2009年2月 9日

労組交流センター 全国総会が画期的な成功

週刊『前進』06頁(2378号2面2)(2009/02/09)

交流センター運動の大発展へ
 労組交流センター 全国総会が画期的な成功
 国鉄・道州制粉砕決戦を軸に

 大恐慌時代に勝ち抜く労組交流センター運動の飛躍と転換を——全国労組交流センターの第16回定期全国総会が1月31日〜2月1日、150人を超える参加者で開かれ、交流センターを現場労働者の階級性に依拠した戦闘的活動家集団として確立する方針を決定した。
 代表運営委員の入江史郎さん(ス労自主)が冒頭、「大反動にもかかわらず11・2労働者集会への5700人の結集は大勝利。4者4団体派との分岐をさらに進め、4大産別決戦を闘って、交流センターが資本主義の墓掘り人になろう」と開会あいさつした。
 議案提起は、総括・情勢を岩本正治事務局長、闘いの基調を辻川慎一代表運営委員(要旨別掲)、方針を小泉義秀常任運営委員が行った。
 今年の総会議案は、画期的な内容になった。
 「総括」では、08年決戦について「11・2集会で大恐慌情勢にうちかつ労働者階級の国際的陣形をつくりだしたこと。特に、国鉄1047名闘争を解体する4者4団体路線と全産別で分岐・激突してかちとられたことが重要だ。これこそ交流センターの到達地平だ」と核心的に総括した。
 「闘いの基調」では、交流センター運動の本来的意義を「資本および体制内労働運動指導部との全国的闘争機関、動労千葉のような労働運動を全国で展開するランク・アンド・ファイル運動だ」と明確にさせた上で、「私たち自身が、交流センターの決定的歴史的位置について十分に自覚していなかった」とし、改良ではなく革命の立場で闘うこと、体制内勢力や自己の体制内的あり方をうち破り、階級的団結のみに依拠して闘う労働組合へと変革していくことを呼びかけた。
 「方針」では、「国鉄労働運動の主流派になることを通じて日本の労働運動の主流派になる」と第2次国鉄決戦の意義が鮮明に提起された。この国鉄決戦を基軸に、道州制粉砕決戦を「生きさせろ!」ゼネストの突破口として闘い、資本・権力に対する全労働者階級の総反乱を職場から組織しようと呼びかけた。
 特別報告では動労千葉・田中康宏委員長が「労働者の怒りに統一的方針、方向性を示せるのは交流センター運動だけだ」と檄をとばした(要旨別掲)。

 第1章 ストライキの報告が次々と

 2日間の討論では36人が発言した。体制内派と決別してきた1年。その確信は不動のものとなっている。
 第2次国鉄決戦の先頭に立つ動労千葉の清水匠執行委員は「4者4団体派について絶対にあいまいにしない。1047名解雇撤回闘争は全労働者の問題だ」。国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんは「昨年の10・24集会への機動隊導入は絶対許せない。4・25尼崎闘争で4者4団体派と決着つける」と決意表明した。
 道州制決戦も力強く前進している。大阪の自治体労働者は「針の穴を通すような一致、激しい討論で未来の団結つくる」と述べ、道州制反対!橋下打倒!3・6大阪府庁前行動を呼びかけた。沖縄では体制内派が「道州制は沖縄独立だ」と賛成しているという。沖縄の労働者は「沖縄と本土の労働者がひとつになって道州制を粉砕する。自治体職場に交流センターを」と決意を示した。3・6大阪集会への総決起が確認された。
 スト報告が8本。解放感が生き生きと語られた。2波のストを闘った仙台の東北石けん労組の労働者は「団結の拡大・強化こそまったく正しい」と実感を語った。「最大の敵は自分の中の体制内」。仲間と本音をぶつけ合って克服した。関西の労働者は、森精機でのストについて「階級的労働運動路線でストを実現した」と総括。「首を切った企業に責任をとらす」と派遣先でストを決行した実力決起は、正規雇用—派遣の分断を越え、全労働者に闘いの展望を示した。
 辻川代表はまとめの発言で「ゼネスト方針はブルジョア法の枠を超えた方針。体制内と闘い、こんな世の中ぶっ飛ばすという勢力をつくることだ。6千万労働者階級全体を組織する目的意識性に貫かれた闘いでなければならない」と指摘した上で、特に第2次国鉄決戦へ決起を強調した。
 総会では北島邦彦杉並区議、星野再審全国連絡会議の狩野満男さん、織田陽介全学連委員長が来賓のあいさつを行った。「階級的労働運動の力で無実の星野文昭さんをとり戻そう」の特別決議が採択された。
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 第2章 解説 大恐慌情勢と対決 いよいよ真価発揮する時

 第16回総会は、大恐慌時代に勝利する労組交流センター運動確立にむけた歴史的な総会となった。
 交流センターは1989年、総評解散−連合結成情勢の中、総評労働運動の突破をかけ、動労千葉の呼びかけのもとに結成された。「現場から日本の労働運動を覆す」(田中委員長)——それが国鉄分割・民営化攻撃と真っ向から闘いぬいた動労千葉の総括だった。
 この運動は、国鉄闘争の継続・発展を軸に、95年に始まる11月労働者集会へと発展した。昨年の11月集会では、4者4団体派との徹底対決を貫き「世界大恐慌を真っ向から迎え撃つ国際連帯」(議案)を生んだ。
 体制内勢力は労働者階級をブルジョア法の枠に縛り付ける。だが動労千葉は違う。ブルジョア法など関係ない。現場労働者の団結のみに依拠して闘う。このランク・アンド・ファイル運動を大発展させることこそ、大恐慌時代に勝利する道だ。
 第16回総会の核心は、昨年の11・2労働者集会がつかみとった到達地平に立ち、交流センターを「団結を総括軸に資本および体制内勢力と徹底して闘う闘争機関…。労働組合の集合体ではなく、労働者の階級性に依拠した戦闘的活動家集団として徹底的に自己を純化する」(議案)ことだ。
 韓国・アメリカの戦闘的労働者も、現状突破の方向性をこの交流センター運動の中に見出している。いよいよ交流センター運動の真価を発揮する時が来た! 第2次国鉄決戦・道州制粉砕決戦こそ、その主戦場だ。
 (本紙・水森健介)
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 第3章 ブルジョア法の枠うち破り日本労働運動の主流派へ! 代表運営委員 動労水戸副委員長 辻川慎一さん

 動労千葉の歴史的地平にふまえて私たちは第2次国鉄決戦に突入しようと方針を立てている。
 動労千葉は70年闘争の渦中から生まれ出てきた。70年闘争は、ブルジョアジーが作った法律、戦後憲法など、われわれを縛っているものから労働者を解き放った。ここに、あの闘いのものすごいエネルギーがあった。この70年闘争の核心をぶっ壊すためにカクマルは襲撃をした。社会党や共産党などは、それを寄ってたかって護憲体制に収束させようとした。
 だが動労千葉はその地平を、国鉄労働運動の中で労働者自身のものとするために闘い抜いた。このことが非常にはっきりしたのが国鉄分割・民営化だ。86年に国鉄改革法が決められたが、社共などは“法律で決められたことは絶対越えられない壁だ”と国鉄労働者に強制し続けた。だから20年間、政治解決路線でブルジョアジーにすがってきた。しかし労働者は“法律なんか関係ない。そんなもの資本の縛りじゃないか”となった時にすごいエネルギーを発揮する。そのことを国鉄闘争の主戦場ではっきりさせたのが動労千葉だ。
 第2次国鉄決戦は体制内労働運動と闘争し、そこから労働者を引きはがすことだ。労働者階級は動労千葉のように闘ったら勝てる。
 今どんどん労働者が首を切られている。これは解雇問題にとどまらない。これからドル暴落、ハイパーインフレに全労働者がたたきこまれる。そういう時に体制内の連中が、1カ月の生活保障なんかで労働者の怒りをおさめようとしたってなんの展望もない。改良主義・救済主義はナンセンス。国家権力、ブルジョアジーを打倒する闘いへと労働者を急速に団結させなければならない。
 既成の労組の中で体制内労働運動と対決し、打倒して、労働者階級をブルジョア法的なくびきから解放していくことだ。われわれ自身もその縛りから解放されなければいけない。労働者階級の根底的戦闘性と階級性、団結にのみ依拠して闘い抜く存在として職場、街頭で鮮烈に登場し分岐をつくる。そこで初めてわれわれは、本当の階級的結集軸になる。そういう活動家集団として交流センターを形成しよう。
 国鉄分割・民営化反対闘争の時、動労千葉の中野前委員長も僕も、日本の労働運動全体をとるために闘った。今や時代は変わった。労働者階級の意識が違う。分割・民営化の先兵になったカクマルはほとんど影響力がない。交流センターが切り開いた地平だ。
 いよいよ09年は、われわれが日本労働運動の戦闘的・階級的・革命的な主流派になる年だ。第2次国鉄決戦とは、国鉄の中に「動労千葉」「動労総連合」をつくること。それを全国で徹底して貫くのが交流センターだ。

 第4章 ここにランク&ファイルの現場活動家を結集させよう 特別報告 動労千葉委員長 田中康宏さん

 大恐慌情勢の中で事態は一変している。労働者の意識が明確に変わってきている。数十年ぶりの歴史的で巨大な変化だ。われわれの側さえ闘いの方針、あり方を間違えなければ勝利できる。勝利の核心は労組交流センターにある。交流センターの発展でこの情勢に立ち向かおう。
 11月労働者集会は交流センターの闘いがつくりあげた。様々な潮流が階級的戦闘的労働運動の復権をかけてアメリカでも韓国でもヨーロッパでも必死になっているが、交流センターという画期的組織を持っているのは日本だけだ。宝の持ち腐れにしてはいけない。
 交流センターは動労千葉が佐藤芳夫さんとともに呼びかけて結成した。国鉄分割・民営化反対闘争の僕らなりの総括だった。戦後最大の労働運動解体攻撃に勝利するには、もう一回これに立ち向かって現場から労働運動を覆していくしかないと全国の仲間に訴えた。今や国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃は破綻し、資本主義は断末魔。交流センターが20年間蓄積してきた力を爆発的に発揮する時だ。
 日本の労働運動の常識とされてきたものは全部体制内思想。労働者をさげすみ続けてきた。労働組合と党との関係も同じだ。労働組合を低く置く。こうした常識を全部ひっくり返すことが必要だ。労働組合には社会を根本的に変革できる力がある。そして、革命は一部の特別な人間がやるものではない。一言で言えばマルクス主義に基づいた労働運動だ。それは職場の日々の実践の中から作りあげられる。
 労働組合の一番の基本は現場。現場労働者の怒りが団結を求め、労働者にとって団結が何よりも大事だと学び、労働組合という形になってきた。だから労働運動は現場からつくるもの。そのランクアンドファイル、現場活動家が産別や労働組合の枠をこえて結集するという新しい全国的組織をつくったのが労組交流センターだ。“現場から連合、全労連の腐ったあり方をひっくり返せ”と。すべての労働者をここに結集させたい。
 昨年の11月集会でジャック・ヘイマンさんは、必死の苦闘の中から党が本当に必要だと言った。僕らも同じ。交流センターは新しい労働者の党の基盤でもある。全国の社会主義者・マルクス主義者の職場活動家が労働運動の根本的な変革を掲げて闘っている。
 これから闘いはボンボン起きる。ヨーロッパでは全土暴動化している。日本でもこれから始まる。怒りに方向性が与えられたなら、怒りの声はたちまち10倍、百倍になる。全国的な組織として統一的方針を出せるのは交流センターだけだ。