2009年3月 2日

日教組全国教研 不起立貫く青年を先頭に本部打倒を宣言

週刊『前進』08頁(2381号3面2)(2009/03/02)

日教組全国教研
 不起立貫く青年を先頭に 機動隊破り本部打倒を宣言

 2月21?23日、日教組第58次全国教育研究集会が広島市内で行われた。青年教育労働者を先頭に全国から駆けつけた組合員は、「文科省の手先と化した日教組本部打倒」「道州制・教育の民営化阻止! 不起立闘争で団結しよう」と訴えぬき、全国教研に集まった日教組組合員と大合流をかちとった。

 第1章 2千人の警察で被処分者を排除

 今次全国教研は、日教組本部が国家と資本の側に完全に移行したことを示すとともに、青年教育労働者が先頭に立って、闘う労働組合を奪い返していく歴史的な戦闘宣言の場となった。
 日教組本部は、解雇の脅しを突き破って「日の丸・君が代」不起立を貫く東京の教育労働者・根津公子さんらのレポートを全国教研から排除した。さらに主催県の広教組本部は、不起立を貫いて闘う組合員に、「ビラを配らない」「不規則発言をしない」などを誓約する「誓約書」を提出しなければ「全国教研に参加するIDカードを渡さない」と通告してきた。広教組の中で誓約書に抗議した組合員にも、後から追加して「誓約書」を送付する徹底ぶりだ。
 しかも、当日は会場の広島国際会議場をフェンスで囲んで、「右翼対策」ではなく「闘う組合員排除」のために2100人の警察・機動隊を配置。平和公園一帯は警察に制圧された。
 朝6時過ぎ、全国労組交流センター教育労働者部会が登場すると、演説とビラまきを始めた組合員らに機動隊が襲いかかって暴行、入り口付近から力ずくで排除した。
 ふざけるな、日教組本部! 機動隊で脅せば組合員は黙るとでも思っていたのか!
 「組合こそが組合員を最も弾圧している。こんな日教組本部を打倒し、不起立で教育労働者は団結しよう」。青年教育労働者を先頭に、機動隊の阻止線と対峙して国家権力と日教組本部を徹底弾劾。全国教研に参加する組合員に大演説とビラまきで訴えきった。多くの組合員が事態に驚き、怒り、「誓約書」撤回要求署名に次々と応じた。
 午前9時、会場を機動隊が制圧する中で、教研全体集会が開会された。日教組本部の中村譲委員長は冒頭あいさつで、なんと「警察の警備に感謝する」と表明。さらに文科相・塩谷の「教員免許更新制の実施に万全を期す」などと記したメッセージを朗々と読み上げた。許しがたいメッセージに組合員がヤジを飛ばすと、日教組役員が襲いかかって排除。日教組本部が今次教研を、警察・文科省と一体になって現場組合員の闘いを封じ込めるために開催したことを自白するものだ。
 教育労働者部会は昼休みや分科会会場でもビラ配りと署名集めを行い、日教組本部・広教組本部の幹部役員を弾劾しぬいた。分科会ではレポーター、助言者からも抗議の声が上がった。

 第2章 道州制と対決し不起立で団結を

 この日の闘いは、青年労働者を先頭に、日教組を闘う労働組合としてよみがえらせる力が力強く台頭したことを示した。
 管理強化や多忙化を許し、愛国心教育の強制に道を開いているのは誰か。闘う方針を出さないばかりか、クビをかけて闘う組合員を警察に売り渡す日教組本部だ。こんな連中は打倒するしかない。「日の丸・君が代」被処分者と団結して不起立で闘うことこそ、現場組合員が闘う労働組合を奪い返していく道だ。
 道州制は、教育労働者の首切りと非公務員化・非正規化をとおして教育の民営化・学校の軍事化を推し進め、全労働者を非正規化する大攻撃だ。しかしそれは、現場組合員の闘いをたたきつぶし、日教組を壊滅することなくして貫徹しない。
 今春卒・入学式は道州制決戦の始まりだ。教育労働者は不起立で団結しよう。その力で日教組本部を打倒しよう!

 第3章 “教組幹部と激突し闘おう” 交流会で徹底討論

 全国教研1日目の21日夜、広教組組合員が呼びかけた「教育労働者団結交流会 広島」が開催された。教研に駆けつけた全国の教育労働者が集まり熱い議論を交わした。
 冒頭、東京の教育労働者が発言した。「私たちはきょう、日教組本部打倒を訴えて闘いぬいた。道州制に反対して不起立闘争を軸に闘い、日教組本部を打倒する団結をつくり出そう。自分の中にある体制内的な壁をうち破り、教育労働者の怒りの決起をつくり出そう」
 基調提起は広島の青年教育労働者だ。まずロサンゼルス統一教組・CAMS(校内における軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんからのメッセージを紹介。そして「不起立は職場に団結をつくり出す闘いであるとともに、世界革命の突破口を切り開く闘い。きょうは僕たちこそ日教組の主流派であることを宣言した。平和公園で組合員が『元気な人に会いたくて』と僕らを待っていた。組合幹部に怒り心頭で『あなたに会えてよかった』と。日教組本部を打倒して、教育労働者が世の中を変える闘いの先頭に立とう」と訴えた。
 各地の教育労働者が次々発言し、大阪の教育労働者は3月6日の「道州制反対・橋下打倒」府庁前行動への参加を呼びかけた。広島の青年労働者は「1月の広教組青年部教研で、ビラ配りを禁じる役員に青年部員が『おかしい。全体集会で説明しろ』と抗議したら全体集会を中止した。日教組本部による労働者支配は、不起立闘争が現場と結びついたら一瞬で割れてしまうほど薄い氷の上での支配でしかない。不起立で道州制という名の首切り、免許更新制という名の首切りと対決しよう」と訴えた。
 真剣な議論をとおして、それぞれの職場から体制内の教組幹部と激突して日教組本部打倒へ突き進むことを誓った。