2009年3月16日

〈焦点〉 労使共同宣言 連合が首切り攻撃の先兵

週刊『前進』06頁(2383号3面4)(2009/03/16)

〈焦点〉 労使共同宣言体制粉砕を
 連合が首切り攻撃の先兵

 09春闘は金属大手の集中回答日を前に山場を迎えた。「ベースアップなど論外。定期昇給の維持も困難」と叫ぶ資本に、自動車総連や電機連合など連合指導部は早々と総屈服を決め込んでいる。
 日帝・総資本は現に大量首切りを強行しつつ、「雇用維持」をペテン的に押し出して賃下げをたくらんでいる。「雇用か賃下げか」を迫るその手法は、体制内労働運動の全面屈服を取り付けるために何度も用いられてきたものだ。
 だが、世界大恐慌が本格化する中で、資本の攻撃はさらに居丈高なものになっている。日産は、大幅減産・操業短縮とともに「社員のアルバイトを容認する」と言っている。派遣労働者を切り捨てるだけでなく、正規雇用の労働者に対しても“まともな賃金は出せないからダブルジョブでもトリプルジョブでもやってくれ”とうそぶいているのだ。これこそが、連合や日本経団連、とりわけJR総連カクマル・松崎明が唱える「ワークシェアリング」の正体だ。
 連合の全面屈服は、こうした攻撃をさらに加速させている。連合と日本経団連は1月15日に、「雇用安定・創出に向けた共同宣言」を締結した。これに続き3月3日には、政府に政労使の緊急協議の設置を申し入れ、「雇用の安全網整備」へ共同要請を行った。
 その要請案の中身は、なんと「雇用調整助成金の拡充」「ハローワークの充実」とか「今後成長が見込める分野への円滑な労働移動を推進する」などというものだ。つまり大量解雇や賃下げ攻撃と闘わず、それを認め前提とした上で、今後もさらに首切りを行うために、失業者救済のための「セイフティーネット」を整備しろということでしかない。資本の攻撃の先兵に連合がなっているのだ。
 そもそも連合と日本経団連が結んだ「労使共同宣言」は、「我が国は、これまでも大きな経済危機を労使の努力で乗り越えてきた経験がある」とか、政労使が一丸となって「未曽有の難局を乗り越えていく」などと叫んでいる。
 だが、この間、「派遣切り」を始め労働者を大量に解雇している張本人こそ、日本経団連会長・御手洗のキヤノンを始めとした資本家たちではないか。解雇撤回を掲げて資本と闘うことこそ労働組合の最大の課題ではないのか。ところが連合は、「労使一丸」をうたって“資本は敵ではありません”と表明し、大資本の救済を「労使共同」で推進しているのだ。
 実際、1月15日の連合と日本経団連の「労使共同宣言」締結以降、資本は一斉に大規模な首切り計画を打ち出し、その実行に着手した。全労働者に襲いかかっている首切り攻撃は、連合指導部の総屈服によって誘発されたのだ。
 さらに日本経団連は、「雇用創出」を名目とした「日本版ニューディール」を提言した。その最大の柱は道州制導入だ。公務員労働者360万人を、いったん全員首切りにすることが「雇用創出」策だとは、ふざけきっている。
 日本経団連と連合の「労使共同宣言」体制を粉砕し、連合指導部を打倒し、動労千葉の大幅賃上げを掲げた春闘ストを先頭に、09春闘と3・20全世界一斉大デモの爆発へ全力で闘おう。