ドキュメント2・26西郡 住宅強制執行との激突 ストで闘った八尾北労組
“労働者の団結に生きる”
ドキュメント2・26西郡
住宅強制執行との激突
全国連西郡支部を先頭にストで闘った八尾北労組
2月26日、大阪・八尾市による住宅明け渡し強制執行に八尾北医療センター労組がストに立ち、当該の森本政二さん、部落解放同盟全国連合会西郡支部とともに実力で闘い、団結を固めた。魂を揺さぶられた闘いを報告する。(本紙・田所 梢)
「八尾北労組は森本さんの手を絶対に離さない。資本が打ち込んだ部落差別による分断を全国連西郡支部とともに実力でぶち破り、ひとつの労働者階級として決起する」。長年西郡住宅で暮らし、花屋を営んできた森本政二さん。その森本さんから住居と店を奪い、たたき出そうとする八尾市の強制執行が1週間後に迫った時、八尾北医療センター労働組合は、執行当日ストライキに立つことを決定した。
森本さんが店の2階のベランダに掲げた横断幕の「2・26強制執行を絶対に許さない! 私は一歩も引かない! 労働者の団結に生きる!」の文字は団結の証だ。
そして26日、ストに突入。「一人は万人のために、万人は一人のために」を文字どおり貫く歴史的階級的ストだ。
森本さんは前夜の総決起集会で「すごく心強い。命をかけても動かない」と語り、当日も2階のべランダから何度もマイクを握り、「ここで最後まで闘う。権力には負けていられない。みなさんと一緒に生きていく」と決意表明。ベランダで森本さんとスクラムを組んだ八尾北労組員や西郡支部員、全国からかけつけた労働者・学生との団結が拡大していった。
執行通告の7時を過ぎても敵は現れない。「みなさん、勝ちに行きますよ!」と西郡支部員。「今の1分1秒が勝利している証拠だ。革命へのカウントダウンだ!」と全学連の学生。3時間たってようやく執行官が来た。店の前の座り込みを排除しようと道路側からガードマンをけしかける。八尾北労組員が前面に出て体を張って阻止。正面を守り抜いた。
後日、その感動が口々に語られた。
「子どもを預けてみんなのところへ行った。押しつぶされそうになって、こけそうになって、支えて、向こうもおかまいなし。すごいことができた」「今回は森本さん。次は八尾北への攻撃。患者さん守らなあかん。ちょっとやそっとでできへんでということを示した。きょうの闘いは組合員としての誇りです」「物々しい相手にぶつかっても倒されなかったのは、八尾北医療センターへの思いと、もっと働きたい自分へのエールのような気がする」「ひとつになれたと涙が出た」「感動した。素晴らしい闘いだった。初めての実力闘争にひるまないで敵への肉弾戦を繰り広げた。やはり労働者は決起するんだと確信した」「裏口の写真を見ると自分たちよりすごい。学生、すごいがんばってくれたな」
八尾北労組は宣言したとおり、森本さんの手を離さずストを打ち抜き、ガードマンとの肉弾戦を闘い勝利して「団結を固めた」(藤木好枝委員長)。森本さんも確信に満ちて「勝利したのは団結の力」と言い切った。
西郡住宅闘争は、階級的団結で強制執行に立ち向かい、資本による階級分断、八尾北民営化・道州制攻撃を打ち破る核心をつかみとった。
第1章 森本政二さん、勝利を語る
こぶしを突き上げて「完全に勝利した! これからもみなさんとこの村で生きていく」と宣言した森本政二さん。
「ウソとだましの八尾市住管は絶対に許せない。特に住管の手先となっている地区協許せない。こいつらのためにムラはダメになった。表ではにこにこして、裏では悪口ばかり。面倒見てやるといった格好しながら自分らの金もうけのことばかり。住管と一緒に供託おろさしたのも地区協だ。本当にみんな声を上げて闘わなければ、住めなくされる。これは自分だけの問題ではない」と語り、「明日は地区協打倒を訴える」と非常の決意を固めて強制執行を迎え撃った。
緊張が最高潮に達した26日午前6時前、ともに闘う労働者・学生が到着した。森本さんは「みんなの姿は忠臣蔵の討ち入りみたいでものすごく感動した。勇気がわいてきた」と振り返る。森本さんもベランダからマイクを握り、「地区協許さない。みんな闘いに立ち上がろう」と訴えた。
午前10時、激突が始まった。「下の攻防、素晴らしかった。表は完全に守りきった。向こうは裏からしか来れなかった。勝ったと思った」。
「住宅は取られたが、人間として誇りを持って生きていけるすばらしい団結を、絶対に負けない団結をかちとった。人生で最高の闘いをやり抜いた」「この団結があれば、これからも強制執行は次々あるだろうが、完全に勝てると思った」と胸を張って語った。
「近所の人たちも『よー頑張ったな』『地区協なんとかせんとあかん』と言ってくれた」とうれしそう。絶対反対の闘いを実践した森本さんの自信に満ちた、新たな闘いが始まった。