迎賓館・横田爆取裁判 警官証言が総破綻
迎賓館・横田爆取裁判 警官証言が総破綻
「金属くず発見」はうそ
2月24日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判・差し戻し審の第14回公判が行われた。
公判冒頭、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志が、裁判官・検察官らを射抜く怒りの意見陳述を行った。「控訴審は、一審で審理しなかった『三つの証拠群』を取り調べれば、被告人らの事件への関与が分かると言い、無罪判決を破棄した。しかし、これまで13回も裁判をやって、検察官は結局何も立証できなかった。控訴審判決の誤りは明白だ。直ちに無罪判決を出せ」と迫った。傍聴席からは「そうだ!」と声が飛び、大きな拍手が巻き起こった。
この日は、警視庁公安一課の警察官・藤井俊裕への反対尋問である。藤井は「三つの証拠群」の核心を占める「金沢借家」関係の唯一の「証人」だ。
検察官がデッチあげたストーリーは、「須賀・十亀・板垣3同志は、岩手借家で逮捕された前年の85年に、金沢市内の借家で信管を製造した」というものだ。藤井はこのストーリーをもっともらしく見せるために、「86年に金沢借家の畳の下から金属くずを発見した。光って見えた」とうそ八百を「証言」していた。
ところが、藤井が「金属くずがあった」と口先で言うだけで、写真もなければ現物もないのだ。
仮に金属くずがあったとしても、いつのものか、何のくずかまったく分からない。弁護人に追及されるや、藤井はしどろもどろだ。卑劣にも「他の捜査官が言っていた」と他人に責任をなすりつける始末だった。
こうして検察官のデッチあげストーリーは、完全に崩壊したのである。
検察官は、「金沢借家」関係の「立証」について、迷走につぐ迷走を繰り返した。
一審段階では、金沢借家押収と岩手借家押収の金属くずが「同様のもの」で、鑑定もしていると主張していた。ところがその後、検察官は「同様のものだ」とする主張を撤回し、結局、一審裁判所は金沢借家関係証拠は一切採用せず、無罪判決を下した。
ところが、控訴審は一回も事実審理をせずに一審無罪判決を「破棄・差し戻し」した。さらに、差し戻し審では、検察官は昨年末に一方的かつ大幅に証拠請求を撤回し、藤井一人にアリバイ的に証言させて、一気に有罪判決へ持ち込もうとする攻撃を、裁判所と結託して仕掛けてきた。
検察や裁判所がどんなにあがこうと、須賀・十亀・板垣3同志への弾圧はデッチあげである。「金沢借家」についても、金属くずなどなかったのであり、藤井への反対尋問で、警察・検察の証拠捏造(ねつぞう)の事実が一層明らかになった。
次回、3月24日、第15回公判から被告・弁護側立証に突入する。検察のデッチあげをへし折る決定的な反証を行い、無罪判決へ進撃する。傍聴闘争に参加しよう。