〈焦点〉 御手洗の犯罪性と道州制 裏金と脱税で「親友」逮捕
〈焦点〉 御手洗の犯罪性と道州制
裏金と脱税で「親友」逮捕
日本経団連会長・御手洗冨士夫の親友であるコンサルタント会社社長・大賀規久が、キヤノン大分工場建設(受注額824億円)などに際して工事を受注したスーパーゼネコンの鹿島から40億円を超えるコンサルタント料や裏金を受け取り、脱税していたことが発覚し、関係者らが逮捕される事態になっている。関連会社には、元大分県議会議長、元熊本国税局長や警察OBが多数加わっている。
大賀は裏金はキヤノン株の購入に充てたと言っている。まさにインサイダー取引の疑いもある。
この事件に対して、御手洗は「長年の友人だが弁護する気もない」と自分がまったく関与していないかのように振る舞っている。何と恥ずべき人間か。御手洗なしに大賀の犯罪は成立しない。キヤノンの工場建設のために鹿島は40億もの金を大賀に注いだのだ。御手洗は無関係どころか事態の中心人物であり、元凶と言っていい。
大賀の兄と御手洗は同級生で共にキヤノンに入社した仲。大賀の長男もキヤノン社員で、その結婚披露宴の主賓でスピーチしたのは御手洗だ。そこで、3代にわたって大賀家と深いつながりがあることを表明している。「(御手洗)会長の私設秘書」と陰で言われた大賀が「バックに御手洗がいる」ことを最大限武器にして裏金づくりと脱税に精を出した。御手洗が無縁なはずがない。御手洗は07年12月に大賀の脱税が問題になり始めてから、大慌てで大賀の関連会社との契約を解除するなど、関係を切るかのように演出したのだ。
問題は、これほど多額の金が工事を仲介することで動いていることだ。鹿島が金を出すのはそれ以上のもうけがあるからだ。その金はどこから出ているのか。鹿島は工事受注を入札によってではなく、随意契約で手にした。鹿島は「大賀から裏金を要求され断り切れなかった」と被害者面をしているが、受注額のすべてがキヤノンと大分県土地開発公社から流れているのだ。
この金は何よりもキヤノンで働く労働者から搾取したものだ。キヤノン労働者が生み出したものだ。そのキヤノン労働者を「偽装請負」や派遣法で搾取し、さらに業績が悪化すれば、真っ先に首を切る。大分キヤノンは「派遣切り」の代名詞になった。御手洗は経団連の先頭を切って派遣・請負労働者1200人を解雇した。この時も、御手洗は「人員削減は、わが社のことではなく、派遣会社7社の判断だ」と責任を転嫁した。どこまでも卑劣で許し難い。
しかも御手洗が元凶となっている今回の事件は、道州制攻撃と密接に関連している。道州制はキヤノンのような工場立地を、農地法も解体して野放図に、合法的にやろうということでもあるのだ。
これが御手洗キヤノンのやっていることだ。これが経団連だ。これが日帝ブルジョアジーだ。労働者階級と資本家階級は非和解であることが、ここに鮮明に現れている。労働者階級が団結して資本家階級の支配を打倒するプロレタリア革命に勝利する以外に、労働者には生きる道はない。
御手洗に対する怒りと憎しみを倍加させ、御手洗=経団連打倒、「生きさせろ!」ゼネストへ闘おう。道州制攻撃を粉砕しよう。