先にあるものは、寮を金もうけに利用する民営化だ。寮生が団結して自ら寮を運営し、闘って学生の生活を守り抜いてきた誇り高い寮自治を、紙切れ一枚で労働者の首を切っている資本家連中が守るわけがない。
 たった2割の信任しか得ていない富山大学・西頭学長を無理やり再選させた資本家連中! まさに大学自治を破壊しているではないか。何より、改修工事は一方的な大学当局の決定であり、寮生の意思は百パーセント無視されている。これこそ寮自治を破壊する宣言そのものであり、これへの屈服の先に寮自治の防衛・発展などない。
 ではどこに展望があるのか。それは、寮生・学生の怒りと団結にこそある。闘わない執行部は「新入寮生を入れたら処分される」と主張し、寮に入りたいと連絡してくる受験生を断っている。
 しかし、ふざけるなということだ。親を解雇され、仲間がクラスから去らざるを得ない現実に輪をかけて廃寮! どうやって大学に通えというのか!
 受験生の怒りは処分ぐらいで消し飛ぶものではない。東北大学有朋寮の廃寮阻止闘争では、入寮募集停止攻撃のなか入寮した古郡陸君が3年にもおよぶ無期停学処分を引き受けながら、寮の委員長として立ち、バリケードを築いて寮に立てこもって闘った。こうした怒りと結合して闘えば、廃寮攻撃など絶対に打ち破ることはできる。「寮に入れないか」と次々と問い合わせてくる受験生の数の多さに、その展望は証明されている。
 サブプライムローンの崩壊に端を発した資本主義経済の大崩壊。アメリカ1位の保険会社AIGの損失が50兆円を超えると報じられている。この3月の決算が歴史的な大損失をたたき出す。家のない労働者に無理やり住宅ローンを貸し付けてもうけ、払えなくなったら警察を導入して家を奪い取る「貧困ビジネス」。こんなことを繰り返してきたやつらには当然の報いだ。
 しかし、彼ら資本家は数百兆円規模の国家財政による救済を受け、さらに労働者の首を切って切って切りまくり、すべての矛盾を労働者・学生に押しつけようとしている。そして大学も「3月決算危機」から無縁ではない。証券など資産運用に1000億円以上の学費を投資している大学が、大学600法人のうち公表されているだけでも8法人、法政大学も650億円以上使っている。しかし、彼らは「大学がつぶれる時代に、寮などぜいたくだ」と、寮生に責任を転嫁して攻撃を強めるに決まっているのだ。
 こんなあり方を許していいのか。さんざん「自己責任」を繰り返してきた資本主義はさっさとつぶれろ! いや、寮をつぶし、学生を食い物にしてきた資本主義はこの手でぶっつぶしてやろう!
 自治寮に住む寮生は、全学生の生活・権利を守る闘いを先頭で闘ってきた。すべての学生の教育を受ける権利が脅かされるこの時代こそ、寮生が団結して立ち上がり、展望を切り開こうではないか。

 第2章 廃寮阻止の決戦は民営化=道州制攻撃との激突点だ

 結局、闘わない執行部の主張は「寮自治を売り渡しても寮の建物が残ればいい」というものだ。こうした主張と真っ向から対決してきた仲間が生み出した「自治寮つぶし絶対反対」のスローガンは、歴史を動かす重大な意味を持っている。
 自治寮廃寮阻止決戦は、寮の民営化=道州制攻撃との激突点だ。大恐慌にあえぐ日本帝国主義は、最後の延命策として道州制に体制の存亡をかけている。道州制は、自治体の丸ごと民営化、公務員の大首切りと労働組合解体攻撃だ。道州を独裁支配する大資本家が生き残るために教育・病院・住宅などあらゆるものを民営化し、6千万労働者階級全体を虫けらのように殺していく。その渦中に大学は投げ込まれ、大資本が大学を独裁支配していくということだ。
 経団連など資本家階級は、「病院も寮も自立しろ、赤字のものはすべてつぶせ」と言っている。しかし、医療や教育で金もうけをするという考え方自体が200パーセントも間違っている。資本家階級が運営する「寮」など寮ではない。そんなものに教育を保障する力などない。だからわれわれ寮生が自治寮として運営してきたのだ。
 こんな当然のことすら保障できないというのなら、断固自治寮廃寮攻撃を阻止し、大学も寮も学生の手で運営するのみだ。自治寮と民営化、自治寮と資本主義は根本的に非和解だ。資本主義打倒の世界革命へ、寮生は立ち上がろう。
 体制内執行部は「予算を出してもらっているのだから当局には逆らえない」と言う。しかし、その予算とは、もとは学費と労働者が働いて払った税金だ。教育に金を使わないというなら、大学の理事会をやめてもらう以外にない。
 われわれ寮生は、寮に住み、今まで奪われてきた仲間との団結を肌で感じ、自らの力で寮を運営していく喜びを知り、自治寮に魅了され、団結して生きる生き方を知った。今まで散々競争させられてきた学生が、仲間と団結する生き方を選択する、寮で培った生き方に無限の可能性が込められる時代だ。だから、自治寮の寮生の誇り高い闘いの歴史が、今こそ輝きを放って全学生を獲得する時なのだ。
 法大闘争を見よ。集会やビラまきで停学・退学処分を受け、デッチあげ逮捕者はのべ88人。学費は証券取引に消え、学費未納で多くの学生がたたき出されている。こんな大学の私物化を許せるか。大学は金もうけの道具ではない!
 4月24日、処分を受けた文化連盟の仲間たちが、「不当処分撤回! 監獄大学粉砕!」を掲げて法大解放の1000人集会を呼びかけている。暴力職員やガードマンの暴力支配をぶち破り、大学を学生の手に取り戻し、学生運動の夜明けを刻印する決定的闘いになる。闘う法大生を始め、全国の学生は「1人の仲間も見捨てない」を掲げて闘い、もはやこの団結は国家権力の度重なる弾圧でも破壊することはできない。
 全国で、全世界で立ち上がる労働者の闘いを見よ。職場を奪われ、誇りと団結を奪われ、未来を奪われる大量解雇に対して、ストライキでそのすべてを奪い返す闘いだ。京品ホテルの労働者は、資本の倒産・解雇攻撃に対して実力で職場を占拠し、自主運営を行った。団結した労働者には資本・国家権力を打倒して社会を運営する力があることを闘いによって示したのだ! 動労千葉は、「労働者はストライキで戦争協力を実力で拒否し、戦争を止める歴史的任務を持っている」と訴えている。
 時代のキーワードは「団結」だ。団結すれば何でもできる。「仲間を裏切ることはできない」——自治寮で寮生が培ってきたこの生き方を全世界の労働者・学生がいま選択し、歴史を動かそうとしている。

 第3章 大恐慌は資本主義の終わり動労千葉スト連帯—3・20へ

 大恐慌は、資本主義の終わりだ! 資本主義経済は奈落の底へと転落し、全世界の労働者・学生が「資本を救済するな!」「生きさせろ!」の怒りと闘いを爆発させている。労働者・学生が団結して立ち上がることに歴史選択がかかった。これが全世界一斉行動としての3・20渋谷デモだ。団結して当局・資本と闘い、寮自治を守りぬいてきた寮生こそが最先頭で立ち上がろう。
 派遣切りに内定取り消し——労働者・学生の怒りが全社会を覆っている。闘いの核心は、この怒りに依拠して闘うことであり、資本・当局にお願いして救済してもらおうとする体制内執行部をぶっとばして闘うことだ。16日〜19日の春闘集中回答日は、労働者の怒りの大きさとは逆に、賃下げ・首切りの嵐になろうとしている。なぜなら労働組合の体制内執行部が闘いをつぶしているからだ。
 650万人の労働者を組織する連合の幹部は、よりによって首切りをしている張本人の経団連と「労使共同宣言」を発した。連合幹部はしきりにワークシェアリングを提案、言っていることは「一気に大量解雇をやるな、ゆっくり首を切らないと治安問題になる」ということだ。ここに危機もチャンスもすべてある。だからオバマも麻生も労働組合の闘いをつぶし、革命をつぶすことに必死になっている。
 法政大の入試では、なんと140人の受験生が「処分撤回」の署名に応じた。そして受験生の怒りに結合する自主募集を闘った寮生の闘い。体制内執行部の制動をぶち破って闘うこと、社会にあふれる労働者・学生の怒りに依拠して闘うことだ。09年冒頭の闘いは、この勝利の路線を獲得したのだ。
 動労千葉が3月17日から19日にストライキに立ち上がる。「『労使共同宣言』をぶっとばし、すべての労働者・学生は怒りにまかせて立ち上がろう」と魂で訴えるストライキだ。3・20渋谷デモも、まさにこうした闘いだ。全国の寮生は「自治寮廃寮化阻止!」の怒りで3・20に集まろう。全国の労働者・学生とともに民営化粉砕・資本主義打倒、新樹寮廃寮阻止闘争を先頭に、全国自治寮死守の闘いを大爆発させよう!