2009年3月 9日

〈焦点〉 同盟強化で戦争動員狙う オバマ・麻生会談と争闘戦

週刊『前進』06頁(2382号3面3)(2009/03/09)

〈焦点〉 同盟強化で戦争動員狙う
 オバマ・麻生会談と争闘戦

 米帝オバマと日帝・麻生の初の日米首脳会談が2月24日ワシントンで行われた。大恐慌の本格化という日米帝国主義の最大の危機の中で、「日米同盟の強化」「ドルの信頼維持」をひとまず確認しあうことが双方に必要だった。
 危機の反動的のりきりのために、麻生は米軍再編を一層推進し、アフガニスタン侵略戦争への日帝の参戦も強化することを約束した。海上自衛隊のソマリア沖派兵を突破口とする日帝・麻生政権の侵略戦争参戦と、沖縄辺野古新基地建設、そして労働者への階級戦争の激化に断固反撃しよう。
 内閣支持率が10%そこそこで、求心力も統治能力も喪失している麻生政権は、「麻生降ろし」の動きを封じるためにも日米首脳会談など外交日程を次々と盛り込むことで延命を図っている。
 対するオバマも、麻生政権がそう長くないことを完全に見越している。今回の首脳会談も、麻生重視というより、「日米同盟は東アジアの安全保障上の礎石」(オバマ)と、日帝との関係を明確にする目的で行われた。
 大恐慌とイラク・アフガニスタン侵略戦争での泥沼的危機にあえぐ米帝オバマは、ブッシュ的な「単独行動主義」ではもはや立ち行かない中で、日帝をさらに徹底的に米帝の利害のもとに争闘戦的に動員することを狙っている。
 具体的には、アフガニスタンで日帝が開発・治安・インフラ整備などの全面で積極的に「貢献」すること、米国債を引き続き購入すること、「内需拡大」や「原発の新規建設の促進」などで協力しあうことなどをオバマが要求し、麻生も積極的に確認した。同時に、在日米軍再編の推進や対北朝鮮政策での一致した対応なども確認した。北朝鮮のミサイルを、導入したMDシステムで2段階(イージス艦のSM3と地上運用のPAC3)で実戦的に迎撃する検討を防衛省はすでに始めたと報じられている(2月27日付産経新聞)。
 首脳会談に先立って、来日したクリントンとの間で交わされた「海兵隊グアム移転に関する協定」は、普天間基地移設=名護新基地建設を促進すること、グアム移転経費は日帝が負担することをうたった。オバマは、イラクからの撤退をうたいつつ、アフガニスタンに対する増派方針を打ち出しており、結局ブッシュ以上に凶暴な帝国主義者として本性をあらわにすることは間違いない。
 麻生政権も体制崩壊の危機を深めれば深めるほど、日米同盟強化やソマリア沖派兵、アフガニスタン派兵策動など、侵略と戦争の政策を強めている。帝国主義の「最弱の環」としての日帝は、それ以外に延命の道がない。
 米国内の景気対策での「バイアメリカン条項」に示される保護主義の台頭は、帝国主義間の矛盾と争闘戦を激化させるものである。だからこそ、米帝も日帝も「ドル基軸体制の維持」を強調しているのだ。体制崩壊への激しい危機感から、「日米同盟の強化」がうたわれているのだ。
 まさに資本主義の終わりとは、ブルジョアジーの世界支配を転覆する時だ。動労千葉を先頭に、日米韓の3国連帯を発展させ、労働者階級の団結を軸に国際階級闘争の力で世界革命を切り開こう。